新刊案内(仮名草子)

新刊案内(仮名草子)

  • 2020.10.23 Friday
●今日、位田絵美氏の新刊『挿絵解釈の研究『大坂物語』を中心に』を〔近世初期文芸〕の新刊案内にだした。仮名草子研究低迷の中、明るいニュースだ。

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位田絵美著 『挿絵解釈の研究 『大坂物語』を中心に』

2020年10月31日 和泉書院発行
A5判、304頁、定価9000円+税

目次

凡例 
図版一覧 

序 章―挿絵解釈の研究意義   
 仮名草子における挿絵研究の停滞と挿絵解釈研究の意義  
 従来の小説挿絵の研究と本研究との相違  
 従来の『大坂物語』研究と本研究との相違   
 「広義の江戸版」の定義   
 本書の研究手法 
 各章の具体的内容
   
第一章 『大坂物語』の挿絵分類  
 一、挿絵分析の目的と手法
 二、挿絵による『大坂物語』の分類
 三、C明暦松会版『大坂物語』とE毛馬屋版『大坂物語』の特殊性
 
第二章 上方版『大坂物語』の挿絵
    ―寛永無刊記版と正保三年版を中心に― 
 一、上方(京)版『大坂物語』の挿絵 
 二、A寛永版『大坂物語』とB正保版『大坂物語』の概要 
 三、A寛永版『大坂物語』とB正保版『大坂物語』の書誌
 四、A寛永版挿絵とB正保版挿絵に共通する場面
 五、A寛永版のみにある挿絵 
 六、B正保版が優先した挿絵
 七、B正保版『大坂物語』が選ばれた理由
 八、小結―衰え行く中世風挿絵から具体的で克明な近世挿絵へ
 
第三章 江戸版『大坂物語』の形成とその周辺
    ―挿絵・「頸帳」からみる成立順序に関する考察― 
 一、「広義の江戸版」について
 二、D本屋版・E毛馬屋版・F問屋版・G松会版の書誌
 三、B正保版の挿絵とC明暦松会版の挿絵
 四、「秀頼の天王寺出馬」の挿絵をめぐる諸版の関係―B正保版挿絵が及ぼす影響 
 五、 「越高城攻め」の挿絵をめぐる諸版の関係
   ―E毛馬屋版の元にあたるE’毛馬屋元版の位置付け
 六、「松平出羽守の若武者姿」の挿絵をめぐる諸版の関係
   ―「型(モチーフや構図)の継承」と変遷
 七、「遺児斬首」の挿絵をめぐる諸版の関係
   ―E’毛馬屋元版が万治・寛文頃に存在した可能性 
 八、「頸帳」をめぐる諸版の関係―F問屋版とG松会版の成立順序 
 九、小結―挿絵・「頸帳」からみる『大坂物語』の成立順序
 
第四章 寛文年間刊行の『大坂物語』の挿絵・「頸帳」比較
    ―全盛期の江戸版『大坂物語』と上方(京)版の『大坂物語』―
 一、挿絵による『大坂物語』解釈の意義 
 二、寛文年間刊行の四つの『大坂物語』 
 三、「関ヶ原合戦」の挿絵をめぐる四種の特徴 
 四、F問屋版挿絵にみられる本文との整合性
 五、「家康出陣」の挿絵にみえるD安田版挿絵の特殊性 
 六、「大坂城落城」の挿絵にみえるD安田版挿絵の特殊性とその意図 
 七、連続挿絵にみえるD安田版挿絵の特殊性とその意図
 八、G松会版挿絵にみられる普遍性
 九、小結―時代を先取る江戸版挿絵と豊臣贔屓の情緒が残る上方(京)版挿絵

第五章 延宝頃版『大坂物語』と寛文十三年山本版『嶋原記』の挿絵
    ―挿絵と「頸帳」の事実確認―
 一、H延宝版『大坂物語』の特殊性 
 二、山本版『嶋原記』とH’中之島本『大坂物語』のそれぞれの概要と両者の関係
 三、山本版『嶋原記』とH’中之島本『大坂物語』の書誌
 四、挿絵の流用箇所と補修の有無
 五、作為的な挿絵補修が一部確認される事例
 六、明白な挿絵補修が確認できる事例
 七、H’中之島本『大坂物語』の「頸帳」分析
 八、小結―「『大坂物語』の挿絵らしく見せる工夫」からわかる混迷期の江戸版の実態

第六章 西村屋版『大坂物語』の「頸帳」と本文と挿絵
 一、Ⅰ西村屋版『大坂物語』の概略と本章の分析方法
 二、I西村屋版『大坂物語』の書誌
 三、I西村屋版の「頸帳」分析
 四、I西村屋版の本文簡約化の概略と傾向
 五、I西村屋版の本文における要約文(部分)の入れ方
 六、I西村屋版で削除された挿話
 七、I西村屋版の本文に増補された記述
 八、I西村屋版の挿絵の概要とその特徴
 九、「関ヶ原合戦」と「秀頼と大坂方武将図」の挿絵をめぐるI西村屋版挿絵の特徴
 十、「真田左衛門佐討死」の挿絵をめぐるI西村屋版の特徴
 十一、小結―I西村屋版の簡約化からみえること

第七章 『嶋原記』挿絵考 
 ―上方版『嶋原記』と江戸版『嶋原記』の相違にみる『大坂物語』との関連性―
 一、仮名草子『嶋原記』の成立と『大坂物語』との関係
 二、『嶋原記』諸本の系統分類
 三、無刊記版『嶋原記』の書誌と挿絵の特徴
 四、山本版『嶋原記』の挿絵の特徴
 五、服部版『嶋原記』の書誌と挿絵の特徴
 六、「山田右衛門作」の挿絵をめぐる諸版の特徴
 七、無刊記版『嶋原記』の挿絵にみえる敗者(弱者)贔屓
 八、小結―『嶋原記』の挿絵と『大坂物語』の挿絵に共通するもの

第八章 服部九兵衛版『天草物語』系統の挿絵の変遷
    ―萬屋彦太郎版『嶋原記』と岩瀬文庫本『嶋原記』をめぐって― 
 一、『嶋原記』の挿絵系統の確認と本章の目的
 二、服部版『嶋原記』・萬屋版『嶋原記』・岩瀬文庫本『嶋原記』の書誌
 三、萬屋版『嶋原記』で削除された挿絵
 四、岩瀬本『嶋原記』で削除された挿絵
 五、小結―服部版『嶋原記』系統の挿絵削除からみえるもの

終章 
あとがき
索引 

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著者略歴

位田 絵美(いんでん えみ)
三重県生まれ。
名古屋大学大学院文学研究科博士課程前期修了。
名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程修了。
北九州工業高等専門学校 准教授を経て、
現職 近畿大学産業理工学部 教養・基礎教育部門
准教授。

著書(共著)『〈奇〉と〈妙〉の江戸文学事典』(二〇一九年)等。
論文「西鶴の描いた「異国」」(『国文学解釈と鑑賞』別冊 二〇〇五年三月)等。

歴史における史料

歴史における史料

  • 2020.10.22 Thursday
歴史における史料

●今日の〔天声人語〕では、東大名誉教授、坂野潤治氏を取り上げている。

史料を集めるだけの人。史料を見ないで言うだけの人。そして崩し字の史料が読めない人。この3類型に陥ってはならぬ。

と言うのが、坂野氏の持論だったと言う。誠に至言。これは、歴史に限らず、文学研究にも通じる。

●私は、『仮名草子集成』の作業に長年従事して、嫌と言うほど、その、作品論、作者論を執筆したいという衝動にかられた。しかし、その時間は無い。ただ、仮名草子研究史の上から見た時、これは、我慢しなければならない。そのような場合もある。  2020年10月22日

位田絵美著 『挿絵解釈の研究 『大坂物語』を中心に』

位田絵美著 『挿絵解釈の研究 『大坂物語』を中心に』

  • 2020.10.20 Tuesday
位田絵美著 『挿絵解釈の研究 『大坂物語』を中心に』

●2020年10月20日午前10時、ピンポンの音で出てみると、宅急便だった。開けてみたら、和泉書院発行の、位田絵美氏著『挿絵解釈の研究 『大坂物語』を中心に』であった。

●遂に本になったか、感慨深く、目次から、索引まで、一通り、目を通した。研究者にとって、自分の研究成果が、このような形で、世間に送り出される、これは、感謝と充足の瞬間でもある。第三者の私まで、嬉しくなった。

●位田氏は、これをベースに、今後、更に、その先に進むことになる。研究者は、常に、未知の世界への挑戦である。

●御出版、おめでとうございます。


コロナ禍のお盆帰省

コロナ禍のお盆帰省

  • 2020.08.11 Tuesday
コロナ禍のお盆帰省

●毎年、毎年、お盆の時期になると、日本全国、都心から地方への大移動が始まる。今年は、コロナで、事情は一変。地方出身者は、大変な選択を強いられている。

●かつて、私も同じように、郷里、身延町伊沼へ帰省していた。子供が小さい頃は、富士川で一緒に泳いだこともあった。

●ただ、『可笑記』の諸本調査をしている頃は、全国の図書館へ行く、時間とお金の工面が大変だった。

●昭和43年(1968)8月11日、秋田県立図書館の絵入本を調査した。10日21時30分発、第2津軽、上野発かと思ったら、駅員に品川発だと教えられた。急遽、品川駅へ行くと、列車はホームの無い所に止まっていた。当然指定席など買えないので、自由席。どの乗降口も人、人ですし詰め状態。乗り込む余地はない。うろうろしていたら、「ほら、乗りな」と親切な人が引っ張り上げて、乗せてくれた。

●列車が発車すると、まず、全員の荷物を一か所に積み上げた。女子供は、その荷物の上などに座ってもらい、男は立ったまま。その内に、身の上話が始まる。金の卵で東京に出て、働いている。上手くいって、会社を立ち上げ、社長になった成功者もいれば、厳しい条件で苦労している人もいた。私の出身は、甲斐の身延だけれど、山形や新潟や福島ばかり、めぐり歩いている。そんな私を、皆さん、あたたかく仲間にいれてくれた。

●とにかく、1人1人の人生話が、魅力的だった。長時間、立ちっ放しで、話していた。誰かが、自分の荷物から、ミカンや飲み物を取り出し、頭の上を回してくれる。それを食べながら、また話す。やがて、途中で下車する人も出てくる。その人は、果物や飲み物を窓から、投げ入れてくれた。

●私は、雪深い酒田で育った、斎藤親盛の事を思い、東北の雪深い地方の人々の、あたたかい心にふれて、こんなに、素晴らしい旅は無いと感謝した。

●11日(月)、秋田県立図書館の絵入本を調査して、秋田発、22時発、千秋3号で東京へ帰った。

よくも、まあ、飽きもせず

よくも、まあ、飽きもせず

  • 2020.08.08 Saturday
 一、研究・本文校訂・本文複製等の単行本

【1】可笑記評判  昭和四十五年十二月二十五日、近世初期文芸研究会発行、非売品。東京大学図書館蔵本を底本として翻刻したもの。ただし『可笑記』本文・振り仮名は省略。解説・索引を付す。自費出版。
【2】可笑記大成―影印・校異・研究―  昭和四十九年四月三十日、笠間書院発行。(田中伸・深沢秋男・小川武彦 編著)。第一編 本文・校異、第二編 万治二年版挿絵について、第三編 『可笑記』の研究。文部省助
成出版。
【3】可笑記評判(上)  昭和五十二年一月二十五日、勉誠社発行(近世文学書誌研究会編、近世文学資料類従・仮名草子編・21)
【4】可笑記評判(中)  昭和五十二年二月二十五日、勉誠社発行(近世文学書誌研究会編、近世文学資料類従・仮名草子編・22)
【5】可笑記評判(下)  昭和五十二年三月二十五日、勉誠社発行(近世文学書誌研究会編、近世文学資料類従・仮名草子編・23)『可笑記評判』(名古屋大学図書館蔵本)を写真複製して収録し、解説を付したもの。
【6】仮名草子集成・十巻  平成元年九月三十日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『をむなかゝみ』『女五経』『をんか仁義物語』『女みだれかミけうくん物語』『有馬山名所記』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【7】仮名草子集成・十一巻  平成二年八月二十五日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『芦分舟』『大坂物語(古活字版第二種)』『大坂物語』(写本)『女式目并儒仏物語』『女式目』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【8】仮名草子集成・十二巻  平成三年九月二十五日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『怪談全書』『恠談』(写本)『恠談』(写本)『怪談録』(写本)『幽霊之事』(写本)の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【9】仮名草子集成・十三巻 平成四年八月二十日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『海上物語』『戒殺放生物語』『怪談録前集』『奇異怪談抄(写本)』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【10】仮名草子集成・十四巻  平成五年十一月二十日,東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『鑑草』『可笑記』『戒殺放生文』(影印)の本文を翻刻収録し,解説と参考写真を付す。小川武彦氏「浅井了意『戒殺物語・放生物語』と袾宏『戒殺放生文』」を収める。
【11】仮名草子集成・十五巻  平成六年十二月十日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『可笑記評判』(巻一~巻七)の本文を翻刻収録。
【12】仮名草子集成・十六巻  平成七年九月五日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『可笑記評判』(巻八~巻十)の本文を翻刻収録し,解説と参考写真を付す。
【13】仮名草子集成・十七巻  平成八年三月十日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『花山物語』『堅田物語』『仮名列女伝』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【14】仮名草子集成・十八巻  平成八年九月二十日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『かさぬ草紙』『枯杭集』『かなめいし』『鎌倉物語』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【15】仮名草子集成・十九巻  平成九年三月十日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『葛城物語』『河内鑑名所記』『堪忍弁義抄』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【16】仮名草子集成・二十巻  平成九年八月三十日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『勧孝記』『堪忍記』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【17】仮名草子集成・二十一巻  平成十年三月二十日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『仮枕』『奇異雑談集』写本三本(校本) 刊本(貞享四年初版)の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【18】仮名草子集成・二十二巻 平成十年六月二十五日、東京堂出版発行(朝倉治彦・深沢秋男 編)『祇園物語』『京童』『京童あとおひ』『清水物語』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【19】仮名草子研究文献目録 平成十六年十二月十五日、和泉書院発行(深沢秋男・菊池眞一 編)
【20】仮名草子研究叢書 平成十八年二月二十五日、クレス出版発行(深沢秋男・菊池眞一 編) 全八巻
  一巻~二巻……雑誌論文集成 菊池眞一担当
  三巻~八巻……単行本記述集成 深沢秋男担当
【21】仮名草子集成・三十九巻 平成十八年三月十五日、東京堂出版発行(菊池眞一・深沢秋男・和田恭幸 編)『若輩抄』『聚楽物語』『死霊解脱物語聞書』『女訓抄』(影印)の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【22】仮名草子集成・四十一巻 平成十九年二月二十八日、東京堂出版発行(花田富二夫・入口敦志・菊池眞一・中島次郎・深沢秋男 編)『新語園』『十二関』『衆道物語』『親鸞上人記』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【23】仮名草子集成・四十二巻、平成十九年七月二十五日、東京堂出版発行(深沢秋男・伊藤慎吾・入口敦志・花田富二夫 編)『四しやうのうた合』『四十二のみめあらそひ』『水鳥記』(寛文七年上方版)『水鳥記』(松会版)『杉楊枝』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【24】浅井了意全集・仮名草子編・一巻 平成十九年八月、岩田書院発行(岡雅彦・小川武彦・湯浅佳子・深沢秋男 編)『堪忍記』『孝行物語』『浮世物語』『浮世ばなし』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【25】斎藤親盛(如儡子)伝記資料 平成二十二年十月二十五日、近世初期文芸研究会発行、非売品。
【26】浅井了意全集・仮名草子編・三巻 平成二十三年五月、岩田書院発行(花田富二夫・土屋順子・深沢秋男 編)『可笑記評判』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【27】仮名草子集成・四十七巻、平成二十三年六月三十日、東京堂出版発行(深沢秋男・伊藤慎吾・入口敦志・
花田富二夫・安原眞琴・和田恭幸 編)『醍醐随筆』『大仏物語』『沢庵和尚鎌倉記』『糺物語』『たにのむもれ木』(写本)『竹斎東下』(写本)の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【28】如儡子百人一首注釈の研究 平成二十四年三月二十日、和泉書院発行。
【29】仮名草子集成・四十九巻、平成二十五年三月三十日、東京堂出版発行、(深沢秋男・伊藤慎吾・入口敦志・中島次郎・柳沢昌紀 編)『智恵鑑』『竹斎』(寛永整版本)『竹斎』(寛文版全挿絵)『竹斎』(奈良絵本)『長者教』『長生のみかど物語』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。
【30】浅井了意全集・仮名草子編・五巻 平成二十七年九月、岩田書院発行(深沢秋男・入口敦志・湯浅佳子・江本裕・花田富二夫・安原眞琴・渡辺守邦 編)『やうきひ物語』『御伽婢子』『狗張子』の本文を翻刻収録し、解説と参考写真を付す。

  二、雑誌・紀要・単行本等に発表した論文等

【1】『可笑記』と儒教思想 昭和三十九年五月、『文学研究』十九号。
【2】『可笑記』と『可笑記評判』 昭和四十一年五月、『文学研究』二十三号。
【3】『可笑記』の読者 昭和四十二年十二月、『文学研究』二十六号。
【4】『可笑記』の諸本について 昭和四十三年十二月、『文学研究』二十八号。
【5】『可笑記』の本文批評 昭和四十四年十二月、『近世初期文芸』一号。
【6】『可笑記』の諸本について――補訂(1)―― 昭和四十四年十二月、『文学研究』三十号。
【7】『可笑記』とその時代――批評書の出版をめぐって―― 昭和四十六年七月、『文学研究』三十三号。
【8】仮名草子研究文献目録 昭和四十八年十二月、『近世初期文芸』三号。
【9】『可笑記評判』について 『日本文学の研究』(重友毅博士頌寿記念論文集)昭和四十九年七月、文理書院。
【10】『可笑記』の諸本について――補訂(2)―― 昭和四十八年十二月、『文学研究』三十八号。
【11】『可笑記』に及ぼす『徒然草』の影響 昭和五十九年一月、『学苑』五二九号。
【12】仮名草子研究の現状――エッケハルト・マイ博士著『東海道名所記』の紹介―― 昭和五十九年六月、『文学研究』五十九号。
【13】『可笑記』と『徒然草』――1の2・1の4―― 昭和六十年一月、『学苑』五四一号。
【14】『可笑記』の読み方――「かしょうき」か「おかしき」か―― 昭和六十年十二月、『文学研究』六十二号。
【15】『可笑記評判』の成立時期 昭和六十一年六月、『文学研究』六十三号。
【16】『可笑記評判』の成立時期(承前) 昭和六十二年六月、『文学研究』六十五号。
【17】仮名草子研究文献目録 昭和六十三年三月、『近世初期文芸』四号。
【18】如儡子(斎藤親盛)調査報告(1) 昭和六十三年六月、『文学研究』六十七号。
【19】如儡子(斎藤親盛)調査報告(2)――父・斎藤筑後と如儡子出生の地―― 昭和六十三年十二月、『近世初期文芸』五号。
【20】如儡子(斎藤親盛)調査報告(3)――『世臣伝』『相生集』―― 昭和六十三年十二月、『文学研究』六十八号。
【21】如儡子の『堪忍記』(1)――松平文庫本の翻刻と解題―― 平成元年十月、『近世初期文芸』六号。
【22】如儡子(斎藤親盛)調査報告(4)――二本松藩諸資料、『二本松寺院物語』―― 平成元年十二月、『文学研究』七十号。
【23】如儡子の『堪忍記』(2)――内閣文庫本の翻刻と解題―― 平成二年十二月、『近世初期文芸』七号。
【24】『可笑記』の諸本について――補訂(3)―― 平成三年十二月、『文学研究』七十四号。
【25】『女仁義物語』の諸本 平成三年十二月、『近世初期文芸』八号。
【26】如儡子の『堪忍記』(3)――松平文庫本と内閣文庫本―― 平成三年十二月、『近世初期文芸』八号。
【27】『女式目』の諸本 平成四年十二月、『近世初期文芸』九号。
【28】如儡子(斎藤親盛)調査報告(5)――如儡子の墓所―― 平成五年十二月、『文学研究』七十八号。
【29】『怪談全書』の諸本――付『恠談』・『怪談録』・『奇異怪談抄』・『怪談録前集』― 平成五年十二月、『近世初期文芸』十号。
【30】『鑑草』の諸本 平成六年十二月、『近世初期文芸』十一号。
【31】『可笑記』の諸本 平成七年十二月、『近世初期文芸』十二号。
【32】敦賀屋版『可笑記』について 平成八年六月、『文学研究』八十三号。
【33】如儡子の「百人一首」注釈――『酔玉集』の翻刻と解題(上)―― 平成八年十二月、『近世初期文芸』十三号。
【34】『百人一首鈔』(如儡子著)研究序説 平成九年五月八日、汲古書院発行、長谷川強編『近世文学俯瞰』。
【35】如儡子の「百人一首」注釈――『酔玉集』の翻刻と解題(下)―― 平成九年十二月、『近世初期文芸』十四号。
【36】如儡子の「百人一首」注釈――『百人一首鈔』と『酔玉集』―― 平成十年十二月、『近世初期文芸』十五号。
【37】如儡子の「百人一首」注釈――京大本『百人一首註解』との関連―― 平成十一年四月、『文学研究』八十七号。
【38】斎藤親盛(如儡子)の俳諧(上) 平成十一年十二月、『近世初期文芸』十六号。
【39】斎藤親盛(如儡子)の俳諧(中) 平成十二年十二月、『近世初期文芸』十七号。
【40】『可笑記』と『甲陽軍鑑』(二)――書名「可笑記」の出処―― 平成十三年四月、『文学研究』八十九号。
【41】斎藤親盛(如儡子)の俳諧(下)――晩年、二本松時代の如儡子―― 平成十三年十二月、『近世初期文芸』十八号。
【42】『可笑記』と『甲陽軍鑑』(三) 平成十四年四月、『文学研究』九十号。
【43】『堪忍弁義抄』の版本と写本――付、写本『堪忍弁義抄』の翻刻―― 平成十四年十二月、『近世初期文芸』十九号。
【44】近世初期文芸と近世軍書――『可笑記』と『甲陽軍鑑』――『17世紀日本における中国・韓国の漢籍受容の分析並びに総合的研究』(科学研究費基礎研究(A)(1)平成11年~14年 研究成果報告書、課題番号
11301015、平成15年3月)
【45】『可笑記』と『甲陽軍鑑』(結び) 平成十五年四月、『文学研究』九十一号。
【46】如儡子の「百人一首」注釈――武蔵野美術大学美術資料図書館蔵『砕玉抄』(序説)―― 平成十五年十二月、『近世初期文芸』二十号。
【47】甲南女子大学図書館所蔵 写本『可笑記』について 平成十六年十二月、『近世初期文芸』二十一号。
【48】如儡子(斎藤親盛)の「百人一首」注釈――『砕玉抄』の翻刻(一)―― 平成十七年四月、『文学研究』九十三号。
【49】如儡子(斎藤親盛)の「百人一首」注釈――『砕玉抄』の翻刻(二)第十一藤原敏行~第三十大江千里―― 平成十七年十二月、『近世初期文芸』二十二号。
【50】如儡子(斎藤親盛)の「百人一首」注釈――『砕玉抄』の翻刻(三)第三十一藤原興風~第五十藤原実方朝
   臣―― 平成十八年四月、『文学研究』九十四号。
【51】如儡子(斎藤親盛)の「百人一首」注釈――『砕玉抄』の翻刻(四)第五十一藤原道信~第六十清少納言―
   ― 平成十八年十二月、『近世初期文芸』二十三号。
【52】如儡子(斎藤親盛)の「百人一首」注釈――『砕玉抄』と『百人一首鈔』―― 平成十九年四月、『文学研究』九十五号。
【53】仮名草子作品の古書価 平成十九年十二月、『近世初期文芸』二十四号。
【54】近世初期における 書名「可笑記」の流行 平成二十年十二月、『近世初期文芸』二十五号。
【55】如儡子(斎藤親盛)の伝記に関する諸問題(1)――父、筑後守は「盛広」か「広盛」か―― 平成二十二年
   十二月、『近世初期文芸』二十七号。
【56】如儡子(斎藤親盛)の伝記に関する諸問題(2)――「如儡子」は「にょらいし」か「じょらいし」か―― 平
   成二十三年十二月、『近世初期文芸』二十八号。
【57】如儡子(斎藤親盛)の伝記に関する諸問題(3)――十五里ケ原合戦と斎藤広盛―― 平成二十四年十二月、『近世初期文芸』二十九号。

  三、論文以外のもの

【1】『可笑記』 昭和六十一年六月00日、角川書店発行、『古典の事典(7)』。  ▲
【2】「仮名草子の範囲と分類」 平成六年九月十五日、早稲田大学出版部発行、『早稲田大学 資料影印叢書 国書篇 第三十九巻 仮名草子集』月報43。
【3】仮名草子研究――思い出す恩師のことなど―― 平成九年七月、法政大学『日本文学誌要』五十六号。
【4】「如儡子」 平成十年六月十日、明治書院発行、『日本古典文学大事典』。
【5】「仮名草子」 平成十一年三月十日、岩波書店発行、『日本古典籍書誌学辞典』。
【6】○平成二十二年度香川県公立高校入試に『可笑記』出題。 ○平成二十三年度京都府公立高校入試に『可笑記』出題。 
【7】「齋藤筑後守記念碑」建立。 平成二十三年十二月、『近世初期文芸』二十八号。

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●コロナ騒ぎで、外出もママならぬ今日、ひまに任せて、仮名草子関係の過去を整理してみた。感想としては、よくも、飽きもせず、続けたナア、というところ。

仮名草子研究文献目録

仮名草子研究文献目録

  • 2020.08.05 Wednesday
仮名草子研究文献目録

「仮名草子研究文献目録」について

仮名草子作品一覧(五十音順)
仮名草子研究書(単行本。発行年代順)
仮名草子研究論文(雑誌掲載分。発表年代順)

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仮名草子作品(五十音順)「仮名草子研究文献目録」について

〔1〕明治26年(1893)~平成14年(2002)
『仮名草子研究文献目録』(深沢秋男・菊池真一 編、2004年12月15日、和泉書院発行)

〔2〕平成15年(2003)~平成17年(2005)
「近世初期文芸研究会」HPの「仮名草子研究文献目録」

〔3〕平成18年(2006)~
国文学研究資料館「国文学論文目録データベース」
「近世初期文芸研究会」HPの「仮名草子研究文献目録」

●「近世初期文芸研究会」のHP掲載の「仮名草子研究文献目録」は、データを入手できたものから随時追加更新して、最終的には、国文学研究資料館編集の『国文学年鑑』で補ってきました。
 『国文学年鑑 平成17年(2005)』は、平成19年(2007)に発行されましたが、以後は、編集・発行が休止されました。従って、平成18年以後の「近世初期文芸研究会」のHPの目録は極めて不十分なものとならざるを得ません。
以上の事情から、今後は、国文学研究資料館の「国文学論文目録データベース」を中心に検索利用して頂きたいと思います。
●「雑誌記事索引集成データベース」の活用について
『仮名草子研究文献目録』(深沢秋男・菊池真一)は、明治以後のものも極力収録しているが、株式会社皓星社が作成した「雑誌記事索引集成データベース」を併用すれば、仮名草子研究文献で見逃したものも補える。
……………………………………
■明治初期から現在まで
国立国会図書館(NDL)の「雑誌記事索引」は、昭和23年以降現在までを収録する邦文雑誌記事のデータベースです。ところが、この「雑誌記事索引」は、それ以前の記事は検索できません。
皓星社では、それを補うため過去における雑誌記事索引類を集大成して『明治・大正・昭和前期 雑誌記事索引集成』(120巻)を刊行。雑誌記事索引集成DBは、この『明治・大正・昭和前期 雑誌記事索引集成』を基に作成されました。
丸善株式会社epro-j@maruzen.co.jp
株式会社皓星社http://www.libro-koseisha.co.jp/
……………………………………………

               平成23年(2011)11月10日
                      近世初期文芸研究会

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仮名草子作品(50音順)

 あ い う え お

か き く け こ

さ し す せ そ

た ち つ て と

な  に  ぬ  ね 

は ひ ふ へ ほ

ま み む め も

 や  ゆ  よ 

ら り れ ろ わ

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研究文献 単行本

 明治期     大正期     昭和2年~昭和19年

昭和20年~昭和29年    昭和30年~昭和39年

昭和40年~昭和47年   昭和48年  昭和49年

昭和50年  昭和51年   昭和52年  昭和53年

昭和54年   昭和55年  昭和56年  昭和57年

昭和58年  昭和59年  昭和60年  昭和61年

昭和62年  昭和63年   平成元年   平成2年

平成3年   平成4年   平成5年   平成6年

平成7年   平成8年   平成9年

平成10年 平成11年 平成12年 平成13年

平成14年 平成15年 平成16年 平成17年

平成18年 平成19年 平成20年 平成21年

平成22年  平成23年  平成24年  平成25年

平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 

平成30年 令和元年 令和2年

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研究文献雑誌論文等

明治大正期  昭和2年 昭和3年  昭和4年  昭和5年

昭和6年 昭和7年  昭和8年  昭和9年 昭和10年

昭和11年  昭和12年 昭和13年  昭和14年  昭和15年

昭和16年  昭和17年  昭和18年 昭和19年  昭和22年

昭和23年   昭和25年  昭和26年 昭和27年  昭和28年

昭和29年 昭和30年  昭和31年  昭和32年 昭和33年

昭和34年  昭和35年 昭和36年  昭和37年  昭和38年

昭和39年  昭和40年  昭和41年 昭和42年  昭和43年

昭和44年 昭和45年  昭和46年  昭和47年 昭和48年

昭和49年  昭和50年 昭和51年  昭和52年  昭和53年

昭和54年  昭和55年  昭和56年 昭和57年  昭和58年

昭和59年 昭和60年  昭和61年  昭和62年 昭和63年

平成元年   平成2年   平成3年 平成4年   平成5年

平成6年 平成7年  平成8年  平成9年 平成10年

平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年

平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年

平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年

平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 

平成30年 令和元年 令和2年

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●私は、学生時代から、仮名草子研究の推進には、研究文献目録が必要と痛感して、目録作成に取り組んできた。『近世初期文芸』に何回か発表し、菊池眞一先生の協力を得て、『仮名草子研究文献目録』を出版した。その後、情報収集が不可能になった頃。国文学研究資料館の、電子情報が発信されて、これに頼るようになった。

●〔近世初期文芸研究会〕の中の、『仮名草子研究文献目録』は、今後、どうなるのか、わからない。

2020年8月5日

『仮名草子集成』第57巻 刊行(再録)

『仮名草子集成』第57巻(再録)

  • 2020.08.02 Sunday
『仮名草子集成』 第57巻 発行
2017.02.21 Tuesday13:49

●今日、東京堂出版から『仮名草子集成』第57巻の見本が届いた。本巻担当の方々の御努力に対し、感謝申上げる。また、このような、膨大な叢書の刊行には、出版社編集部担当者の、情熱と配慮がなければ、とても計画的に発行し続けることは出来ない。私は、朝倉治彦先生と共に、この仕事に従事してきたが、東京堂出版編集部の、歴代担当者、松林孝至氏、西哲生氏、菅原洋一氏に対して、改めて、心から感謝申上げる。

●私は、1989年の、第10巻から参加させて頂いたが、28年間の長い仕事であった。途中、大学の職務も多忙を極め、他の研究論文も書かなければならなかった。担当した作品の、諸本調査、本文校訂、これらを進めると、作品論を書きたくなる。しかし、それは許されない。そのようなストレスの中で従事した、28年間だったのである。

●私も、老齢となり、古典作品の、諸本調査、本文校訂等は、無理となった。この第57巻で引退することにした。

改めて、関係者の皆様に対して、心から感謝申上げる。

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●『仮名草子集成』は、昭和55年(1980)5月12日に第1巻が発行された。編者は朝倉治彦氏である。近世文学の中でも、浮世草子の西鶴や、俳諧の芭蕉や、浄瑠璃の近松とは異なり、仮名草子は地味で、一般の人々には馴染みが薄い。当然、売れる本では無い。当初は文部省の出版助成金を受けてスタートした。

 第39巻から、新体制で継承した。菊池眞一氏・花田富二夫氏と私が編集を担当し、さらに若い研究者の協力を得て今日に及んでいるが、第1巻発行から37年になる。現在、第57巻まで発行され、全70巻の完結を目指している。

■新体制の責任編集者

 第39巻~第45巻、菊池真一・花田富二夫・深沢秋男。
 第46巻~第49巻、花田富二夫・深沢秋男。
 第50巻~、花田富二夫・深沢秋男・柳沢昌紀。

■発行所 101‐0051 東京都千代田区神田神保町1‐17
     株式会社 東京堂出版 
      電話 03‐3233‐3741

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『仮名草子集成』第57巻 
    花田富二夫・伊藤慎吾
    柳沢 昌紀     編
    2017年2月28日・東京堂出版発行
    A5判・316頁・18000円+税

目 次
  例 言
  凡 例 
  『假名草子集成』で使用する漢字の字体について

假名草子集成 第57巻 

自身房(写本、1冊)…………………………………    1
 自身房 ………………………………………………    2
解 題 …………………………… 伊藤慎吾 ……  301

初時雨(整版本、2巻2冊、絵入)…………………    9 
 上巻 …………………………………………………   11
 下巻 …………………………………………………   20
解 題 …………………………… 伊藤慎吾 ……  304

〈補遺〉慶長見聞集(写本、10巻、5冊)………   29
 巻3 …………………………………………………   30
 巻4 …………………………………………………   61
 巻5 …………………………………………………   87
 巻6 …………………………………………………  111
 巻7 …………………………………………………  143
 巻8 …………………………………………………  167
 巻9 …………………………………………………  194
 巻10 ………………………………………………  216
解 題 ………………………… 花田富二夫 ……  306

〈補遺〉醒睡笑(寛永正保頃板、8巻、3冊)…  237
 巻1 ………………………………………………  239
 巻2 ………………………………………………  247
 巻3 ………………………………………………  257
 巻4 ………………………………………………  264
 巻5 ………………………………………………  276
 巻6 ………………………………………………  285

解題追加 ……………………………………………  310
正  誤 ……………………………………………  313
編者略歴 ……………………………………………  314

写 真 ………………………………………………  315

『仮名草子集成』の継続

『仮名草子集成』の引継ぎ

  • 2020.08.02 Sunday
『仮名草子集成』の引継ぎ

●FBのスタッフが2年前を振り返ろう、とメッセージをくれた。東京堂出版の『仮名草子集成』の継続刊行に関する件であった。

●ちょうど、昭和女子大学を定年退職する時だった。私自身の計画としては、仮名草子関係のまとめをする予定だった。その時、朝倉治彦先生から、とんでもない事を依頼されたのである。

●私個人としては、この件は、お断りしたかった。しかし、学界のためを思うと、自分の事は優先できない。ここから、難行苦行の計画が始まったのである。

●私は、周到な計画を立て、朝倉先生に提案し、了承を頂き、若い研究者に協力を求めた。幸い、諸氏は、経済面を犠牲にして、学問の為に参加して下さった。

●その頃、第36巻位だった、この事業は、今、63巻まで刊行された。学問の世界の尊さを思わずにいられない。

●そのあおりを食って、私は、今、最後の著書『如儡子・斎藤親盛の研究』の原稿を書いている。まとまるか否か、不安は残るが、これも、また、一つの研究人生だろう。

2020年8月2日

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2018.08.02 Thursday
大事業の記引継ぎ

假名草子集成||カナ ゾウシ シュウセイ
朝倉, 治彦(1924-)||アサクラ, ハルヒコ
深沢, 秋男(1935-)||フカザワ, アキオ
柳沢, 昌紀(1964-)||ヤナギサワ, マサキ
伊藤, 慎吾(1972-)||イトウ, シンゴ
柏川, 修一(1956-)||カシカワ, シュウイチ
大久保, 順子(1965-)||オオクボ, ジュンコ
菊池, 真一(1949-)||キクチ, シンイチ
和田, 恭幸(1966-)||ワダ, ヤスユキ
花田, 富二夫(1949-)||ハナダ, フジオ

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●『仮名草子集成』の図書館での、書誌的記録は、上記の通りである。これは、私の計画通りのものである。

●平成17年3月、私は昭和女子大学を定年退職した。定年後は、ライフワークの、如儡子・斎藤親盛の研究をまとめる予定であった。その計画を立てている、その時である。朝倉先生から1通の手紙を頂いた。

 平成16年12月27日付けの手紙は、

 「さて、突然のこと申上げます。私の命は、いくばくもない状況です。家族はまだ自覚していません。この手紙が、私の最後のものとなるでせう。生涯最后の、私の申出を聞届けて下さるよう懇願いたします。」
と書き始められていた。要件は、進行中の『仮名草子集成』を以後、一任するので引き受けてもらいたいというものであった。私に残された時間も多くはない。朝倉先生が企画・開始された、この大事業を引き受けるのは、至難のことである。出来得るならば、お断りしたい。しかし、仮名草子研究のため、学界のために是非継承して欲しい、と先生から要請されては、これをお断りするのは、研究者としても、人間としても、自分勝手に過ぎるだろう、そのように判断して、微力な身ではあるが、お引き受けすることにしたのである。

●平成16年の時点で、『仮名草子集成』は第36巻まで発行されていた。私は、平成17年1月3日付けで「『仮名草子集成』の継承に関する事項(案)」を作成して、朝倉先生に検討して頂いた。以後、先生との継承に関する意見の交換は、全て文章(手紙)て行い、電話などは使用しなかった。重要案件であるので、全て記録することにした訳である。先生との手紙のやり取りは、平成19年4月29日まで、双方各54通に及んだ。

●まず、編集委員の人選から始めた。当然、仮名草子に関して、研究実績が必要である。次に重視したのは、年齢だった。私より、若い人でなければならない。同年輩では、継続できない。そこで、10歳下の、菊池眞一氏と花田富二夫氏に依頼して、承諾を得て、朝倉先生の御承諾を頂いたのである。さらに、原稿執筆の編者には、菊池氏・花田氏よりも年下であることを原則として依頼した。

●それから13年が経過し、『仮名草子集成』は、第58巻まで刊行された。後継の若い研究者は、完結を目指して、現在も努力して下さっている。朝倉先生から引き継ぎ、若い研究者に渡す、という私の役目は終わったのである。

●学術出版ゆえ、印税は沢山は頂けない。全国各地の諸本調査をして、解題原稿を仕上げるのは、大変である。しかし、研究者は、金銭の損得だけで動かない。それが、学問の尊さである。そのように、私は考えている。


仮名草子

仮名草子

  • 2020.07.03 Friday
仮名草子 〔ネット上の諸辞典〕

国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典

◆国史大辞典

仮名草子
かなぞうし

仮名草子は中世の小説と本格的な近世小説である浮世草子との過渡的な存在である。当時仮名和書とか草紙とか呼ばれた種類の作品を指すが、内容的には案内記や教訓書のような文学性の稀薄なものも含まれている。仮名和書とは漢籍に対して俗耳に入りやすい通俗的な仮名書きの和書の総称であるから、実用性・教訓性の濃い作品が混在することも当然であるし、また戦乱終熄後の大衆の知的・道徳的教育を意図した江戸幕府の文教政策と考え合わせても、この文学性と実用性ないしは教訓性の混在は、新旧勢力の交替する、いわゆる啓蒙期的世相の反映ということができる。しかし、初期の仮名草子には前代小説の傾向が持続され、貴人の御伽の料としての娯楽性が強く、安楽庵策伝の『醒睡笑』などの笑話本、『犬枕』『尤之草紙』などの模擬物、太田牛一の『信長記』、小瀬甫庵の『太閤記』などの武功譚などがある。また『恨之介』や『薄雪物語』などの恋愛物の系列にも前代の小説の名残りを見ることができる。なお、この種の中から『露殿物語』をはじめとする遊女評判記類が発生したことは注目に価する。戦火も遠のき平和が恢復するに従って、諸国諸街道が整備されて日本全国の交通が発達し、磯田道治の『竹斎』、浅井了意の『東海道名所記』などの名所記・遊覧記的傾向をもつ作品が出て来たことは、民衆の実用的要求に応ずるものといえよう。仮名草子の特徴の一つとして、教訓性が挙げられるが、特に思想啓蒙・教訓を主とした作品に如儡子の『可笑記』、三教一致を説く『百八丁記』、儒教を勧める朝山意林庵の『清水物語』、その反駁書で仏教を旨とする『祇園物語』がある。また中世の懺悔物の系統を引くものとして、阿弥陀信仰を説いた『七人比丘尼』、その影響作で鈴木正三の『二人比丘尼』などがある。なお、翻訳物として『伊曾保物語』や北村季吟の『仮名列女伝』、辻原元甫の『女四書』などが刊行されたことは、まさに啓蒙期的現象といえよう。はじめはいわゆる御伽草子と併存していた仮名草子が、幕府の文教政策や印刷術の発達、また一般庶民階層の向上などの諸条件のもとに、ようやくその本質を固定化しようとする段階に至って、浅井了意や山岡元隣らの代表的作家が出現した。了意の『浮世物語』には新しい時代の息吹きが窺われ、中国怪談を翻案した『御伽婢子』などの一連の作品は近世怪異小説の基盤となった。仮名草子の作家たちは、朝山意林庵や北村季吟らの学者、三浦為春・如儡子・浅井了意らの武士階級出身者、あるいは鈴木正三のごとき僧侶というように、ほとんどが前時代の知識階級であって、庶民文学の黎明期とはいえ、あくまで対象である読者が庶民層であるのみで、知識人による一般民衆の啓蒙教化の段階でしかなかった。真の意味での町人文学としての小説の出現は井原西鶴の『好色一代男』の刊行をまたねばならなかった。
(堤 精二)
©Yoshikawa kobunkan Inc.

◆日本大百科全書(ニッポニカ)

仮名草子
かなぞうし

近世初期の慶長(けいちょう)年間(1596~1615)から井原西鶴(さいかく)の『好色一代男』が刊行された1682年(天和2)までの約80年間に著作・刊行された、多少とも文学性の認められる散文作品で、中世の御伽(おとぎ)草子の後を受け、西鶴の浮世草子に接するものをいう。しかし学術用語としてはあいまい不完全な名称で、古く室町時代にこの語が記録にあり、また西鶴の作品をも当時は仮名草子と称していた。語の意味は、真名(漢字)本に対する仮名本という用字による区別にすぎない。当時の出版書肆(しょし)によって編集された書籍目録の分類にみられる仮名とか双紙とかいわれていたものがこれに該当すると考えられる。結局、漢籍仏典医書などの学術書でなく、平仮名で書かれた娯楽・啓蒙(けいもう)的な読み物といえよう。これらは写本で行われたものもあったが、近世初期以来の出版に取り上げられて多く流布した。したがって、従来の文学作品と異なった条件として考える必要がある。
 仮名草子の作者はごくわずかしか知られていない。大部分が作者不詳であり、さいわい作品に署名があったり、書籍目録に作者名が記されていても、伝記を明らかにしえない場合が多い。作者層は、浪人・民間の国学者、漢学者、僧侶(そうりょ)、医師、俳諧(はいかい)師などであったと考えられる。読者は、ごく初期は上層階級であったが、のちに印刷術の発達とともに庶民階級にまで読者層が拡大した。
 研究史としては、明治の後半期に水谷不倒(ふとう)、藤岡作太郎らによって仮名草子が研究対象として取り上げられ、今日に及んでいる。いわゆる仮名草子と称される作品群は、その内容がきわめて多種多様で多方面に分岐し交錯しているため、当然なんらかの整理を加える必要があった。そこで分類の作業を中心に研究が進められ、第二次世界大戦前は潁原(えばら)退蔵、戦後は野田寿雄(ひさお)、暉峻康隆(てるおかやすたか)、田中伸らによって分類が試みられた。次にあげる野田寿雄の分類などが妥当といえよう。(1)教義教訓的なもの 朝山意林庵(あさやまいりんあん)の『清水(きよみず)物語』(1638刊)、辻原元甫(つじはらげんぽ)の『智恵鑑(ちえかがみ)』(1660刊)。(2)娯楽的なもの 三浦為春の『あだ物語』(1640刊)、浅井了意の『御伽婢子(おとぎぼうこ)』(1666刊)。(3)実用本位のもの 中川喜雲の『京童(きょうわらべ)』(1658刊)、浅井了意の『江戸名所記』(1662刊)。
 仮名草子は種類が多様多岐であり、内容も文学性の希薄なものが多いことから、従来は過渡期の文学ということで西鶴研究の階梯(かいてい)として付随的にみる傾向が強かった。作品個々の研究、作者の研究、周辺との関連など残された課題は多いが、今日ではむしろ、未成熟ではあるが仮名草子の多様な性格のなかに、あるいは仮名草子を支えた基盤のうちに、近世文学全般の源流や胎動萌芽(ほうが)を積極的にみていこうとする姿勢が定着しつつある。
[坂巻甲太]

©Shogakukan Inc.

◆改訂新版 世界大百科事典

仮名草子
かなぞうし

江戸初期にあらわれた仮名書きの小説類の総称。そのころ日本でも急激に木版印刷術が発達したが,それにつれて流行したもの。すなわち井原西鶴によって確立された浮世草子以前の,主として京都を中心に出版された小説類であって,烏丸光広,如儡子(じよらいし),鈴木正三(しようざん),野々口立圃,山岡元隣,中川喜雲,浅井了意などがおもな作者である。その期間はだいたい1600年(慶長5)ころから82年(天和2)(西鶴《好色一代男》発表年)にわたる。この期は徳川家康の江戸幕府の成立(1603)あるいは鎖国(1634)などがあり,徳川封建体制確立の時期だったので,その文治政策を反映して,思想的には儒教や仏教による民間教化の傾向が強かった。ために仮名草子も第1に啓蒙的・教訓的な色彩がはなはだ強い。第2には,貨幣経済の発展によって新しく町人の登場があり,その要求を反映した名所案内記や見聞記,遊女評判記などの実用的なものが多い。第3には,まだ新時代の文学観念が成熟していないために,室町時代小説のなごりがあり,題材に新しさが加わったにせよ,文体や描写態度にはまだ古い要素が多く見うけられる。

 第1類に属するものとしては,《清水(きよみず)物語》《二人比丘尼(ににんびくに)》のような作中の人物の対話をとおして儒教や仏教の教義を解説したもの,あるいは《可笑記》《悔草(くやみぐさ)》のような随筆的なもの,《仮名列女伝》《本朝女鑑(じよかん)》のような古来の名女賢女の逸話を集めて女性の道を鼓吹したもの,《堪忍記》《智恵鑑(ちえかがみ)》《因果物語》のような説話集がある。第2類としては,京都または東海道の名所案内をこころみながら作中人物のこっけいや狂歌をふくませた《竹斎》《東海道名所記》のようなものや,大坂の陣を叙した《大坂物語》,明暦の江戸大火を叙した《武蔵鐙(あぶみ)》,キリシタンの日本渡来の状況を記した《吉利支丹(キリシタン)物語》のような見聞記,さらにこの時期に栄えた遊里を紹介し評判した《あづま物語》《田夫(でんぷ)物語》《難波鉦(なにわどら)》などの遊女評判記,また金持になる心得を説いた《長者教》などがこれにあたり,第3類としては,《恨の介》《薄雪物語》《ねごと草》《浮世物語》など数多いが,なお《枕草子》や《伊勢物語》をもじった《尤(もつとも)草紙》《仁勢(にせ)物語》,翻訳物の《伊曾保物語》《棠陰比事(とういんひじ)》《御伽婢子(おとぎぼうこ)》,また,噺本としての《醒睡笑》などもこれに入れてよい。以上のように仮名草子の特色がいろいろであるのは,まだほんとうの小説観念が確立せず,時代の要求であった啓蒙性,教訓性,実用性が前面に出ているからである。だが未熟とはいえ,この時期にあらわれた小説形態がその後の江戸時代小説の大きな類型となり,とくに井原西鶴の小説出現の前駆となったことは見のがせない。
[野田 寿雄]

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◆ウィキペディア

仮名草子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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仮名草子(かなぞうし)とは、江戸時代初期に仮名、もしくは仮名交じり文で書かれた、近世文学における物語・散文作品を総称したもの。 井原西鶴の『好色一代男』が出版された天和2年(1682)頃を区切りとするのが一般的である[1]。

目次

1 概略
2 内容
3 主な作品
4 脚注
5 参考文献

概略

御伽草子の延長に生まれ、仮名を用いた庶民向けの読み物として出版され、雑多な分野を含む。1ジャンルとしては異様に幅広い範囲を扱うため、中世文学と近世文学の過渡期の散文を一括りにした呼称と言える。

中世文学と仮名草子の違いのひとつに出版がある[2]。中世文学の複製方法が写本であったのに比べ、近世には仮名草子のような俗文芸も木版で大量に刷り販売されるようになった。手慰みに書かれた中世文学とは違い、仮名草子は製本され世間に流布されることが前提にある。平和の訪れとともに識字階層も増え、新たな読者層の要求に応える職業作家も現れるようになった。

作者の多くは当時の知識人層であり、浅井了意、鈴木正三(しょうさん)、烏丸光広らが知られている。 また、斎藤親盛や江島為信など、教養のある浪人が一時の糊口をしのぐために書いた作品が多い[3]。

明暦年間(1655-)から寛文年間(1661-1672)にかけてが仮名草子の最盛期と言われる[4]。延宝年間(1673-)ごろより西山宗因を盟主とする談林俳諧が隆盛し文壇の主流は関西へと移った。説話からハナシへと文学の流行が移行していくにつれ、教説性の強い仮名草子は下火となった[5]。やがて、宗因門下の井原西鶴による『好色一代男』などの優れた文芸が著されるようになり、これは後に浮世草子と区別して呼ばれるようになる。

内容

初期の仮名草子は戦国時代の回顧や大名の一代記などが多かった。通じて啓蒙的な内容のもの、儒教的な教訓を含んだ物語や説話集に人気があった。笑話のほか、名所案内記、また野郎評判記、遊女評判記のように実用的なガイドブックとして読まれたもの、事件や災害などを叙述する見聞記など多岐にわたる。

寛文10年に刊行された『増補書籍目録』では、当時の書籍が36項目に分類されている。

主な作品
仁勢物語(作者不詳)
竹斎(富山道冶)
恨之介(作者不詳)
清水物語(朝山意林庵)
可笑記(如儡子、斎藤親盛)
浮世物語(浅井了意)
東海道名所記(浅井了意)
あづま物語(作者不詳・遊女評判記)
難波鉦(酉水庵無底居士・遊女評判記)
ほか多数。深沢秋男・菊池真一編『仮名草子研究文献目録』によれば、300点におよぶ。

脚注
^ 谷脇 1999, p. 627.
^ 谷脇 1999, p. 628-630.
^ 江本 2000, pp. 30-31.
^ 江本 2000, p. 22.
^ 江本 2000, pp. 32-38.

参考文献

仮名草子の叢書として約200編を収める「仮名草子集成」(全70巻の予定、東京堂出版)がある(2019年3月現在、61巻まで刊行。参考:[1])。
谷脇理史『仮名草子集』小学館、1999年。
江本裕 『近世前期小説の研究』若草書房、2000年。
坪内逍遥・水谷不倒『近世列伝体小説史』春陽堂、明治30年。
水谷弓彦『仮名草子』水谷文庫、大正8年
水谷不倒『新撰列伝体小説史 前編』、春陽堂、昭和7年。
北条秀雄『改訂増補 浅井了意』笠間書院、昭和47年。
田中伸『仮名草子の研究』桜楓社、昭和49年。
水田潤『仮名草子の世界―未分化の系譜―』桜楓社、昭和56年。
野間光辰『近世作家伝攷』中央公論社、昭和60年。
渡辺守邦『仮名草子の基底』勉誠社、昭和61年。
野田寿雄『日本近世小説史 仮名草子篇』勉誠社、昭和61年。
三浦邦夫『仮名草子についての研究』おうふう、平成8年。
松原秀江『薄雪物語と御伽草子・仮名草子』和泉書院、平成9年。
市古夏生『近世初期文学と出版文化』若草書房、平成10年。
青山忠一『近世仏教文学の研究』おうふう、平成11年。
花田富二夫『仮名草子研究―説話とその周辺―』新典社、平成15年。
近世文学書誌研究会編『近世文学資料類従・仮名草子編・古板地誌編』 全61冊、勉誠社、昭和47~56年。
東洋文庫・日本古典文学会編『仮名草子』貴重本刊行会、昭和49年。
谷脇理史編『仮名草子集』早稲田大学資料影印叢書刊行委員会・早稲田大学出版部、平成6年。
朝倉治彦等編・校訂 『仮名草子集成』 1巻~49巻、東京堂出版、昭和55~平成25年。全70巻で、刊行中。
野田寿雄校注『仮名草子集』上・下、日本古典全書、朝仮名草子

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◆はてなキーワード

【かなぞうし】
仮名草子 (かなぞうし)

【定義】

近世初期、慶長(1596〜1615)から天和(1681〜84)にかけての、約80年間に作られた、小説を中心とする散文文芸の総称。ただし、このように、散文文芸全般を含める広い範囲とする説と、他方で、物語・小説的な作品に限定すべきであるとする説もある。

この近世初期は、日本歴史の中でも代表的な啓蒙期であり、この時期に、漢字(振仮名付き)交じり仮名書きの通俗平易な読み物が次々と作られた。これら一群の文学的著作に与えられたのが「仮名草子」という名称で、命名は仮名草子研究を切り拓いた水谷不倒である。その数は、はじめは180点ほどであったが、研究が進むにつれて増加して、現在では300点にも達する。

作品の原本は、写本または版本(古活字本・整版本)として伝存するが、版本は出版の黎明期にふさわしく、全体に版式もおおらかで、大きな本が多い。

【分類】

仮名草子は、物語・詩歌・日記・随筆・評論・実録などのように、さまざまな文学ジャンルを包括している。そこで、これらを、どのように分類整理するかという問題が生じる。
野田寿雄氏の説に従って紹介すると以下の通りである。

1、 啓蒙教訓的なもの(教義問答的なもの、随筆的なもの、女性教訓的なもの、翻訳物)
2、 娯楽的なもの(中世風な物語、説話集的なもの、翻訳物、擬物語)
3、 実用本位のもの(見聞記的なもの、名所記的なもの、評判記的なもの)

この分類からもわかる通り、仮名草子は複合ジャンルのような性質をもっている。文学史的には、お伽草子→仮名草子→浮世草子と接続するが、これを小説の系列として考えるならば、小説以外の作品をどう扱うべきか、という問題が今後の課題として残されている。

【範囲】

 仮名草子の範囲を考える場合、留意すべき事項は、次の各項目が考えられる。
 1、御伽草子との関連。
 2、浮世草子との関連。
 3、評判記(遊女・役者)との関連。
 4、軍書、軍学書との関連。
 5、咄本との関連。
 6、随筆的著作との関連。
 7、名所記、地誌、紀行との関連。
 8、教訓書、女性教訓書との関連。
 9、仮名仏書、仮名儒書との関連。
 10、注釈書(・・・抄)との関連。
 11、翻訳物、翻案物との関連。
 これらの、各項を具体的に検討することも今後の課題である。

【参考文献】

◎坪内逍遥・水谷不倒『近世列伝体小説史』春陽堂、明治30年。
◎水谷弓彦『仮名草子』水谷文庫、大正8年。
◎ 水谷不倒『新撰列伝体小説史 前編』、春陽堂、昭和7年。
◎ 北条秀雄『改訂増補 浅井了意』笠間書院、昭和47年。
◎ 田中伸『仮名草子の研究』桜楓社、昭和49年。
◎ 水田潤『仮名草子の世界―未分化の系譜―』桜楓社、昭和56年。
◎ 野間光辰『近世作家伝攷』中央公論社、昭和60年。
◎ 渡辺守邦『仮名草子の基底』勉誠社、昭和61年。
◎ 野田寿雄『日本近世小説史 仮名草子篇』勉誠社、昭和61年。
◎ 三浦邦夫『仮名草子についての研究』おうふう、平成8年。
◎ 松原秀江『薄雪物語と御伽草子・仮名草子』和泉書院、平成9年。
◎ 市古夏生『近世初期文学と出版文化』若草書房、平成10年。
◎ 青山忠一『近世仏教文学の研究』おうふう、平成11年。
◎ 江本裕『近世前期小説の研究』若草書房、平成12年。
◎ 花田富二夫『仮名草子研究―説話とその周辺―』新典社、平成15年。
◎ 近世文学書誌研究会編『近世文学資料類従・仮名草子編・古板地誌編』 全61冊、勉誠社、昭和47〜56年。
◎ 東洋文庫・日本古典文学会編『仮名草子』貴重本刊行会、昭和49年。
◎ 谷脇理史編『仮名草子集』早稲田大学資料影印叢書刊行委員会・早稲田大学出版部、平成6年。
◎ 朝倉治彦等編・校訂 『仮名草子集成』 1巻〜49巻、東京堂出版、昭和55〜平成25年。全70巻で、刊行中。
◎野田寿雄校注『仮名草子集』上・下、日本古典全書、朝日新聞社、昭和35・37年。
◎ 前田金五郎・森田武校注『仮名草子集』日本古典文学大系90、岩波書店、昭和40年。
◎ 青山忠一・岸得蔵・神保五弥・谷脇理史校注・訳『仮名草子集 浮世草子集』日本古典文学全集37、小学館、昭和46年。
◎ 渡辺守邦・渡辺憲司校注『仮名草子集』新日本古典文学大系74、岩波書店、平成3年。
◎ 谷脇理史・岡雅彦・井上和人校注・訳『仮名草子集』新編日本古典文学全集64、小学館、平成11年。
◎ 深沢秋男・菊池真一編『仮名草子研究文献目録』和泉書院、平成16年。
◎ 深沢秋男・菊池真一編『仮名草子研究叢書』全8巻クレス出版、平成18年。

■仮名草子研究文献目録 → http://www.ksskbg.com/kana/index.html

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●【ウィキペディア】は、誰かが立項して、私が加筆したもの。

●【はてなキーワード】は、私が立項・執筆したもの。ただし、このサイトは現在廃止。

2020年7月4日 深沢秋男

【はてなブログ・タグ】 〔仮名草子〕

【はてなブログ・タグ】 〔仮名草子〕

  • 2019.11.13 Wednesday
【はてなブログ・タグ】 〔仮名草子〕

仮名草子    (深沢秋男執筆)

(読書)

【かなぞうし】
仮名草子 (かなぞうし)

【定義】

近世初期、慶長(1596〜1615)から天和(1681〜84)にかけての、約80年間に作られた、小説を中心とする散文文芸の総称。ただし、このように、散文文芸全般を含める広い範囲とする説と、他方で、物語・小説的な作品に限定すべきであるとする説もある。
この近世初期は、日本歴史の中でも代表的な啓蒙期であり、この時期に、漢字(振仮名付き)交じり仮名書きの通俗平易な読み物が次々と作られた。これら一群の文学的著作に与えられたのが「仮名草子」という名称で、命名は仮名草子研究を切り拓いた水谷不倒である。その数は、はじめは180点ほどであったが、研究が進むにつれて増加して、現在では300点にも達する。
作品の原本は、写本または版本(古活字本・整版本)として伝存するが、版本は出版の黎明期にふさわしく、全体に版式もおおらかで、大きな本が多い。

【分類】

仮名草子は、物語・詩歌・日記・随筆・評論・実録などのように、さまざまな文学ジャンルを包括している。そこで、これらを、どのように分類整理するかという問題が生じる。
野田寿雄氏の説に従って紹介すると以下の通りである。
1、 啓蒙教訓的なもの(教義問答的なもの、随筆的なもの、女性教訓的なもの、翻訳物)
2、 娯楽的なもの(中世風な物語、説話集的なもの、翻訳物、擬物語)
3、 実用本位のもの(見聞記的なもの、名所記的なもの、評判記的なもの)
この分類からもわかる通り、仮名草子は複合ジャンルのような性質をもっている。文学史的には、お伽草子→仮名草子→浮世草子と接続するが、これを小説の系列として考えるならば、小説以外の作品をどう扱うべきか、という問題が今後の課題として残されている。

【範囲】

仮名草子の範囲を考える場合、留意すべき事項は、次の各項目が考えられる。
1、御伽草子との関連。
2、浮世草子との関連。
3、評判記(遊女・役者)との関連。
4、軍書、軍学書との関連。
5、咄本との関連。
6、随筆的著作との関連。
7、名所記、地誌、紀行との関連。
8、教訓書、女性教訓書との関連。
9、仮名仏書、仮名儒書との関連。
10、注釈書(・・・抄)との関連。
11、翻訳物、翻案物との関連。
これらの、各項を具体的に検討することも今後の課題である。

【参考文献】

◎坪内逍遥・水谷不倒『近世列伝体小説史』春陽堂、明治30年。
◎水谷弓彦『仮名草子』水谷文庫、大正8年。
◎ 水谷不倒『新撰列伝体小説史 前編』、春陽堂、昭和7年。
◎ 北条秀雄『改訂増補 浅井了意』笠間書院、昭和47年。
◎ 田中伸『仮名草子の研究』桜楓社、昭和49年。
◎ 水田潤『仮名草子の世界―未分化の系譜―』桜楓社、昭和56年。
◎ 野間光辰『近世作家伝攷』中央公論社、昭和60年。
◎ 渡辺守邦『仮名草子の基底』勉誠社、昭和61年。
◎ 野田寿雄『日本近世小説史 仮名草子篇』勉誠社、昭和61年。
◎ 三浦邦夫『仮名草子についての研究』おうふう、平成8年。
◎ 松原秀江『薄雪物語と御伽草子・仮名草子』和泉書院、平成9年。
◎ 市古夏生『近世初期文学と出版文化』若草書房、平成10年。
◎ 青山忠一『近世仏教文学の研究』おうふう、平成11年。
◎ 江本裕『近世前期小説の研究』若草書房、平成12年。
◎ 花田富二夫『仮名草子研究―説話とその周辺―』新典社、平成15年。
◎ 近世文学書誌研究会編『近世文学資料類従・仮名草子編・古板地誌編』 全61冊、勉誠社、昭和47〜56年。
◎ 東洋文庫・日本古典文学会編『仮名草子』貴重本刊行会、昭和49年。
◎ 谷脇理史編『仮名草子集』早稲田大学資料影印叢書刊行委員会・早稲田大学出版部、平成6年。
◎ 朝倉治彦等編・校訂 『仮名草子集成』 1巻〜49巻、東京堂出版、昭和55〜平成25年。全70巻で、刊行中。
◎野田寿雄校注『仮名草子集』上・下、日本古典全書、朝日新聞社、昭和35・37年。
◎ 前田金五郎・森田武校注『仮名草子集』日本古典文学大系90、岩波書店、昭和40年。
◎ 青山忠一・岸得蔵・神保五弥・谷脇理史校注・訳『仮名草子集 浮世草子集』日本古典文学全集37、小学館、昭和46年。
◎ 渡辺守邦・渡辺憲司校注『仮名草子集』新日本古典文学大系74、岩波書店、平成3年。
◎ 谷脇理史・岡雅彦・井上和人校注・訳『仮名草子集』新編日本古典文学全集64、小学館、平成11年。
◎ 深沢秋男・菊池真一編『仮名草子研究文献目録』和泉書院、平成16年。
◎ 深沢秋男・菊池真一編『仮名草子研究叢書』全8巻クレス出版、平成18年。
■仮名草子研究文献目録 → http://www.ksskbg.com/kana/index.html

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