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  • 2019.11.23 Saturday
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堪忍記    (深沢秋男執筆)

★浅井了意の『堪忍記』ではなく、如儡子の『堪忍記』

(一般)

【かんにんき】
堪忍記(かんにんき)

諸大名の藩主・石高・内情等を記し、批評したもの。写本、1冊。

【注】この『堪忍記』は、浅井了意の版本『堪忍記』とは別の、斎藤親盛(如儡子)の写本『堪忍記』である。

著者・編者

この著書には、著者名・編者名は記されていない。棚倉藩士・上坂平次郎(三休子)の『梅花軒随筆』に「……儒者斎藤意伝浪人して後、可笑記、百八丁記……、堪忍記抔を作りけるゆへ、かへつて用ひられざりしとなり。」とあり、本書の序・記述内容・批評態度・文体等を考慮すると、藩主名・石高などの基本的な資料を入手した著者が、批評などを付加したものと推測される。如儡子・斎藤親盛は、浪人中に、短期間ではあるが、さる西国大名の祐筆を勤めたことがあるという。そんな関係もあって、このような諸大名を鳥瞰する如き基礎資料に接する事もあり、これを利用して、本書を作ったのではないか。その意味では、如儡子は編著者くらいが妥当のように思う。

成立

松平文庫本(松平宗紀氏蔵、福井県立図書館保管)の内題の下に「私ニ云正保ノ比出来歟」とある。収録主要藩主の着任・離任の年を検討した結果、正保元年前後の4年間の歴史的事実を基にして作られたと推定される。松平文庫本(A)は、正保2年(1645)、内閣文庫本(B)は、正保4年(1647)の成立と思われる。

内容

松平文庫本(A)は、110の藩について、知行高・藩主・藩名・知行・物也・家臣の勤務条件・藩主に対する評価などが記され、内閣本(B)には、106の藩について、さらに、序・室・子息・家紋・旗印・江戸屋敷・家老の名等が記されている。
特色
江戸時代、諸大名の国名・知行高・物成・江戸屋敷などを記し、その主君の人となり、家臣の使い方などを批評したものに、『武家諫忍記』『武家勧懲記』『土芥寇讎記』などの類書がある。如儡子の『堪忍記』は、それらの中では、最も早い時期のものであり、また、諸大名に対する批評も厳しいものがある。『可笑記』の作者にふさわしい、批判精神旺盛な著者の特色が出ている。

諸本

1、 松平文庫所蔵本(松平宗紀氏蔵、福井県立図書館保管)。写本、半紙本、1冊。26丁。表紙は本文紙と共紙で、中央上部に「堪忍記 全 百十人」とある。内題は「堪忍記」とあり、その下に「私ニ云正保ノ比出来歟」とある。記述体裁は、110の大名について、知行高・姓名・藩名・物成・米払いの良否・年貢率・国役・江戸詰の良否・家中の風儀・主人の善悪等について簡略に記す。
2、 国立公文書館蔵、内閣文庫・和学講談所本。写本、大本、1冊。38丁。薄茶色刷毛目表紙の左肩に子持枠題簽で「堪忍記 全」と墨書。巻頭に序がある。記述体裁は、106の大名について、知行高・姓名・官位・御前・子息・家紋・旗印・領国・居城・物成・米払いの良否・年貢率・国役・江戸詰の良否・家中の跡目取立ての有無・家中の風儀・主君の善悪・江戸屋敷・家老の姓名等について記す。
3、 国立公文書館蔵、内閣文庫・昌平坂学問所本。写本、大本、1冊。38丁。薄茶色原表紙の左肩に四周単辺題簽で「堪忍記 完」と墨書。序・記述体裁など、和学講談所本と同様である。本書は、内閣文庫の蔵書目録に、昌平坂学問所本とされているが、「秘閣図書之章」の蔵書印があること、その他の点から、紅葉山文庫の旧蔵という可能性もある。

翻刻
1、 松平文庫本 堪忍記(深沢秋男校訂、『近世初期文芸』第6号、平成元年10月)。
2、 内閣文庫本 和学講談所本・昌平坂学問所本(深沢秋男校訂、『近世初期文芸』第7号、平成2年12月)。

参考

「斎藤親盛(如儡子)の研究」→http://www.ksskbg.com/nyorai/nyorai.html

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投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。