田中 宏著『仮名草子の文学的研究』

2016.01.18 Monday

■田中 宏著『仮名草子の文学的研究』刊行

田中宏氏の論文集『仮名草子の文学的研究』が刊行された。2016年1月1日、
人間の科学新社発行。A5判506頁、定価4600円+税。上製本箱入り。
このデータを見て、まず、定価の安さを思う。自分の論文集ゆえ、できるだけ
多くの読者に読んで欲しい、そのような著者の考えから設定された定価であろう。
頭の下がることである。

内容は、次の通り。

目 次

はじめに …………………………………………………  3

第1章  お伽草子から仮名草子へ …………………  11
 1、『三人法師』論 …………………………………  15
 2、『恨の介』論 …………………………………… 48
 3、『露殿物語』の人間像 …………………………  79

第2章  仮名草子――笑いと諷刺の世界―― ……… 117
第1節 『竹斎』の研究 …………………………… 121
1、 仮名草子『竹斎』 …………………………… 121
2、 『竹斎』と『伊勢物語』 …………………… 149
3、 『竹斎』――作品の魅力―― ……………… 187
第2節 「竹斎本」の研究 …………………………… 211
『竹斎療治之評判』論 …………………… 211

第3章  もじりと座談の世界 ………………………… 249
 1、『犬枕』論 ……………………………………… 253
 2、『醒睡笑』論 …………………………………… 311
 3、『仁勢物語』研究(上・中・下) …………… 351

第4章  仮名草子から浮世草子へ …………………… 443
 1、『醒睡笑』と『本朝桜陰比事』 ………………… 447
 2、『本朝桜陰比事』論
    ――森銑三氏の御論に関して―― …………… 468

あとがき …………………………………………………… 491

索引(人名・書名・主要事項) ………………………… 496

著者の田中宏氏は、法政大学時代の同期である。卒業論文に仮名草子の『竹斎』を選んだ。私は、同じ仮名草子の『可笑記』を選んだ。そんな関係で、お互いに仮名草子を核として、今日まで研究してきた。その田中氏の第一論文集が刊行されたことは、誠に慶賀すべきことである。
それと同時に、このところ、古典文学が軽視される風潮の中で、その中でも特に地味な仮名草子の研究書が出版されたことは、クリーンヒットである。特に、仮名草子は、文学的評価においては、余り高くない。そのような状況の中で、お伽草子 → 仮名草子 → 浮世草子 の文学史の流れを的確に、真摯に、情熱的に取り組んでこられた田中氏の論文の一部分が著書としてまとめられたことは、注目に値する。

■ 田中宏氏『仮名草子の文学的研究』 写真

投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。