【自著を語る】 新・10  2018年2月13日

【自著を語る】 新・10  2018年2月13日

【46】桜斎随筆 第11巻(『あすか川』) 共編
B5判、528頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。
第11巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第33冊(巻27)
  第34冊(巻28)
  第35冊(巻29)

【47】桜斎随筆 第12巻(『あすか川』) 共編
B5判、372頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価120000円。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。
第12巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第36冊(巻30)
  第37冊(巻31)
あとがき(深沢秋男)
●鹿島則孝の『桜斎随筆』全60巻・3500丁・7000頁という膨大の資料は、3年間かけてようやく出版が完了した。この幕末・維新の貴重な記録は永遠に伝えられるであろう。これで、鹿島則幸氏へのお礼も出来たし、鹿島則孝の思いも後世へ伝える事が出来た。しかし、それよりも、この貴重な資料を後世の人々は閲覧する恩恵を受けるであろう。私は一仕事を終えて、ホッとした。
●しかし、この本の出版に至るプロセスは長かった。そして、出版の条件も厳しいものであった。全18巻の最終配本の最終巻の「あとがき」に、私は次の如く記した。
「……則孝は(著作の少ない)則文と異なり、自らの詩文を作り、多くの書写本を残している。その書目についてはすでに記したので重複は避けるが、『桜斎随筆』60冊を含めて100冊の余となる。これらの則孝の書写本に出会ったのは、平成2年10月のことであった。鹿島則幸氏の御配慮によるものである。私は、この膨大な写本を目の前にして、これを何とか多くの人々に見て頂けるようにしたいと考えた。様々な曲折はあったが、幸い本の友社の御厚意によって、この大部な写本を原寸で複製出版することが決まった。全18巻、3年間の長い作業あったが、ようやく完結の段階までこぎつけることが出来た。鹿島則幸氏は、平成5年他界され、御生前にこの出版が実現出来なかった事は、返す返すも残念である。
平成12年、第1回配本を発行したが、発行部数は50部という条件であった。この厳しい出版状況下では、これもやむを得ないことである。しかも、この50セットさえ完売は危ぶまれる、という状態であった。私自身、初めての経験であったが、知人の方々に、関係諸機関への購入の働きかけをお願い申し上げた。万一、第1回配本で完売の目処が立たない場合、全巻の発行さえ実現が心配されたのである。幸い、本の友社をはじめ、皆様方の御配慮で、第3回配本も発行が可能となった。ここに記して心からの感謝を申し上げる。……第3回配本は、「あすか川」で幕末維新の歴史的記録であるため、法政大学名誉教授・村上直先生の御指導を賜った。原本所蔵者・鹿島則良氏は、長期間に亙ってその借用をお許し下さった。両氏の御厚情に対して深甚なる感謝の意を捧げたい。……以上、『桜斎随筆』完結にあたって、出版の経過等を記して、関係の皆様への御報告と、心からの御礼と致します。平成14年9月7日 深沢秋男」
●『桜斎随筆』刊行の経緯のあらましは、この「あとがき」でも分ると思うが、全60冊、7000頁に及ぶ膨大な資料の出版は、そう簡単ではなかった。長い年月と、多くの方々の御配慮とを頂き、紆余曲折の末の50部の出版であった。それらの経過を略述しておきたい。
●平成2年10月15日、鹿島則幸氏から1冊の写本が送られてきた。『桜斎随筆』巻6の上だった。この中で鹿島則孝は『井関隆子日記』の事を書いていた。それを則幸氏は教えて下さったのである。則孝はこの随筆の中で、井関隆子を正親町町子と荒木田麗女と共に取り上げている。私はこの随筆に興味をもった。鹿島氏は、やがて『桜斎随筆』全60冊を送付して下さった。初めから所々読むうちに、この自筆写本を世間の人々に知らせたい、後世へ伝えたい、と言う思いに変っていった。
●まず、各巻の目録作成に取り掛かった。平成4年3月の『古書通信』752号に「桜山文庫蔵『桜斎随筆』の紹介」を出し、平成5年6月には『鹿島則孝と『桜斎随筆』』を自費出版で出した。7月には、以前から大型企画の提案を依頼されていたO社にこの企画を打診して検討してもらった。
●私の腹案では、昭和女子大学の大学院の近世専攻のH先生を中心とし、『あすか川』は歴史であるので、法政大学名誉教授の村上直先生に参加して頂く。索引編を別冊で出し、これは昭和女子大の近世の研究助手3名(S氏・T氏・O氏)を編者にする。私は全体的に参加する、こんな素案を作成し、赤羽のO社へ伺い、I社長、N専務、編集のU氏と打合せをした。先方は乗り気で、原本を数冊渡して、製版方法など検討してもらう事にした。出版が決定したら、前述の諸氏にお願いしようと思っていた。2ヶ月が経過した9月にO社のN専務とお会いして、やはり、大部過ぎる事と、鹿島則孝が知られていない事で、この企画は実行できないと断られた。
●10月10日、国語学の野沢勝夫氏と、筑波大学名誉教授の中田祝夫先生宅へお伺いして、相談に乗って頂いた。結果、神田のK書房を紹介され、ここにも野沢氏と2人で伺い、文部省の助成を申請するべく検討して頂いた。研究編とセットで検討してもらったが、研究は本文が刊行された後でなければ出来ない、それまでは助成申請できない。本文が大部過ぎて、製版代だけでも多額の資金がかかり、出版は不可能である、という結論が出た。万事休す、となる。
●平成7年、私は全冊をマイクロ複写して、ネガを保管して、希望の図書館等には、実費でポジを提供する事を考え、高橋マイクロに費用の見積りを依頼した。全冊の総目録を添付して実費で購入を募集すれば、それほど高額にもならないので、図書館で購入してくれるのではないか、と考えた。これと並行して、総目録をホームページに公開して、少しでも認知してもらうよう努めた。
●平成11年11月、画期的な事があった。菊池真一先生の紹介で、本の友社が『桜斎随筆』に興味がある事を知らされた。編集の担当者は石村健氏である。石村氏は学究肌の編集者で、大学に度々訪ねてくれて、いろいろ検討した。この随筆の資料的価値を認めて下さり、その結果、全冊を原寸複製で出すという企画を立てられた。石村氏の計画では、原本を原寸で複製し、全18巻、6巻ずつ3回に分けて、3年間で完結するというもの。定価は36万円で、発行部数は50部である。出版界のプロの厳しい目を思い知らされた。石山氏によれば、50部でも完売は簡単ではないと言う。
●私は、リコーの複写機の最新型、IMAGIO MF2230をリースで導入し、綿密な計画を立てて原稿作成に着手した。ただ、非常に残念な事は、この第1回配本が出る前に、石村氏が退社されてしまわれた事である。氏は別に出版社を立ち上げた。
●第1回配本を前にして、私は生まれて初めて、この本の購入を知人の研究者に関係機関への購入を働きかけて下さるよう、依頼状を出した。35名の方々である。申し訳ないお願いであるが、この企画が頓挫しては、日本の文化史上でもマイナスであるという信念でお願いした。私の知り得た範囲では、次の図書館が購入して下さった。昭和女子大学・高崎商科短期大学・大妻女子大学・大妻女子大学多摩キャンパス・和光大学・駒沢大学・別府大学・天理図書館・早稲田大学(2)・京都精華大学・法政大学・国文学研究資料館・目白大学・東大史料編纂所・和洋女子大学・成田図書館・京都府立総合資料館・大阪府立図書館・都立中央図書館・京都大学図書館・東北大学図書館・筑波大学図書館・三重県立図書館・伊勢市立図書館・茨城県立図書館・茨城県立歴史館・千葉県立中央図書館・鹿島神宮・日本大学図書館。まだまだ未確認の故に見落としもあるかと思う。しかし、研究者の立場からすれば、これだけの図書館で所蔵していて下さるだけで十分である。鹿島則孝が情熱を傾けて書き綴った記録は、決して失われる事はないだろう。つくづくと、人間の文化の尊さを思う。ご迷惑なお願いを申し上げた皆様、有難うございました。そして、本の友社の編集担当者、石村健氏・吉岡章光氏・鈴木大輔氏・西野太郎氏の御厚情に感謝する。

【48】井関隆子の研究 著
A5判、442頁、2004年11月1日、和泉書院発行、定価10000円。
口絵写真
1、『井関隆子日記』12冊全体・1(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
2、『井関隆子日記』12冊全体・2(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
3、『井関隆子日記』第1冊巻頭(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
4、『井関隆子日記』永代寺の陰間(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
5、『井関隆子日記』添付の鹿島則文の識語(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
6、『さくら雄が物かたり』表紙(東北大学附属図書館所蔵)
7、『さくら雄が物かたり』巻頭(東北大学附属図書館所蔵)
8、『さくら雄が物かたり』巻末(東北大学附属図書館所蔵)
9、『神代のいましめ』巻頭(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
10、『神代のいましめ』巻末、蔵田茂樹識語・1(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
11、『神代のいましめ』巻末、蔵田茂樹識語・2(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
12、『井関隆子長短歌』巻頭、(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
13、『いなみ野』巻頭(吉海直人氏所蔵)
14、『野山の夢』跋(『翠園叢書』二十八、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
15、『宇津保物語考』巻末(隆子筆、静嘉堂文庫所蔵)
16、『恵美草』巻頭(国会図書館所蔵)
17、『恵美草』千畳敷の条(国会図書館所蔵)
18、『恵美草』巻末(国会図書館所蔵)
19、『恵美草』千畳敷の条(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)
20、『雅文』巻頭(隆子筆、吉海直人氏所蔵)
21、『雅文』巻末(「堂可子」隆子筆、吉海直人氏所蔵)
22、庄田家墓石、正面(昌清寺)
23、庄田家墓石、正面拡大(昌清寺)
24、庄田本家墓石、正面(浄念寺)
25、庄田本家墓石、正面家紋(浄念寺)
26、井関家墓石、向って左面(喜運寺)
27、井関家墓石、向って右面(喜運寺)
28、昌清寺過去帳(第一冊表紙)
29、昌清寺檀家別過去帳(初代・安議)540
30、昌清寺檀家別過去帳(四代・安僚、隆子の父)412
31、昌清寺檀家別過去帳(四代・安僚妻、隆子の母)337
32、井関家過去帳(「是々」喜運寺三十世瑞雲、昭和九年一月転写、井関家所蔵)
33、井関家過去帳(天保十五年十一月一日、隆子の条)
34、庄田家系譜(隆子の条、庄田安豊氏所蔵)
35、庄田家系譜(隆子の条、拡大図、庄田安豊氏所蔵)
36、庄田家系譜(副本、表紙、庄田安豊氏所蔵)
37、庄田家系譜(副本、隆子の条、庄田安豊氏所蔵)
38、庄田家系譜(副本、隆子の条、拡大図、庄田安豊氏所蔵)
◎本文中挿絵(4枚)
39、女性の髪形(11年2月1日)
40、日月棚、貴人棚(11年9月3日)
41、将軍家より拝領の鉢植(11年10月4日)
42、浅草の見世物、眼力太夫(11年10月25日)
目  次
  研究篇
第1章 井関隆子の生涯
 第1節 前半生・四谷時代―出生から婚姻まで―
 第2節 後半生・飯田町時代―結婚から他界まで
 第3節 井関隆子とその時代
   付、庄田家・井関家 系図
   〔注〕
第2章 井関隆子の文学・Ⅰ 『井関隆子日記』
 第1節 書誌
 第2節 内容
 第3節 著作の動機
 第4節 批判的精神
   1、はじめに
   2、仏教批判
   3、儒教批判、国学者批判
   4、政治批判
   5、まとめ
 第5節 創作的要素
   1、『水鳥』
   2、品川心中
   3、旗本心中事件
 第6節 歴史的記述
   1、人災・天災
   2、三方所替
   3、日光社参
   4、徳川家主要人物の没日
 第7節 風俗描写
   1、はじめに
   2、両国の花火・佃嶋の花火
   3、山王祭・神田祭
   4、上野の桜、流行色・服装・髪形等、浅草の見世物等々
   5、まとめ
 第8節 自然描写
   1、はじめに
   2、鹿屋園の四季
   3、草花の司、薄(尾花)
 第9節 和歌
   1、和歌の修業
   2、収録の和歌
   3、和歌に対する姿勢
 第10節 日記文学としての価値
   1、日記文学の定義
   2、『井関隆子日記』の文章
   3、『井関隆子日記』の文学的価値
    〔注〕
第3章 井関隆子の文学・Ⅱ その他の作品
 第1節 『さくら雄が物かたり』
   1、書誌
   2、『さくら雄が物かたり』の内容
   3、『竹取物語』と『さくら雄が物かたり』
   4、『さくら雄が物かたり』の創作意図
   5、井関隆子の仏教批判
   6、まとめ
 第2節 『神代のいましめ』
   1、書誌
   2、『神代のいましめ』の内容と創作意図
   3、主人公・某の少将のモデル
     A、新田孝子氏の松平定信説
     B、『神代のいましめ』の成立時期
     C、老中・水野忠邦(史的事実)
     D、隆子の見た為政者――忠邦と定信――
     E、某の少将のモデルは誰か
 第3節 『いなみ野』
   1、書誌等
   2、『いなみ野』の本文
   3、『いなみ野』の内容
   4、『いなみ野』の創作意図
第4節 『井関隆子長短歌』『秋野の花』『野山の夢』跋
   1、『井関隆子長短歌』
   2、『秋野の花』所収歌
   3、『野山の夢』跋
 第5節 書写本
   1、桑原やよ子著『宇津保物語考』
   2、蔵田茂樹著『恵美草』
   3、吉田兼好著『徒然草』
    〔注〕
第4章 井関隆子の人間像
   1、出生と家庭環境
   2、的確な人間認識と歴史意識
   3、天性の批評者
   4、持続する批評精神
   5、豊かな学殖と合理的見識
   6、旺盛な好奇心と執筆意欲
   7、旗本夫人の気位と気品
   8、敬愛された母・祖母
  資 料 篇
1、井関隆子伝記関係資料
  1、庄田家関係
    1、庄田家系譜・正本
    2、庄田家系譜・副本
    3、昌清寺過去帳
    4、昌清寺檀家別過去帳
    5、庄田家墓石
    6、庄田家本家墓石
  2、井関家関係
    1、井関家過去帳
    2、井関家墓石
    3、井関親経短冊
  3、その他
    1、『寛政重修諸家譜』
    2、『徳川実紀』
    3、『柳営補任』
2、井関隆子関係研究文献目録
   1、著作
   2、書写本
   3、作者関係
   4、調査報告・論考・その他
   5、新刊紹介等
3、その他
  1、研究発表・講演・講義等
    ◎日本文学研究会(東京都教育会館)
    ◎東京の歴史研究会(新宿区立図書館)
    ◎東京掃苔会(芝増上寺)
    ◎女性文化研究所(昭和女子大学)
    ◎千葉市民文化大学(千葉市)
    ◎昭和女子大学(講義・講読・演習、短大・大学院)
  2、平成十一年度大学入試センター試験問題
  あとがき
  索引(人名・地名・書名・主要事項)(左開)
●平成14年、3年間続いた『桜斎随筆』も完結したので、ほぼ研究も終っている『井関隆子の研究』をまとめて出す計画を立てた。私は単行本にする場合、既に雑誌等に発表したものは、参考にする程度で、書下ろしを原則としている。初めから書き出していたところ、菊池真一先生から連絡があり、和泉書院で私のものを何か出して下さる意向であると知らされた。『井関隆子日記』は勉誠社で出して頂いたので、この『研究』も本来なら勉誠社にお願いすべきである。しかし、私達の研究書などは、売れる訳でもないので、必ずしも喜んで引き受けてくれるとも限らない。そこで、勉誠社の池嶋洋次氏の御了承を頂いて、和泉書院にお願いする事にした訳である。
●平成15年7月、原稿の見通しがついたので、菊池先生と共に和泉書院へ伺って、出版をお願いした。原稿を渡す時、完全原稿に近いという自信がありますので、初校で済むと思います、と申し上げ、出版社からは、有難う御座います、とお礼を言われた。しかし、いざ、進行してみると、再校でも赤字は無くならなかった。一気に書き上げたので、不統一は無いと思ったが、まるで逆であった。和泉書院の編集部に何回お詫びしたか知れない。やはり、トシか。
●平成16年11月1日、本書は発行された。私は全く気付いていなかったが、和泉書院では、井関隆子の没日、天保15年11月1日に合わせて発行して下さった。何と感謝すればよいか。
●前年の8月、息子と2人で、ドイツ、スイス、フランスの旅に出かけた。ライン川下り、ノイシュバンシュタイン城、ルーブル美術館、ロダン美術館などを見て回ったが、このツアーの中に染色会社の社長さんがいて、仲良しになり、手拭を作る事を思いついた。相談すると、作ってくれると言う。そこで、『井関隆子日記』の冒頭部分と、庄田家と井関家の家紋と、井関家の過去帳の隆子の条と、鹿島則文の「櫻山文庫」の丸印と、ついでに「文章千古事」の方形印を影印で3色で染めてもらった手拭を作り、本に添える事にした。勿論、贈呈本のみである。こんなモノズキな事をするヒトはいないだろう。一見の後、布巾にして下さい、という意味である。

【49】仮名草子研究文献目録  共編
A5判、300頁、2004年12月15日、和泉書院発行、定価3800円。菊池真一氏と共編。
目 次
第1部 仮名草子作品
第2部 仮名草子関係研究書(目次併載)
第3部 仮名草子関係論文等(雑誌・紀要・その他)
人名索引
書名索引
●私は学部の卒論の時、仮名草子関係の先行研究の文献調査に、かなりの時間を消費し、これは非生産的だと痛感し、仮名草子研究文献目録の作成を思い立った。最初のものは『近世初期文芸』第3号(昭和48年)に出した。この時は、小川武彦氏に協力してもらった。以後、同誌の第4号、第6号で増補し、その後、菊池真一氏編の『恨の介・薄雪物語』(1994年4月30日、和泉書院発行)に掲載して頂いた。それと前後して、菊池氏の協力を得て、ホームページ「近世初期文芸研究会」の中に「仮名草子研究文献目録」の項を設けて、逐次追加している。これは現在も実行中である。このような経過の中で、菊池氏と協力して、明治初年から平成14年(2002年)の文献を収録したものである。

【50】仮名草子研究叢書 第1巻  共編
A5判、426頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編。
第1巻 雑誌論文集成(一) 目次
高野 斑山 徳川初世の名所記                     
三浦 周行 後光明天皇の御好学と朝山意林庵  
此花社同人 江戸出版の仮名草紙
水谷 不倒 仮名草子の挿絵と雛屋立圃
林若樹ほか 輪講 東海道名所記
島津 久基 御伽・仮名・舞の草子
山本 秀煌 切支丹文学の一班
石田 元季 初期の仮名草紙作者殊に如儡子に就きて
林若樹ほか 輪講 あづまものがたり
田中 喜作 師宣の初期絵入本に就て
新 村 出 伊曽保漫筆
新 村  出 影模蘭文古版絵入伊曽保物語の断簡
久保 天隨 翦燈新話に就いて
潁原 退蔵 近世文学選釈 一 恨の介
田中 浩造 伽婢子の翻案態度
潁原 退蔵 近世文学選釈 二 尤の双紙
北条 秀雄 浅井了意の生涯
森  銑 三 可笑記の著者如儡子は何人か
潁原 退蔵 近世文学選釈 三 東海道名所記
潁原 退蔵 仮名草子の発生に関する一考察
潁原 退蔵 近世文学選釈 四 可笑記
北条 秀雄 浅井了意の自筆願書
潁原 退蔵 近世文学選釈 五 元の木阿弥物語
城戸甚次郎 緑蔭比事
潁原 退蔵 近世文学選釈 六 たきつけ草・もえくひ・けしずみ 
天野佐一郎 石平道人の墓
木村 捨三 複製木版の工作過程に就て─特に岡田希雄さんに呈す─
大越 長吉 仮名草子研究序説─主として、その擬物語を中心とせ─
岡井 慎吾 石平道人鈴木正三が神として祀られて居る
佐藤 鶴吉 近世文学の註釈に就いて
潁原 退蔵 近世文芸の註釈的作業
野村 八良 尤の草子

投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。