山手線

山手線

  • 2020.06.15 Monday
山手線

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2020年06月15日
山手線

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●菊池先生のエッセイで、山手線の事が取り上げられていた。水田紀久氏の事も書かれている。五号活字のことも触れられている。ひとつ一つが懐かしい。

●山手線で忘れられない出来事があった。大学3年の夏休み、2人の甥を連れて、渋谷の東急文化会館の中にある映画館パンティオンへ、たぶん、バンビかなんかの映画を観に行った。映画が始まって10分ほどして、大変な事に気付いた。山手線の棚の上に青色のビニール袋を忘れてきたのである。

●甥たちには映画を観ているように言いつけ、映画館を出て渋谷駅の遺失物取扱所へ向かう。駅員に問うと、山手線は一定時間走ると、品川駅に入庫する。品川駅からの連絡を待つようにとの事。

●私は、ホームに出て、思案した。山手線は内回りと外回りが、逆方向に回っている。東京方面行の後から3両目に飛び乗り、その両をチェックし、次の駅で下車し、次の電車にのり、チェックした。案の定、目黒駅で発見した。

●青色のビニール袋を持って、渋谷駅の遺失物係に、報告と御礼を申し上げ、映画館へ帰った。10分もしたら、映画は終わった。

●青いビニール袋の中には、『徳川文芸類聚』(『可笑記』収録)が入っていたのである。法政大学図書館の所蔵本。4年生には、卒論制作の参考書として、指導教授の許可があれば、長期貸し出しが許されていた。先輩の後に続いて、許可願を出したら、重友先生は、「君は?」と問われた。「3年生ですが、お願いします」と申し上げ、許可された。

●青袋の中身は、この本だったのである。何も、甥を映画に連れてゆくのに、こんな貴重な本を持ち歩かなければいいのに。しかし、私の学生時代は、そのような生活の連続だったのである。

現在の渋谷駅ホーム


投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。