『近世初期文芸』と『近世文学研究』

『近世初期文芸』と『近世文学研究』

●『近世初期文芸』は、昭和44年(1969)島本昌一氏と私で創刊した。平成16年(2004)、私が昭和女子大学を定年退職するので、編集実務を菊池眞一氏に引き継いだ。この時、島本氏は、新しい研究の境地に進みたいと、別の雑誌を創刊する準備に入った。そうして、5年後の、平成21年に、文学史探究の会を創設されて、『近世文学研究』を創刊された。
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■『近世初期文芸』第20号(平成15年12月25日発行)

近世社会の誕生と下河辺長流…………………………………村上明子
前句付「そろはぬ物ぞよりあひにける」の作者考…………安藤武彦
――徳川秀忠か、『塵塚俳諧集』 下巻所収句――
長岡元甫の伝記に関する新知見………………………………八木淳夫
如儡子の「百人一首」注釈……………………………………深沢秋男
――武蔵野美術大学美術資料図書館所蔵『砕玉抄』(序説)――
『花の縁物語』の改変…………………………………………冨田成美
――その方法と傾向(ニ)――
『はなむけ草』翻刻……………………………………………菊池真一
宮本武蔵『五輪書』について(その三)………………………田中 宏
――『風姿花伝』『兵法家伝書』との比較――
『女みだれかみけうくん物語』考 補遺……………………小川武彦
貞徳と『伊勢物語秘訣』(五)完………………………………島本昌一
<新刊紹介>
今栄蔵著『初期俳諧から芭蕉時代へ』………………………島本昌一
野田千平著『近世東海俳壇新攷』……………………………島本昌一
<仮名草子関係書・目次紹介>
朝倉治彦編『仮名草子集成』第三十三巻・第三十四巻……深沢秋男
花田富二夫著『仮名草子研究―説話とその周辺―』………深沢秋男
ラウラ・モレッティ著『竹斎(イタリア語訳)』…………深沢秋男

■『近世初期文芸』第21号(平成16年12月25日発行)

甲南女子大学図書館所蔵 写本『可笑記』について………………深沢秋男
『堪忍記』についての疑義―その構成と内容のこと―……………柳 牧也
『ひやう』翻刻と解題……………………………………ラウラ・モレッティ
『千代の友つる』翻刻……………………………………………菊池真一
宮本武蔵『五輪書』について(その四)………………………………田中 宏
石川丈山「わたらじな」和歌攷…………………………………小川武彦
『仮名草子研究文献目録』をめぐって…………………………菊池真一
『近世初期文芸』総目次(第1号~第21号)………………………編集部
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■『近世文学研究』創刊 平成21年(2009)7月

■2009/07/17 (金) 00:56:30 『近世文学研究』 創刊を祝す

●『近世文学研究』という雑誌が創刊された。かつて、近世初期文芸研究会で、近世初期俳諧や仮名草子を私と一緒に研究していた、島本昌一氏を中心にして立ち上げた「文学史探究の会」が発行母体である。『近世初期文芸』よりも一回り小さいA5判の雑誌であるが、私よりも年長の島本氏が、新しい雑誌を出された事に、心からの敬意と、祝福を捧げたい。

「創刊のことば 文学史探究の会
いずれの時代でも同じであろうが、研究は進めば進むほど、細分化される。この過程は引き返す事はできないであろう。しかし、そのためか同じ分野の研究であると思いながらも、対話が失われてきているように思われてならない。さまざまな分野の研究者が一堂に会し、交流を深める場がほしいと思う。
とりわけ、近世文学はそれ以前の古典と明治以後の近代を繋ぐ問題に充ちた世界である。研究誌を創刊するゆえんである。
といっても、性急に巨視的展望を開くことを意図してはいない。まずはお互に作品の読み方を学び会うことから始めていきたいと思う。そうして出来る事ならば共同の研究や調査を工夫していきたい。
2009 ・ 7・ 11 記」

●この雑誌の創刊の意図は、ここに示されている。日本文芸史における、古代や中世文芸と、明治以降の近代文芸の間にある近世文芸を通して、上下の接続関係を文学史的に解明しようとして発足した研究会のように推測される。大きな構想で敬服する。
●発行所は「獺祭堂」という。何やら正岡子規の号・獺祭書屋と関連しているのであろうか。そういえば、和田克司氏の「藤野古白と正岡子規」という論考が掲載されている。何はともあれ、高齢にもかかわらず、学問的情熱をもって、新しい雑誌を出された島本氏に対し、心からの敬意を表する。さらに、この雑誌が、所謂、3号雑誌に終わる事無く、日本文学史を解明する上で、大きな発言の場となるように、切に念じ申し上げる。
●雑誌は創刊は易く、継続は難い。さらに、創刊の目標を達成することは至難のことである。この雑誌に期待し、発展を望んでやまない。
★創刊号の目次→http://www.ksskbg.com/kanabun/news2.html
【深沢秋男・ブログ】
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その後の2つの雑誌の経過は、次の通り。

▲『近世初期文芸』第21号~第33号 計12号
▲『近世文学研究』第1号~第8号   計 8号

●雑誌を継続的に発行するということは、かなり大変である。何しろ、論文が無ければ出せない。雑誌ゆえ、少なくとも、2人以上の執筆者がなければならない。今度、島本氏の編集発行された、『近世文学研究』新編第1号に接して、感慨深いものがある。
●私の、編集・発行する『近世初期文芸』は、現在、第34号が進行中である。本年末には、発行の予定である。これは、あくまでも予定。それが、出版というものである。

 

投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。