上野図書館の樋口一葉

上野図書館の樋口一葉

  • 2020.08.02 Sunday
上野図書館の樋口一葉

●菊池先生のエッセイに、上野図書館での樋口一葉の様子を、薄田泣菫が書き留めていると指摘されている。

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泣菫の見た一葉

薄田泣菫『泣菫小品』(明治四十二年。隆文館)に、
「たけくらべの作者」という一編がある。
上野の帝国図書館で見かけた姿を描く。

引締つた勝気な顔
口元のきつとした……そして眼つきの拗ねた調子といつたら…………
私には其折の皮肉な眼つきと屹(きつ)とした口元とが、恰(ちやう)どあの人の有(も)つて生れた才分の秘密にたどり入る緒(いとぐち)のやうに思はれて
思ひなしかは知らないが、あの眼つきには吾とわが心の食(は)みつくさねば止まない才の執念(しうね)さが仄(ほの)めいてゐた

とある。
泣菫には、一葉の眼と口元が強く印象に残ったようだ。

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●実は、樋口一葉の日記の文章と、井関隆子の日記の文章が極めて酷似している。これは、隆子と一葉が、同じような教養を身に付けていたからではないかと推測している。一葉は、上野図書館で、古典作品を読んでいたのだろう。そんなことを思う。

投稿者:

fukaaki

近世文学、特に、仮名草子、近世日記文学を研究している。 昭和女子大学に勤務していたが、定年退職。現在、同大学名誉教授。 仮名草子は、特に、如儡子・斎藤親盛を研究。日記文学では、井関隆子の研究をしている。