芦川 智 『世界の広場への旅 もうひとつの広場論』

芦川 智 『世界の広場への旅 もうひとつの広場論』
2017.06.04 Sunday 
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『世界の広場への旅 もうひとつの広場論』
芦川 智 編
芦川 智・金子友美・鶴田佳子・高木亜紀子 著

2017年6月10日、彰国社発行
A5判、横本、180頁、定価2500円+税
目次

はじめに 003

1 広場への導入 006
  ドゥオーモ広場:ミラノ/イタリア 008
  ドゥオーモ広場:フィレンツェ/イタリア 010
  サン・マルコ広場:ヴェネツィア/イタリア 012

2 建物のための広場と人のための広場 014
  旧市場広場:ポズナニ/ポーランド 016
  旧市場広場:ヴロツワフ/ポーランド 018
  中央市場広場:クラクフ/ポーランド 020

3 マルクトと称する広場形態 022
  マルクト:マインツ/ドイツ 024
  マルクト:ライプツィヒ/ドイツ 026
  中央市場通り:ミュンスター/ドイツ 028
  マルクト:アーヘン/ドイツ 030

4 スペイン特有のマヨール広場 032
  マヨール広場:マドリード/スペイン 034
  マヨール広場:サラマンカ/スペイン 036
  マヨール広場:セゴビア/スペイン 038

5 イスラーム都市旧市街の広場概念 040
  市場広場:ガルダイア/アリジェリア 042
  旧市街:チュニス/チュニジア 044
  メスキータ:コルドバ/スペイン 046

6 スイスのツェーリンゲン家の都市づくり 048
  マルクト通り、がらくた通り、正義の女神通り:ベルン/スイス
    050
  中央通り:ムルテン/スイス 052
  市庁舎広場、中央通り:トゥーン/スイス 054
  中央通り、マルクト広場、グルツェルン通り:
  ゾロトゥルン/スイス 056

7 イギリスの広場概念 058
  ハイ・ストリート:コルチェスター/イギリス 060
  コヴェント・ガーデン:ロンドン/イギリス 062
  ピカデリー・サーカス:ロンドン/イギリス 064
  フィッツロイ・スクエア:ロンドン/イギリス 066

8 スロバキアの街路型広場 068
  市庁舎広場:スピシュスカー・ノヴアー・ヴェス/スロバキア 070
  市庁舎前広場:バルデヨフ/スロバキア 072
  ミエロポ広場:レボチャ/スロバキア 074

9 各地の街路型広場 076
  マクシミリアン通り、市庁舎広場:アウグスブルク/ドイツ 078
  ブロード・ストリート:スターリング/イギリス(スコットラン
  ド)080
  ドゥーギ広場、ドゥーガ通り:グダニスク/ポーランド 082

10 わが国の広場概念 084
  金刀比羅宮参道空間:琴平/日本 086
  階段の町:尾道/日本 088
  仲見世・浅草寺境内:浅草/日本 090
  谷中銀座商店街、夕焼けだんだん:谷中/日本 092

11 バリ島の広場概念 094
  帯状広場:トゥンガナン/バリ島・インドネシア 096
  帯状広場:ブグブグ/バリ島・インドネシア 098

12 特殊地形:坂・段差一階段 100
  三位一体広場:バンスカ・シュティアフニツァ/スロバキア 102
  サンタ・マリア・デル・モンテの階段、ラ・ピアッジア通り:
  カルタジローネ、コリナルド/イタリア 104
  石段街:伊香保/日本 106
  ダシャーシュヴァメーダ・ガート:ヴァーラーナシー/インド 108

13 ネパール、チベッ卜(西蔵)の広場概念 110
  パルコル、サムイエ寺:ラサ/チベット 112
  ダルバール広場、ボダナート:カトマンドゥ/ネパール 114
  ダルバール広場:パタン/ネパール 116
  ダルバール広場.トゥマディ広場:バクタプール/ネパール 118

14 祭りと広場120
  山あげ祭り:那須烏山/日本 122
  カンポ広場.ドゥオーモ広場:シエナ/イタリア 124
  アム・マルクト:シュヴェービッシュ・ハル/ドイツ 126
  三社祭:浅草/日本 128

15 開かれた広場・閉じられた広場 130
  コメルシオ広場:リスボン/ポルトガル 132
  4月9日広場:タオルミーナ/イタリア 134
  シニョリーア広場:グッビオ/イタリア 136
  ポポ口大通り:キオッジア/イタリア 138

16 水面と広場 140
  旧港:マルセイユ/フランス 142
  水路:麗江、水郷古鎮、ヴェネツィア 144
  プラツア通り:ドゥブロヴニク/クロアチア 146
  水上マーケット:ダムヌン・サドゥアック、アンパワー/タイ 148

17 転用された広場 150
  ナヴォーナ広場:ローマ/イタリア 152
  アンフィテアトロ広場:ルッカ/イタリア 154
  プラート・デッラ・ヴァッレ:パドヴァ/イタリア 156
  ヴァーツラフ広場:プラハ/チェコ 158

18 連携された広場 160
  ホルニ一広場、ドルニー広場:オロモウツ/チェコ 162
  フルッタ広場、エルベ広場、シニョーリ広場:
  パドヴア/イタリア 164
  チステルナ広場、ドゥオーモ広場:
  サン・ジミニャーノ/イタリア 166
  フローテ・マルクト、小さな手袋マルクト、グルーンプラーツ:
  アントワープ/ベルギー 168

18 もうひとつの広場論 170

  註釈等・参考文献 174

  おわりに 177
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はじめに

 海外都市広場調査を本格的に始めたのは1990年である。そ
れより以前の海外調査は1972年であり、今から44年前のこ
とで、まだ世界は冷戦時代であった。海外、特に東欧で、調査
を実施するのはなかなかできる状況ではなかったが、1990年
になるとベルリンの壁が壊れて一挙に東欧の民主化が進み、ソ
ビエト連邦が崩壊していき、東欧の調査を企画できるようにな
った。それでも全行程レンタカーで踏破することに、ためらい
があったのは確かであるが、行程を最初に決めていくことは臨
機応変な判断ができなくなるという恐れから、車での調査を
決断した。最初の東欧調査で踏破した距離は8,028kmである。
海外都市広場調査の総走行距離は71,354kmに及び、この機動
力が調査の成果に如実に反映されたと思っている。
 四半世紀の間に調査用具も変化していった。まず、銀塩カメ
ラからデジタルカメラへの転換である。さらに距離計の発達で
ある。当初は精度が上がらない機器で苦労しながらの測定であ
った。今ではレーザー距離計が普通になり、かなりの精度が出
せる機器が開発されている。また、衛星画像が活用できるよう
になったこともフィールド調査を容易にしていった大きな要素
であろう。
 世界はこの26年間で大きく変わった。その中で大きな事象    
は情報のグローバル化であり、科学技術の躍進とともに、情報
がどこでも確保できる時代となったことが人々の生活を大きく
変えたことになる。つまり、世界の各地で起こっていることを
日常のお茶の間で確認できるようになったことが生活を変えて
いった要因のひとつであろう。現代の世界では多くの戦争が今
なお続いている。テロや民族紛争による抗争はいつ止むともし
れない状況である。これまでに調査を行うことができた国が、
今はもう入国さえままならないという状況にあることは悲しむ
べきことである。
 この本で取り扱った国は19カ国で、紹介された都市は69
である。これに対して、今までに調査した国の数は延べ86カ
国で広場の数は都市広場調査だけで1,059である。このように、
調査の内容のほんの一部ではあるが、シリーズ研究として長年
行ってきた研究の成果をこの1冊に集約したことは確かであ
る。広場を対象とする研究者に対して、もうひとつの広場論を
提供する書籍として、あるいは世界の広場を訪ねていく旅行者
にとってのガイドブックとして、本書が役立つことを願ってい
る。
                 2017年4月 芦川智
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執筆者紹介

芦川智(あしかわ さとる)

1945年 神奈川県生まれ
1968年 横浜国立大学建築学科卒業
1970年 横浜国立大学大学院修了
1972年 東京大学大学院修了
1975年 東京大学生産技術研究所
     助手就任
1980年 昭和女子大学専任講師
1981年 昭和女子大学助教授
1984年 昭和女子大学教授
2016年 昭和女子大学名誉教授

〈現在〉
芦川智建築研究室主宰
工学博士、一級建築士、
インテリアプランナー

〈主な著書・執筆〉
『住まいを科学する』(共著、地人書館)、
「住居集合論1 SD別冊N0.4」
「住居集合論3 SD別冊N0.8」
「住居集合論4 SD別冊NO.10」
「東欧の広場」 SD1993年2月号
(以上、鹿島出版会)、
「マルクト 市の立つ広場」造景27号・
28号・29号(建築資料研究社)

〈主な作品〉
立山町ふれあい農園施設(1989年)、
脇町交流促進施設(2000年)、
菅野邸(1996年)等
金子友美(かねこ ともみ)

1965年 栃木県生まれ
1988年 昭和女子大学卒業
1993年 昭和女子大学大学院
     修士課程修了
1998年 昭和女子大学生活科学部
     生活環境学科専任講師

〈現在〉
昭和女子大学大学院生活機構研究科
環境デザイン研究専攻准教授
博士(学術)、一級建築士

〈主な著書〉
『建築空間計画』
『建築設計テキスト併用住宅』
(以上共著、彰国社)、
『建築デザイン用語事典』
『空間デザイン事典』
『建築・都市計画のための空間学事典
増補改訂版』
『空間要素』『空間演出』
(以上共著、井上書院)
鶴田佳子(つるた よしこ)

1969年 東京都生まれ
1991年 昭和女子大学生活美学科卒業
     昭和女子大学家政学部
     生活美学科技術助手
2002年 昭和女子大学大学院
     生活機構研究科満期退学
2004年 昭和女子大学人間社会学部
     現代教養学科専任講師

〈現在〉
昭和女子大学人間社会学部
現代教養学科准教授 博士(学術)

〈主な著書〉
『トルコ・イスラーム都市の空間文化』
(共著、山川出版社)、
『女性と情報』
(共著、御茶の水書房)、
『Becoming Istanbul-An Encyclopedia』
An Encyclopedia』
(共著、Garanti Galari)
高木亜紀子(たかぎ あきこ)

1978年 東京都生まれ
2001年 昭和女子学生活美学科卒業
2003年 昭和女子大学大学院生活機構
    研究科生活科学研究専攻修了
2003~14年 昭和女子大学環境
    デザイン学科助手

〈主な著者・執筆〉
「マルクト 市の立つ広場」
(造景27号・28号・29号)
(建築資料研究社)

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展示会
 「世界の広場への旅―もうひとつの広場論―」原画展

時  2017年7月1日(土)~7月7日(金)
             16:00~19:00
場所 ギャラリー WAITINGROOM
         芦川朋子の主宰するギャラリー
   〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-8-11
             渋谷百貨ビル3F
   TEL/FAX 03-3476-1010
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投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。