2つの 桜山文庫

2つの 桜山文庫
2018.10.26 Friday

1、桜山文庫 さくらやまぶんこ

昭和女子大学図書館所蔵、鹿島則文旧蔵の国文学関係の文庫。
●桜山文庫の概略
昭和女子大学図書館所蔵の「桜山文庫」は、鹿島神宮大宮司、伊勢神宮大宮司の鹿島則文が収集したコレクションであり、そのうち、主として国文学関係の書籍、約7千冊が昭和女子大学に一括譲渡されたものである。
第1次、874点、5704冊。第2次、33点、403冊。合計、907点、6107冊。最終的には約7千冊となる。
蔵書印「櫻山文庫」が鹿島則幸氏から寄贈され、現蔵されている。直径30ミリの黄楊の円形印で、彫りの深い立派なものである。
●「桜山文庫」の現状
 鹿島則文の収集した桜山文庫は「珍籍奇冊三万冊」(鹿島敏夫氏『先考略年譜稿』)と言われている。これらの蔵書が、その後、どのように分割され、現在、伝えられているか、整理してみると、以下の通りである。
1、茨城県立歴史館寄託 鹿島則幸家文書
『鹿島郡鹿島町 鹿島則幸家文書目録』(平成元年3月31日、茨城県立歴史館発行)によれば、鹿島神宮関係の史料、1403点が、昭和54年4月に鹿島則幸氏から茨城県立歴史館に寄託されたという。これらの史料は、鹿島家累代のもので、中には「桜山文庫」の蔵書印が押されたものもあるというので、鹿島則文の関係書も含まれているものと推測される。
2、漢籍の『二十二史』
 水戸の水府明徳会彰考館文庫へ寄贈。
3、伊勢関係書
 伊勢神宮へ移管。
4、鹿島家関係書
 鹿島家所蔵(鹿島則幸氏・鹿島則良氏)。
5、昭和女子大学所蔵「桜山文庫」国文学関係
 第1次、874点、5704冊。第2次、33点、403冊。合計、907点、6107冊。これに、第1次のリスト以外の、虫食本等の数百冊が加わって最終的には約7千冊になった。
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鹿島則文〔かしま のりぶみ〕〈蔵書・蔵書家〉

 幕末・明治の神道家・蔵書家。鹿島神宮宮司家の67代。明治34年没,63歳。吉川天浦・安井息軒に学ぶ。勤皇の志士と交わり,八丈遠島。赦免後,鹿島神宮大宮司。46歳の時,伊勢神宮大宮司拝命。以後,神宮皇学館の開学,林崎文庫の整備充実,『古事類苑』の編纂刊行に尽力。明治31年,内宮炎上の責を負い,職を辞して鹿島へ帰った。則文の蔵書・桜山文庫は珍籍奇冊3万冊と言われたが,現在,国文関係は昭和女子大学に所蔵されている。
   (深沢秋男)
   (『日本古典籍書誌学辞典』1999年3月10日 岩波書店発行)

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2、桜山文庫 さくらやまぶんこ

三原市立図書館所蔵 桜山文庫

1、春水頼先生尺牘全  加賀美之衛/編者  耕文堂  094007
2、経学者 平賀晉民先生  澤井常四郎/著  澤井常四郎  1929
3、平賀晉民研究資料  澤井常四郎/著  澤井常四郎  1925
4、木谷浦稲若丸漂流記
5、夷蛮漂流帰国録
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●私は、ネットで、京都大学理学部地理物理学教室の中西一郎氏の「上田家文書中の地震史料」(「地震」第2輯、第60巻。2007)の中に、「三原市立図書館に所蔵される『上田家文書』(桜山文庫)」という記述を見て、三原市立図書館に「桜山文庫」が所蔵されていることを知った。
三原市立図書館に問い合わせたところ、以下の如く教えて頂いた。
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 桜山文庫は,三原市立図書館初代館長の澤井常四郎氏が1930年に数千冊の私蔵図書および民間からの寄贈図書を収集し図書館を設立した際の文庫名です。
 澤井館長は郷土史家としても有名で,資料の収集,郷土史の編纂,古文書の写本など多くの資料を残されました。この文庫の中には後日重要文化財にも指定された貴重書が多数含まれています。
 さて,なぜ桜山文庫という名称となったかについては,三原市立図書館と澤井館長の住所が桜山のふもとにあったからだと思われます。桜山は三原駅の北側に位置し,沢山の桜が植えられています。
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●三原市立図書館の初代館長、澤井常四郎氏の住所が、桜がたくさん植えられていた桜山のふもとであった所から「桜山文庫」の文庫名が付けられたと分かった。鹿島則文の「桜山文庫」も、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮に隣接する大宮司家の屋敷は、桜山の地名で、桜の古木がたくさんあった。
●澤井常四郎氏は、有名な郷土史研究家で、研究と同時に、貴重な資料をたくさん遺された。その住所には、たくさんの桜が植えられていた。
●今日は、貴重な、資料を後世に遺してくれた、2人の先人を知ることが出来た。

投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。