冨樫省艸 刻 篆刻遊印

●今日、山形の斎藤豪盛氏から宅配便が届いた。押入れを整理していたら、酒田の篆刻家、冨樫省艸氏の篆刻印が出てきた。一昨年、昭和女子大学の光葉博物館に、冨樫氏の篆刻印を寄贈して、受け入れて頂いたが、それと一緒にしてもらえないか、とのこと。斎藤氏は酒田の奉行だった、斎藤筑後守広盛の御子孫である。早速、博物館に問合せてお願いしたところ、御承諾頂いた。有り難いことである。

●私は、大学を出たばかりの頃、〔池袋土曜会〕という会に参加させて頂いた。この会は、仲小路彰という歴史思想家の教え子、大久保力雄氏が主宰しておられた。実に奇妙な会で、特に目的も無く、資格も無く参加できた。ただ、第3土曜日に池袋の喫茶店に行けば、それでよかった。研究発表する訳でもなく、テーマがあって討論するのでも無かった。ただひとつ、何かにとりつかれているのが、強いて言えば条件だった。森銑三氏の三古会に似ていた。私は、ここで、冨樫省艸氏に出会った。そうして、念願の蔵書印を刻してもらった。そこから、篆刻遊印の世界にのめりこんだのである。
●〔池袋土曜会〕は、『省艸印譜』を刊行した。限定30部。
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篆刻・2(WEB日記,2000年9月11日,より)
●冨樫氏の篆刻作品は見事である。私も蔵書印譜など多く見ているが,見劣りは決してしない。40年間も彫り続けて,その数も膨大なものであった。
●我々,池袋土曜会は,「省艸印譜刊行会」を設立して,平成4年12月12日,『省艸印譜』を刊行した。限定30部,収録印は,厳選して144点。全て,中国,西玲印社の印泥による手押し。和装本で,匡郭・丁付・題簽は木版,印文等は全て活版。
●寄贈先は,国立国会図書館・都立中央図書館・東大・京大・芸大・武蔵美・多摩美・早稲田・慶応・明治・法政・立教・昭和女子等の図書館である。明治時代には三村竹清などという粋人がいて,見事な印譜集を残しているが,この『省艸印譜』もキッと,後世の人々の目を楽しませてくれるものと確信している。本サイトでは,いずれ,この『省艸印譜』の紹介もしたいと思う。
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■冨樫省艸 刻 遊印

投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。