『江戸期おんな表現者事典』

『江戸期おんな表現者事典』

  • 2019.11.27 Wednesday
〔井関隆子〕

【江戸期おんな表現者事典】
桂文庫編、柴桂子監修
2015年2月18日、現代書館発行

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隆子 天明五年(一七八五)~天保一五年
(一八四四) 享年六〇
日記・和歌・画。旗本庄田安僚の娘。八歳
で父に死別。母と兄安邦の手で育てられる。
学問好きな兄の影響で早くから古典に親し
んだ。二〇歳頃に結婚したが離婚し、三〇
歳頃、旗本井関親興の後妻となる。実子は
なく、養子親経を迎える。夫の没後、四〇
歳頃から本格的に古典、国学などを学ぶ。
政治・社会・風俗などに及ぶ広範囲な知識
欲で、五六歳の天保一一年(一八四〇)から
一五年までの五年間、日記を記す。子の親
経が一一代将軍徳川家斉の室広大院のかか
りを務めたこともあり、江戸城大奥の様子
や家斉の素顔、天保の改革などが、旗本家
の女性の目を通して綴られている。その背
景には膨大な読書量があり、新見正路(親
戚)や屋代弘賢らとの交流からも大きな影
響を受けている。「天保日記」のほか「神
代のいましめ」「さくら雄が物かたり」な
どの作品がある。法号、知清院。
〔参〕『井関隆子日記』『井関隆子の研究』
「天保改革期の一旗本女性の肖像」
(『女性の近世』)『旗本夫人が見た江戸
のたそがれ』    (柴・山口)

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●菊池眞一先生から教えて頂き、昨日、所沢市立図書館へ行って閲覧した。この事典の「刊行にあたって」を読むと、桂文庫主宰・柴桂子氏の情熱に対して敬意を表する。女性に参政権が与えられたのが、第二次世界大戦後のことを思えば、一事が万事、了解される。

●女性の占める文学部の比率を見て、女性が大学を滅ぼす、と叫んだ御仁もおられた。未だに、医学部では男女差別しているとも報じられている。そのようなことを思って、この編者に敬意を表する。

●それにしても、このような事典に〔井関隆子〕が収録されるようになって、45年前に、全く無名だった女性の『日記』に出会った私は感慨深い。

投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。