『漢字・カタカナ・ひらがな――表記の思想』
入口敦志 著
2016年12月16日、平凡社発行
ブックレット〈書物をひらく〉2
A5判、90頁、定価1000円+税

【目次】

はじめに ……………………………………………………………   5

一 『古今和歌集』の意義 ………………………………………   7

万葉仮名からひらがなへ/『寛平御時后宮歌合』から『新撰万葉集』へ
『新撰万葉集』が勅撰だったら/『古今和歌集』の背景
漢字文化圏の民族固有文字/固有文字の制定/仮名序と真名序
漢文と和文の表現の違い/仮名序の意義/『土佐日記』の自筆本と写本
貫之自筆本『土佐日記』のかたち/自筆本の大きさと写本の小ささ

二 四つの『平家物語』 …………………………………………  26

真名本/和漢混交文/文選読み/規範としての中国
カタカナ本とひらがな本/ローマ字本

三 医学書の表記 …………………………………………………  36

江戸時代以前の医学用語/『解体新書』の表記/日本における医学書
『済民記』/曲直瀬玄朔という人/『延寿撮要』/『済民記』との違い
ひらがなの位置づけ/『延寿撮要』のその後/『延寿撮要』の持つ違和感
楷書とひらがなの組み合わせ/最初期の印刷物
仏教からの出版の解放/古活字版の時代/活字印刷と固有文字
名前を伏す/三つめの違和感/天皇のお墨付き
『延寿撮要』出版の切り開いたもの/漢文の呪縛/呪縛からの解放

四 山鹿素行から本居宣長へ ……………………………………  65

山鹿素行/歌学との決別/学問とは何か/綺語としての歌学
ことばそのものの探究へ/白話の重視/本居宣長/もののあはれ
儒教・仏教の否定

おわりに ……………………………………………………………  82

あとがき …………………………………………………………  86

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
著者
入口敦志(いりぐち あつし)
1962年、福岡県生まれ。九州大学大学院文学研究科
博士課程退学。博士(:丈学)。現在、国文学研究資料
館准教授。専攻、江戸時代前期の学芸の研究。著書に、
『武家権力と文学――柳営連歌、『帝鑑図説』』(ぺりか
ん社、2013年)、論文に、「描かれた夢――吹き出し
型の夢の誕生」(『夢見る日本文化のパラダイム』、法
蔵館、2015年)、「古活字版の黎明――相反する二つ
の面」(『アジア遊学』184号、2015年)、「日光束照宮
正面唐門彫刻小考」(『大日光』84号、2014年)など
がある。

田中 宏著『仮名草子の文学的研究』

2016.01.18 Monday

■田中 宏著『仮名草子の文学的研究』刊行

田中宏氏の論文集『仮名草子の文学的研究』が刊行された。2016年1月1日、
人間の科学新社発行。A5判506頁、定価4600円+税。上製本箱入り。
このデータを見て、まず、定価の安さを思う。自分の論文集ゆえ、できるだけ
多くの読者に読んで欲しい、そのような著者の考えから設定された定価であろう。
頭の下がることである。

内容は、次の通り。

目 次

はじめに …………………………………………………  3

第1章  お伽草子から仮名草子へ …………………  11
 1、『三人法師』論 …………………………………  15
 2、『恨の介』論 …………………………………… 48
 3、『露殿物語』の人間像 …………………………  79

第2章  仮名草子――笑いと諷刺の世界―― ……… 117
第1節 『竹斎』の研究 …………………………… 121
1、 仮名草子『竹斎』 …………………………… 121
2、 『竹斎』と『伊勢物語』 …………………… 149
3、 『竹斎』――作品の魅力―― ……………… 187
第2節 「竹斎本」の研究 …………………………… 211
『竹斎療治之評判』論 …………………… 211

第3章  もじりと座談の世界 ………………………… 249
 1、『犬枕』論 ……………………………………… 253
 2、『醒睡笑』論 …………………………………… 311
 3、『仁勢物語』研究(上・中・下) …………… 351

第4章  仮名草子から浮世草子へ …………………… 443
 1、『醒睡笑』と『本朝桜陰比事』 ………………… 447
 2、『本朝桜陰比事』論
    ――森銑三氏の御論に関して―― …………… 468

あとがき …………………………………………………… 491

索引(人名・書名・主要事項) ………………………… 496

著者の田中宏氏は、法政大学時代の同期である。卒業論文に仮名草子の『竹斎』を選んだ。私は、同じ仮名草子の『可笑記』を選んだ。そんな関係で、お互いに仮名草子を核として、今日まで研究してきた。その田中氏の第一論文集が刊行されたことは、誠に慶賀すべきことである。
それと同時に、このところ、古典文学が軽視される風潮の中で、その中でも特に地味な仮名草子の研究書が出版されたことは、クリーンヒットである。特に、仮名草子は、文学的評価においては、余り高くない。そのような状況の中で、お伽草子 → 仮名草子 → 浮世草子 の文学史の流れを的確に、真摯に、情熱的に取り組んでこられた田中氏の論文の一部分が著書としてまとめられたことは、注目に値する。

■ 田中宏氏『仮名草子の文学的研究』 写真

『近世初期文芸』 の書誌情報

『近世初期文芸』 の書誌情報
2016.11.14 Monday

●私たちが、学術論文の発表の場として出した、『近世初期文芸』は、
創刊から、27年になる。創刊の頃は、タイプ印刷だった。現在では、
ネット社会となり、原稿もパソコンで執筆し、図書館からは、デジタル
情報として、全世界へ発信され、また保存されている。発行の当事者
としては、感謝、感謝である。
●本日、この雑誌の書誌情報を検索したら、以下の通りだった。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

国立国会図書館

近世初期文芸の書誌情報[表示]
書誌情報
詳細レコード表示にする
永続的識別子
info:ndljp/pid/6054593
タイトル
近世初期文芸. (6)
出版者
近世初期文芸研究会
出版年月日
1989-10
ISSN
0914-7934
請求記号
Z13-3871
書誌ID(NDL-OPACへのリンク)
000000069079
公開範囲
国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
詳細レコード表示にする
……………………………………………
近世初期文芸の書誌情報[表示]
書誌情報
簡易レコード表示にする
資料種別 (materialType)
Journal
タイトル (title)
近世初期文芸
タイトルよみ (titleTranscription)
キンセイ ショキ ブンゲイ
巻次、部編番号 (volume)
(6)
巻次、部編番号よみ (volumeTranscription)
19890010
著者標目 (creator:NDLNA)
近世初期文芸研究会
巻次・年月次 (volumeRange)
[1号 (昭和44年12月)]-
出版地 (publicationPlace)
川崎
出版者 (publisher)
近世初期文芸研究会
出版者よみ (publisherTranscription)
キンセイ ショキ ブンゲイ ケンキュウカイ
出版年月日 (issued)
1989-10
出版年月日(W3CDTF形式) (issued:W3CDTF)
1989-10
フォーマット(IMT形式) (format:IMT)
image/jp2
容量・大きさ (extent)
冊 ; 25-26cm
内容記述 (description)
国立国会図書館雑誌記事索引 (通号: 13) 1996.12~
本タイトル等は最新号による
休刊: 1974-1987
[1号 (昭和44年12月)]-
出版地の変更あり
刊行頻度 (publicationPeriodicity)
年刊
前の巻(永続的識別子) (preview:NDLJP)
info:ndljp/pid/6054592
次の巻(永続的識別子) (next:NDLJP)
info:ndljp/pid/6054594
上位資料(永続的識別子) (isPartOf:NDLJP)
info:ndljp/pid/6086062
原資料(日本全国書誌番号) (sourceIdentifier:JPNO)
00074684
永続的識別子 (identifier:NDLJP)
info:ndljp/pid/6054593
ISSN (identifier:ISSN)
0914-7934
Linking ISSN (identifier:ISSNL)
0914-7934
URL (identifier:URI)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/6054593
NDL請求記号 (callNumber)
Z13-3871
原資料のNDL書誌ID (sourceIdentifier:NDLBibID)
000000069079
NDLC (subject:NDLC)
ZK22
言語(ISO639-2形式) (language:ISO639-2)
jpn
刊行状態 (publicationStatus)
継続刊行中
コレクション情報 (type:collection)
雑誌
所蔵事項 (holdingIssues)
4号 (昭和63年3月)-
デジタル化出版者 (digitizedPublisher)
国立国会図書館
デジタル化日(W3CDTF形式) (dateDigitized:W3CDTF)
2011-03-31
提供者 (provider)
大規模デジタル化(雑誌5)
提供制限 (accessRights)
国立国会図書館/図書館送信限定公開
公開範囲 (rights)
国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
階層レベル (type:biblevel)
2
サムネイルURL (thumbnailUrl:thumbnailUrl)
http://dl.ndl.go.jp/titleThumb/info:ndljp/pid/6054593
サムネイルファイル名 (thumbnailFileName:thumbnailFileName)
000000069079_19890010thumb.jpg
作成者典拠ID (creator:NDLNAId)
00776368
出版地(国名コード) (publicationPlace:ISO3166)
JP
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

発行社情報(雑誌新聞総かたろぐ掲載社)
2016/06/03更新
発行社名 近世初期文芸研究会
郵便番号 213-0026
住所 川崎市高津区久末1686
電話番号 044-431-0650
URL http://www.ksskbg.com/

田村哲三 著 『カナル 利根運河』

田村哲三 著 『カナル 利根運河』

2016年11月3日、田村哲三 発行
B6判、192頁、頒価 700円
270-0115 流山市江戸川台西 1-57-3

本書は、倒産寸前にあった会社を救い、
利根運河を完成に導いた男の熱き戦いまの物語である。

目次

プロローグ ………………………………………………  5
第1章 利根運河会社との出会い …………………… 12 
第1章 利根運河会社の社長に就任 ………………… 80
第1章 利根運河会社株の売買中止事件と会社の危機120
第1章 利根運河の完成 …………………………… 149
エピローグ ………………………………………………176

あとがき …………………………………………………187

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

著者

田村哲三(たむら てつぞう)

1938年 茨城県つくば市生まれ
1957年 誠文堂新光社入社
    主に営業、広告宣伝、マーケティング部門を担当
    誠文堂新光社、博文館新社、法学書院で営業代表歴任
現在  NPO流山史跡ガイドの会副理事長、郷土史研究家、著述家
 
著書  利根運河を完成させた男― 二代目社長・志摩万次郎伝
    (崙書房出版)
    近代出版文化を切り開いた出版王国の光と影―博文館興亡六
    十年(法学書院)
    史跡ガイド物語(江南文学)
    グッド・モーニング誌に「身近な史跡めぐり」連載中
         
共著  出版広告必携(日本エディタースクール)
    書籍出版のマーケティング―いかに本を売るか
    (出版ニュース社)

現住所 千葉県流山市江戸川台西1-57-3

宗田 實 著 『東北方言と日本語の祖先』

『東北方言と日本語の祖先』
        宗田 實 著
     2016年10月20日 八朔社発行
     A5判、270頁、定価 3800円+税

目次

序文 刊行にあたって ………………… 池田光則 ………  3                      

はしがき …………………………………………………………  6

第一章 ビッキ(蛙)のルーツ――置賜方言から
              日本語の祖先を探る………… 15
 1 はじめに 
 2 日本語の系統と生成――これまでの学説 
 3 アイヌ語と日本語 
 4 アイヌ語と置賜方言 
 5 人類学・考古学の最近の成果から見た日本人の祖先 
 6 むすび 

第二章 アイヌ語で解く地名の謎――鈴木 健『縄文語の発掘』
                 を読んで……………… 26
 1 縄文語ってなんだろう 
 2  地名の謎スッキリ 
 3 「たんこぶ」はアイヌ語だ 
 4 思い出の地名――おもに福島県南地方からの検証
 5 塙と花輪
 6 山形県長井市からの検証
 7 むすび

第三章 山形方言と日本語の祖先――アイヌ語的語彙
        を通してかいま見る………………………… 41

 1 はじめに
 2 タッペ・タンペ(唾)
 3 アクト・アぐど(かかと)
 4 ぼぼ・ぺぺ、チンポコ・チンポ、カーペ(皮)
 5 チチ(乳)、テ(手)、ホネ(骨)
 6 ワッカ(水)、ユ(湯)、チシ(家)、マぎリ(小刀)
 7 むすび
 
第四章 上代「あはれ」考……………………………………… 50

 1 はじめに
 2 av‐alamとあはれ
 3 上代「あはれ」の展開
 4 むすび 

第五章 ムガサリ(婚礼、花嫁)再考………………………… 72

 1 はじめに 
 2 ムガサリの意義と旧説 
 3 旧説の批判 
 4 ムガサリの語原 
 5 展望――韓国語と日本語 

第六章 山形方言の形容詞〈~カ〉語尾、〈~サ〉語尾の由来
   ――〈ウガイ〉〈トガイ〉〈モゴサイ〉〈トトサイ〉を中心に
                 …………………………… 85

 1 はじめに―問題の所在 
 2 九州地方における力語尾形容詞――語尾イ、カ、サの地域差 
 3 琉球列島におけるサ語尾形容詞 
 4 形容詞語尾イ、カ、サの分布と歴史的順序 
 5 当該形容詞の語幹をどうとらえるか 
 6 むすび 

第七章  ハッタギ(ばった、いなご)の語誌とその周辺
      ――アイヌ語の東北方言への影響 ………… 116

1 はじめに――ハッタギは原日本語か?                     
2 日本列島とエミシ、エゾ、アイヌ 
3 北海道・東北地方におけるアイヌ語的地名とハッタギの分布 
4 アイヌ語はどういう言語か 
5 アイヌ語の東北方言への影響 
6 総括――日本語の系譜とアイヌ語、朝鮮語 

引用・参考文献………………………………………………… 255

あとがき………………………………………………………… 263

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

[著者略歴]

宗田 實(そうだ・みのる)
1936年 福島県棚倉町に生まれる。
1959年 福島大学経済学部卒業。
 マルコン電子㈱(山形県長井市),東芝キャパシター
                (Malaysia)勤務。
 退職後,東南アジアからの移住者への日本語教室,地域の人々への英語教室などのボランティア活動にたずさわる。

主な著書・論文
「明治前期山形県西置賜地方における商人資本の土地集積過程」『地方史研究』所収,小宮山書店,1968年。
翻訳『英国競馬の社会経済史』Wray Vamplew, 日本中央競馬会,1986年。
 『おじいさんのえんぴつ』Michae1 Foreman,
  絵本翻訳コンクール入選,
  山形県游学館,1996年。
現住所 〒993-0016 山形県長井市台町1-13-11

■自著を語る■(2016年11月改訂) 【2】

■自著を語る■(2016年11月改訂) 【2】

【50】仮名草子研究叢書 第1巻  共編
A5判、426頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編。

第1巻 雑誌論文集成(一) 目次

高野 斑山 徳川初世の名所記                     
三浦 周行 後光明天皇の御好学と朝山意林庵  
此花社同人 江戸出版の仮名草紙
水谷 不倒 仮名草子の挿絵と雛屋立圃
林若樹ほか 輪講 東海道名所記
島津 久基 御伽・仮名・舞の草子
山本 秀煌 切支丹文学の一班
石田 元季 初期の仮名草紙作者殊に如儡子に就きて
林若樹ほか 輪講 あづまものがたり
田中 喜作 師宣の初期絵入本に就て
新 村 出 伊曽保漫筆
新 村  出 影模蘭文古版絵入伊曽保物語の断簡
久保 天隨 翦燈新話に就いて
潁原 退蔵 近世文学選釈 一 恨の介
田中 浩造 伽婢子の翻案態度
潁原 退蔵 近世文学選釈 二 尤の双紙
北条 秀雄 浅井了意の生涯
森  銑 三 可笑記の著者如儡子は何人か
潁原 退蔵 近世文学選釈 三 東海道名所記
潁原 退蔵 仮名草子の発生に関する一考察
潁原 退蔵 近世文学選釈 四 可笑記
北条 秀雄 浅井了意の自筆願書
潁原 退蔵 近世文学選釈 五 元の木阿弥物語
城戸甚次郎 緑蔭比事
潁原 退蔵 近世文学選釈 六 たきつけ草・もえく
      ひ・けしずみ 
天野佐一郎 石平道人の墓
木村 捨三 複製木版の工作過程に就て─特に岡田希
      雄さんに呈す─
大越 長吉 仮名草子研究序説─主として、その擬物
      語を中心とせ─
岡井 慎吾 石平道人鈴木正三が神として祀られて居
      る
佐藤 鶴吉 近世文学の註釈に就いて
潁原 退蔵 近世文芸の註釈的作業
野村 八良 尤の草子

【51】仮名草子研究叢書 第2巻  共編
A5判、454頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編
                                   
第2巻 雑誌論文集成(二) 目次
                      
宇佐美喜三八 伽婢子に於ける翻案について
重 友  毅 近世小説研究史略
頼 桃三郎 『難波鉦』の地位
朝田祥次郎 仁勢物語成立に就いての私見
安部 亮一 「可笑記」覚書
岡本新太郎 「醒睡笑」と裁判物
長沢規矩也 「怪談全書」の著者について
熊 谷  孝 仮名草紙小論
市古 貞次 艶書小説の考察
後藤 丹治 お伽草子と後代文学
杉浦正一郎 「犬枕」に就いて
斎藤 護一 江戸時代に於ける支那小説翻案の態度
潁原 退蔵 近世怪異小説の一源流
長沢規矩也 「怪談全書」著者続考
片岡 良一 仮名草子の輪郭
野田 寿雄 浮世物語の意義
暉峻 康隆 仮名草子の文芸性
鶴 見 誠 名所記概説─名所観に及んで─
波多郁太郎 醒睡笑の研究
岡田 希雄 東海道名所記について─製作年時および
      京童との関係など─
市古 貞次 「仮名草子」の意味
野田 寿雄 仮名草子の世界
市古 貞次 仮名草子の恋愛と死
中村 幸彦 安楽庵策伝とその周囲
麻生 磯次 近世小説
暉峻 康隆 近世小説様式論
朝倉 治彦 読後所見 策伝宛光広の書簡
水田 紀久 可笑記の著者について
松 田  修 日州漂泊野人の生涯
関山 和夫 御咄の衆の事
鵜 月  洋 近世における小説論 ─展望と評論─
松 田 修 変  身
小 野 晋 近世初期評判記略年表
関山 和夫 木下長嘯子と安楽庵
寺 谷  隆 仮名草紙に於ける庶民教化の一断面
横 山 重 活字本、絵入本、色彩の本
市古 貞次 近世初期小説の一性格
中村 幸彦 仮名草子の説話性

雑誌論文集成 解説 菊池真一

【52】仮名草子研究叢書 第3巻  共編
A5判、604頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編
                                    
第3巻 単行本記述集成(一)  目次

水谷不倒・坪内逍遥 『近世 列伝躰小説史』上巻 
     第一章 徳川文学の起源
     第二章 仮名草子
坂本 健一 『近世俗文学史』
     第一 総 叙
     第二 前 期
藤岡作太郎 『近代小説史』
     総 論 江戸時代の風尚と時代の分割
     第一編 仮名草紙の時代
津田左右吉 『文学に現はれたる我が国民思想の研
      究』
     第二巻 武士文学の時代 第三篇 武士文
      学の後期
          
     第三巻 平民文学の時代 上 第一篇 平
      民文学の隆盛時代

【53】仮名草子研究叢書 第4巻  共編
A5判、624頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編
                                    
第4巻 単行本記述集成(二) 目次

藤井 乙男 『江戸文学研究』
     江戸文学概観、江戸初期の三教一致物語、
     仮名草紙の作者、鈴木正三、禅僧と小説、
     藻屑物語と男色義理物語、支那小説の翻訳、
     松永貞徳の父祖について、むもれ木、歌舞
     妓草子
藤岡作太郎 『国文学史講話』江戸時代
藤 村 作 『上方文学と江戸文学』武士生活と町人
     生活
高須芳次郎 『日本近世文学十二講』
     第二講 文芸復興期前の文学
鈴木 敏也 『改訂 近世日本小説史 
          啓蒙から歓楽への文芸』
     序論 近世小説の背景、第一編 仮名草子
     の時代
水谷 不倒 仮名草子研究

【54】仮名草子研究叢書 第5巻  共編
A5判、614頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編

第5巻 単行本記述集成(三) 目次

石 川  巖 元禄以前の花街文学
山 口 剛 『怪談名作集』解説                                     
石田 元季 『江戸時代文学考説』
山 口 剛 怪異小説研究
新 村 出 南蛮文学概観
笹川 種郎 『仮名草子集』解題
高野 辰之 『江戸文学史』部分
水谷 不倒 『新撰 列伝体小説史 前編』部分 
山 崎 麓 『日本小説書目年表』

【55】仮名草子研究叢書 第6巻  共編
A5判、522頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編

第6巻 単行本記述集成(四) 目次

笹川 種郎 『近世文芸史』上方の小説                                      
藤井 乙男 『江戸文学叢説』浅井了意、お茶物語
鈴木 暢幸 『江戸時代小説史』
     第一編 江戸時代小説の特質
     第二編 各種小説の概観
     第三編 京阪中心期の小説
長沢規矩也 『江戸地誌解説稿』
潁原 退蔵 仮名草子
鈴木 行三 『戯曲小説 近世作家大観』第一巻
潁原 退蔵 『日本文学書目解説(五)
       上方・江戸時代』
山 口 剛 怪異小説研究
藤井 乙男 仮名草子の研究
宮川 曼魚 咄本の研究
次 田  潤 『国文学史新講』仮名草子
潁原 退蔵 仮名草子の三教一致的思想について

【56】仮名草子研究叢書 第7巻  共編
A5判、496頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編
                                    
第7巻 単行本記述集成(五) 目次

近藤 忠義 『近世小説』
暉峻 康隆 『江戸文学辞典』
     凡例、江戸小説概観、仮名草子 
片岡 良一 『近世前期の文学』
暉峻 康隆 『文学の系譜』仮名草子の文芸性
潁原 退蔵 『江戸文芸』

【57】仮名草子研究叢書 第8巻  共編
A5判、518頁、2006年2月25日、クレス出版発行、全8巻セット定価85000円。菊池真一氏と共編
                                    
第8巻 単行本記述集成(六) 目次

守随 憲治 仮名草子と生活文化
深沢 正憲 烏丸光広伝 附作品解説
井浦 芳信 古活字本「竹斎」の研究
      ─仮名草子における流動性
深沢 正憲 目覚し草(翻刻)解説
宮尾 重男 『近世笑話文学』天和年間~元和年間
暉峻 康隆 『日本の書翰体小説』
第三章 書翰体小説の源流
第四章 形式的完成
重 友  毅 『近世文学の位相』
     第一篇 近世文学の概観
     第三篇 方法論上の諸問題
麻生 磯次 『江戸文学と支那文学』総説
     前篇 第一章 怪異小説に於ける影響             
次 田  潤 『日本文学通史』仮名草子と浮世草子
藤井 乙男 『近世小説研究』
一、 江戸時代の小説概観
二、 元禄時代の京都小説家
三、 浅井了意

単行本 解説 深沢秋男

●仮名草子の先学の研究の主要な文献を複製して収録したものである。発行に当たって出版社の宣伝パンフレットの内容は次の通り。これは私が執筆し、菊池氏がチェックしたもの。

 近世初期の約八十年間に書かれ、多くは出版された散文文芸の総称が仮名草子である。「仮名草子」の命名者は水谷不倒(弓彦)である。水谷は、東京専門学校(早稲田大学の前身)での講義録を著し、続いて、『近世 列伝躰小説史』を出版、さらに『新撰 列伝体小説史 前編』を出して、この中で仮名草子について論じた。近代的な研究も水谷不倒によって拓かれた、と言ってもよいだろう。
 もちろん、水谷不倒のみが、仮名草子の研究を進めてきた訳ではない。昭和二十年代以前に限ってみても、朝倉治彦・麻生磯次・石田元季・市古貞次・井浦芳信・潁原退蔵・片岡良一・近藤忠義・重友毅・新村出・鈴木行三・鈴木敏也・鈴木暢幸・関山和夫・高野辰之・暉峻康隆・長澤規矩也・中村幸彦・野田寿雄・深沢正憲・藤井乙男・藤岡作太郎・藤村作・北条秀雄・松田修・山口剛・山崎麓等々、多くの先学の努力が積み重ねられてきた。その研究論文・研究書と作品名の全貌は、『仮名草子研究文献目録』(深沢・菊池編、二〇〇四年、和泉書院)によって知る事ができる。
 仮名草子作品の数も、昭和三十年頃までは二百点足らずであったが、その後の研究によって、現在は三百点以上になっている。このようにみる時、仮名草子研究は活発に行われてきたように思われるが、明治以後昭和二十年、つまり、近代的な研究が始まってから、第二次世界大戦終結までの約四十年間に書かれた論文は一二〇点余に過ぎない。年間平均三論文という状況であった。
 戦後の研究は、昭和二十二年の野田寿雄の「仮名草子の世界」(『国語と国文学』7月)から始まるが、二十二年から三十五年までの十四年間に七十四論文という低迷が続いた。ところが、三十五年から七年にかけて、野田寿雄の日本古典全書『仮名草子集(上下)』が刊行されて、研究は活発化してきた。
 『仮名草子研究叢書』は、雑誌論文は、昭和二十九年以前のものを全二巻に収録し、単行本は昭和二十年以前のものを全六巻に収録したものである。
 近年の仮名草子研究は、細分化され、緻密な論文が多い。しかし、明治以降の先学の遺された研究が全く通用しなくなった訳ではない。むしろ、このように細分化され、微視的な傾向にある現在にこそ、明治以来の研究を振り返り、巨視的な観点から、仮名草子を見直し、先人の研究を吸収して、新たな研究の
出発点にすべきではないかと考える。本叢書を刊行する所以である。

●平成16年12月、朝倉治彦先生から、この叢書の編纂を依頼され、私もかねがね、必要な事だと考えていたのでお引き受けした。ただ、実際に作業に入ってみると、かなりの労力を要する事がわかった。そこで、菊池真一氏の協力を頂く事にして実現したものである。収録内容に関しては、様々な制約があり、希望通りにゆかなかった部分も少なくない。それらの諸点については、今後の若い研究者に任せる事にして、一応出版することにした。
●この叢書に収録した先学の論文や単行本を、改めて目を通すと、私達は偉大な研究者の学恩を頂いて、ここまできたが、果たして、どこまで吸収消化できたのであろうかと、感謝と共に反省の念が強い。私個人としては、近藤忠義・重友毅・長澤規矩也・小田切秀雄の諸先生には法政大学で教えて頂いた。横山重・野田寿雄・朝倉治彦の諸先生には、仮名草子に関して多大の御指導を賜った。中村幸彦先生には九州大学で、野間光辰先生には京都大学で、井浦芳信先生には昭和女子大学で、諸本調査などの折に、それぞれお導きを頂いた。若い頃には暉峻康隆先生にも教えて頂いた。水谷不倒・山口剛・北条秀雄・麻生磯次・石田元季・市古貞次・潁原退蔵・片岡良一・新村出・鈴木行三・鈴木敏也・鈴木暢幸・関山和夫・高野辰之・深沢正憲・藤井乙男・藤岡作太郎・藤村作・山崎麓等々、論文や著書を通して多くを学ばせて頂いた。この叢書を編纂することで、仮名草子研究を振り返る事ができて感謝している。

【58】仮名草子集成 第39巻  共編
A5判、320頁、2006年3月15日、東京堂出版発行、定価17500円+税。菊池真一氏・和田恭幸氏と共編。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第三十九巻
 若輩抄(写本、1冊)
  解題
 聚楽物語(寛永17年5月板、3巻3冊)  
   巻上、巻中、巻下
  解題              
 死霊解脱物語聞書(元禄3年11月板、2巻2冊)     
   上、下
  解題              
 (影印)
 女訓抄(古活字版、寛永14年3月刊、中巻欠、
     上下2冊存)
  解題
書林の目録に見る了意の作品(5)(朝倉治彦執筆)
正誤・追加(朝倉治彦執筆)
写真

●『仮名草子集成』は朝倉治彦先生の始められたもので、仮名草子作品を網羅的に集成しようという大きな計画である。第1巻は昭和55年5月12日発行、初めのうちは文部省の出版助成を受けていたが、途中から軌道に乗って、いわゆる普通の出版形態になった。朝倉先生は、第38巻まで継続刊行してこられたが、第39巻から、新体制で継承することになった。
●朝倉先生より、本集成の継続を依頼されて、突然の事であったが、今後、10年は続けなければならない点を考え、朝倉先生と相談しながら、新体制を立ち上げた。菊池真一氏・花田富二夫氏と私の3名を編集責任者として、若い仮名草子研究者に協力してもらう事にした。この体制で、朝倉先生の計画を完結させたいと思った。

【59】仮名草子集成 第41巻  共編
A5判、238頁、2007年2月28日、東京堂出版発行、定価17500円+税。花田富二夫氏・入口敦志氏・菊池真一氏・中島次郎氏と共編。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第三十九巻
 新語園(天和2年2月板、10巻10冊)(承前)
   巻之六、巻之七、巻之八、巻之九、巻之十
  解題
 十二関(写本、1冊)  
  解題              
 衆道物語(寛文元年板、2巻2冊、絵入)     
   衆道物語上、衆道物語下
  解題              
 親鸞上人記(延宝板、2巻1冊)
   巻之上
   巻之下
  解題
写真

【60】仮名草子集成 第42巻  共編
A5判、336頁、2007年7月25日、東京堂出版発行、定価17500円+税。伊藤慎吾氏・入口敦志氏・花田富二夫氏と共編。

目 次
  例 言
  凡 例

四しやうのうた合(無刊記古活字版、二冊、無彩色本)
  上
 解題
四十二のみめあらそひ(写本、一冊)
 解題
水鳥記(寛文七年五月中村五兵衛板、二巻二冊、絵入)
  上、下
 解題
水鳥記(松会板、三巻三冊、絵入)
  巻之上、巻之中、巻之下
 解題
杉楊枝(延宝八年板、六巻六冊、絵入 〔巻四〕元禄十六年板、六巻六冊、絵入)
  巻一、巻二、巻三、巻四、巻五、巻六
 解題
写真

【61】浅井了意全集 仮名草子編・1 共編
    浅井了意全集刊行会 編
平成19年(2007年)8月 岩田書院発行
A5判 498頁、15000円+税

浅井了意全集刊行会 編
本巻責任編集:岡雅彦
翻刻・解題担当:小川武彦・湯浅佳子・深沢秋男

目 次
刊行のことば 
凡  例 
収録書目細目 
堪忍記 …
孝行物語 
浮世物語 
浮世ばなし 
解  題 

【62】旗本夫人が見た江戸のたそがれ 井関隆子のエスプリ日
2007年11月20日・文藝春秋 発行
文春新書・606、232頁、定価730円+税
深沢秋男 著

目 次

  はじめに  

第一章 旗本夫人の批評眼――心の風景と幕末の記録  
  一 鹿島則文と桜山文庫
    蔵書家の数奇な生涯 三万冊の珍籍奇冊
  二 血縁なき家族との暮らし
    隆子の離婚と再婚 恵まれた家計
  三 活き活きとした主婦の記録
    多岐にわたる筆先 旺盛な批判精神 情報が集まる環境
    書かねばならぬ日記へ

第二章 江都有情――武士と町人の生活  
  一 井関家の四季
    九段坂下の屋敷 鹿屋園の庵主 豪華な元旦の拝領物 
    愛酒家の月見 花見の趣向 絶好の酒肴 四谷の実家の復興
  二 江戸の風俗・風聞
    将軍上覧の天下祭 改革下の神田祭 両国の川開き 
    盛大なる佃島の花火 浅草の「眼力太夫」 平将門の首を拝む
    永代寺の陰間
  三 江戸の事件簿
    イ 旗本心中事件
      思わぬ人違い 一線を越える 心中決行の暁
    ロ 品川心中事件
      冤罪・騙り・恨み 江戸詰め侍の女遊び 女の裏切り
      幽霊登場 落語の原話か
    ハ 余聞・風聞
      上総のふたなり 長安寺の好色僧

第三章 天保の改革――衰退する統治力  
  一 迷走する改革
    書かずにおれない三方所替 出羽の駕籠訴 出羽の山伏 三方所替の
    中止 家斉没日の謎 家斉側近の罷免 大奥も粛清 三佞人の評判 
    寄合に降格された人々 天保の改革、発令さる 二宮尊徳の印旛沼工
    事 氏栄の左遷 燃える土 工事が中止に 上知令に不満続出 将軍
    の真意 忠邦への反発 利で行えば恨み多し 
  二 日光東照宮への長い道のり
    将軍、最後の参詣 葬式用具を持参 演習の見物衆 将軍家慶、出発
    す 社参の意義
  三 水野忠邦批判
    賄賂を求める人物 八王子村のいざこざ 隆子の小説のモデル 罷免
    に世間は歓呼 忠邦の返り咲き
   
第四章 江戸城大奥――エリート官僚は見た!  
  一 中奥と大奥をつなぐ御広敷
    大奥トップ事務官・井関親経 御用人拝命 名代で京に出張 莫大な
    出張手当て 大名並みの旅立ち うるわしの上方土産
  二 将軍家斉の素顔
    植物愛好家 九段坂上の火除け地 権勢ふるう中野碩翁 同性愛の殿
    様たち 大奥に粛清の嵐 家斉の没日は? 幕府の公式記録 奥医師
    の大失態 家斉の葬儀 あやしい徳川正史
  三 将軍家慶の心持ち
    猿楽愛好家 家慶夫人の没日 日蓮宗批判 養女を歓待
  四 家定夫人の謎
    正夫人の実父 光格天皇の崩御 有姫の縁組 有姫の実父は誰か
  五 江戸城、炎上す
    早朝の出火 大慌ての大奥 早い火の廻り 黄金白銀も焼失 出火元
    と死体の始末 家定の見舞い品

終 章 井関隆子という自我――近代の眼差し  
  一 確かな歴史意識と人間認識
  二 天保期の批評者
  三 豊かな学識と知性
  四 旺盛な好奇心と執筆意欲
  五 旗本夫人の気位と気品
  六 敬愛された母・祖母

  あとがき  
  井関隆子関連略年表  
  参考文献                                       
………………………………………………………………
はじめに
 歴史は新しい事実の発見によって修正を迫られる。そういう意味では、歴史は常に書き改められる運命にあるといっていいかも知れない。
私たちは、歴史上のさまざまの人物に出会ってきた。それと同時に全く知られていかった人物と出会うということも時としてある。
一つの資料の発見によって、今まで知られていなかった人物が歴史の上に登場することさえ有り得る。
 幕末期、江戸城に近い、九段坂下に一人の旗本女性がいた。井関隆子という。彼女は大変な読書家であり、絵も描き歌も詠み創作もしていた。しかし、何よりも彼女の存在を後世に伝えることになったのは、五年間にわたる膨大な日記であった。
この日記には、ちょうど天保の改革が行われた、天保十一年(1840)一月一日から十五年(1844)十月十一日までの江戸の様子が、生き生きと伝えられている。しかも、彼女の息子が御広敷御用人(大奥との連絡、事務処理などを行う役職で、その責任者)で、十一代将軍徳川家斉の正室・広大院(松の殿)の掛を長年勤めたという関係で、江戸城大奥の様子が詳細に伝えられることとなったのである。
この一人の女性の日記は、鋭い批評意識に貫かれ、しかも正確な情報に裏付けられており、この天保期の歴史に修正を迫るものを少なからずもっている。
(以下省略)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

●私は、研究目的以外の原稿は書かなかった。これは、恩師・重友毅先生のお教えに従ったのである。この本は、昭和女子大学を定年退職した時、執筆依頼をされた。もういいだろう、そう思って引き受けたのである。この本は、印税目当てに書いた、唯一の本である。売れるように、多くの人に読まれるように、そのように留意して原稿を書いた。書中、井関隆子を褒めすぎて、読者から厳しいコメントを頂いた。2007年11月20日第1刷、2008年4月25日第6刷発行。2008年の1月1日の文藝春秋社の社告に入れられた。私にとっては、夢のような出来事だった。

【63】斎藤親盛(如儡子)伝記資料
  2010年10月25日、近世初期文芸研究会発行、非売品

 目 次

一、はじめに                      
二、子孫の記録――『世臣伝』・『相生集』の記述―― 
 イ、『世臣伝』の記述
 ロ、『相生集』の記述
三、斎藤親盛(如儡子)出生の地・酒田 
 イ、初代・斎藤光盛
 ロ、二代・斎藤広盛                  
  ①斎藤筑後守関係文書(年貢皆済状・棟札等)
   斎藤筑後関係地域一覧
  ②斎藤筑後守と酒田筑後町(記録・地図)
   1、明暦二年・酒田絵図
   2、元禄九年・酒田惣御町絵図
   3、亀崎惣絵図(元禄十年頃)
   4、元禄以後絵図
   5、近代酒田市街図等
 ハ、三代・斎藤親盛(如儡子)            
   1、はじめに
   2、酒田時代――最上家親に近侍――
     『徳川実紀』の記録
     最上家と斎藤家の関連年表
   3、酒田を離れて以後の親盛
四、斎藤家の菩提寺・松岡寺とその墓所                
 イ、神龍山松岡寺
 ロ、斎藤家の墓所(第一次改葬、第二次改葬、現在の墓所)
五、斎藤家の過去帳・位牌                                                    
 イ、松岡寺過去帳 
   1、松岡寺過去帳・① 第二世・湛宗祖海編
   2、松岡寺過去帳・② 第四世・震宗水編
   3、松岡寺過去帳・③ 満願寺第十六世・大隈正光氏編
 ロ、松岡寺位牌
 ハ、斎藤家位牌
 ニ、斎藤家、過去帳・位牌の記録
六、斎藤親盛(如儡子)関係略年譜             
七、斎藤親盛(如儡子)の著作 

 あとがき 
  ◎斎藤親盛(如儡子)関係者生没一覧  (巻末) 
  ◎斎藤親盛(如儡子)関係系図     (巻末) 

●平成23年(2011)に、酒田市の上日枝神社境内に〔齋藤筑後守記念碑〕を建立することになった。その除幕式に集まる方々に差し上げるために、私からのプレゼントとして、この本をまとめた。如儡子・斎藤親盛の伝記研究は完了していないが、とりあえず、私家版として出したものである。
●〔パプ 高尾太郎〕のツイッターに、次のように書き込まれた。
「深沢秋男氏の『斎藤親盛(如儡子)伝記資料』は、すごい資料集だ。過去帳や位牌を丁寧に調査した結果の詳細な年譜、著作資料が付く。如儡子研究はこの一冊で大いに進展するんだけど、個人があたかも趣味のように作り、無償で配られている。研究って本来はこんなものなんじゃないだろうか。
7:23 – 2010年10月3日」

【64】浅井了意全集 仮名草子編・3 共編
    浅井了意全集刊行会 編
平成23年(2011年)5月 岩田書院発行
A5判 478頁、18800円+税

浅井了意全集刊行会 編
本巻責任編集:花田富二夫・土屋順子
翻刻・解題担当:深沢秋男

目 次

刊行のことば 

凡  例 

収録書目細目 

可笑記評判 

解  題 

●この本の本文作成も、解題も、全て私が担当した。この本文作成の段階で、パソコンの本体と、フロッピーのデータが全て消失する、というアクシデントが発生した。理由はわからないが、各大学のデータも消失するという現象があり、学生に注意を呼び掛けていた。とにかく、4巻分くらいの本文が消失して、大変な目にあった。

【65】仮名草子集成 第47巻  共編
A5判、260頁、2011年6月30日、東京堂出版発行、定価18000円+税。伊藤慎吾氏・入口敦志氏・花田富二夫氏・安原眞琴氏・和田恭幸氏と共編。

目 次
  例 言
  凡 例
  『假名草子集成』で使用する漢字の字体について

假名草子集成 四十七巻 

醍醐随筆(寛文10年板、2巻4冊)
  上、下 
 解題 
大仏物語(寛永21年板、2巻2冊) 
  上、下 
 解題 
沢庵和尚鎌倉記(万治2年板、2巻2冊、絵入)
  上、下 
 解題 
糺物語(明暦3年板、2巻2冊、絵入)
  上、下 
解題 
たにのむもれ木(写本、1冊) 
 解題 
竹斎東下(写本、1冊) 
 解題 

編者略歴 
写真

【66】 如儡子百人一首注釈の研究
   百人一首注釈書叢刊 別巻2 深沢 秋男著
     平成24年3月20日、和泉書院発行
     A5判、362頁、定価12000円+税
                        
口絵写真
 『砕玉抄』・『百人一首鈔』・『酔玉集』・『百人一首註解』
 『神龍山松岡寺過去帳』・斎藤家位牌

目次
  
はじめに ……………………………………………………………   ⅰ

  研究篇

第一章 研究史 ……………………………………………………   3
  第一節 田中宗作氏の研究 …………………………………   3
  第二節 田中伸氏の研究 ……………………………………   8
  第三節 野間光辰氏の研究 …………………………………  14
  第四節 島津忠夫氏・乾安代氏の研究 ……………………  17
 
第二章 諸本の書誌 ………………………………………………  29
  第一節 『砕玉抄』 …………………………………………  29 
  第二節 『百人一首鈔』 ……………………………………  33
  第三節 『酔玉集』 …………………………………………  37
  第四節 『百人一首註解』 …………………………………  41

第三章 諸本関係の分析 …………………………………………  45
 第一節 序説 ………………………………………………  45
一、はじめに ……………………………………………  45
二、著者・成立年・書写者 ……………………………  46
三、配列順序・使用古注釈 ……………………………  52
四、執筆意図とその特色 ………………………………… 56

 第二節 『百人一首鈔』と『酔玉集』 …………………… 62
一、 はじめに …………………………………………… 62
二、 『百人一首鈔』・『酔玉集』歌人配列対照表 …… 63
三、 『百人一首鈔』と『酔玉集』の本文異同 ……… 66
〔一〕 省略・脱落関係 …………………………… 66
〔二〕 漢字・仮名の異同 ………………………… 77
〔三〕 用字の異同 ………………………………… 82
〔四〕 仮名遣いの異同 …………………………… 84
〔五〕 その他の異同 ……………………………… 87
〔六〕 和歌の異同 …………………………………101
〔七〕 まとめ ………………………………………114
 
 第三節 『百人一首鈔』・『酔玉集』と『百人一首註解』………119
一、 はじめに ……………………………………………119
二、 京大本『百人一首註解』の書誌的問題点 ………120
〔一〕十七番歌・在原業平朝臣の脱文について …120
〔二〕配列について …………………………………122
三、乾安代氏の『百人一首註解』解説 …………………124
四、異同からみた『百人一首註解』の位置 ……………127
〔一〕序説について …………………………………127
〔二〕その他の異同について ………………………130
五、まとめ …………………………………………………127

 第四節 『砕玉抄』と『百人一首鈔』 ………………………140
一、はじめに ………………………………………………140
二、武蔵野美術大学美術館・図書館金原文庫所蔵本概要
       ………………………………………………140
三、 書名「砕玉抄」について …………………………141
四、 『砕玉抄』の歌人配列順序(折丁明細一覧)……141
五、 第七番歌、参議篁の歌 ……………………………146
六、 『砕玉抄』と『百人一首鈔』の関係 ……………149
七、 『砕玉抄』と『百人一首鈔』の異同 ……………150
  〔一〕 『百人一首鈔』の脱落・省略 ……………150
  〔二〕 『砕玉抄』の脱落・省略 …………………152
  〔三〕 その他の異同関係 …………………………152
八、 『砕玉抄』の位置 …………………………………156
       
第五節 まとめ ………………………………………………158
       
第四章 如儡子・百人一首注釈書の意義 …………………………161
第一節 百人一首研究の現状 ………………………………161
第二節 如儡子の百人一首注釈書 …………………………163
第三節 如儡子の百人一首注釈書の特徴 …………………165
一、 歌人配列の特異性 ………………………………165
二、啓蒙的執筆姿勢 ……………………………………166
三、如儡子的表現 ………………………………………171
     四、儒教的立脚地 ………………………………………174
   第四節 百人一首注釈書としての意義 ……………………176
       
  翻刻篇
                        
 『砕玉抄』(武蔵野美術大学美術館・図書館金原文庫所蔵)

  凡例 …………………………………………………………182
  序説 …………………………………………………………183
1 天智天皇御製 ………………………………………………186
2 持続天皇 ……………………………………………………189
3 柿本人丸 ……………………………………………………191
4 山辺赤人 ……………………………………………………194
5 中納言家持 …………………………………………………197
6 安倍仲麿 ……………………………………………………199
7 参議篁 ………………………………………………………201
8 猿丸太夫 ……………………………………………………205
9 中納言行平 …………………………………………………206
10 在原業平朝臣 ………………………………………………208
11 藤原敏行 ……………………………………………………210
12 陽成院御製 …………………………………………………211
13 小野小町 ……………………………………………………212
14 喜撰法師 ……………………………………………………218
15 僧正遍昭 ……………………………………………………219
16 蝉丸 …………………………………………………………223
17 河原左太臣 …………………………………………………225
18 光孝天皇御製 ………………………………………………227
19 伊勢 …………………………………………………………229
20 元良親王 ……………………………………………………230
21 源宗于 ………………………………………………………232
22 素性法師 ……………………………………………………233
23 菅家 …………………………………………………………235
24 壬生忠岑 ……………………………………………………237
25 凡河内躬恒 …………………………………………………239
26 紀友則 ………………………………………………………240
27 文屋康秀 ……………………………………………………241
28 紀貫之 ………………………………………………………242
29 坂上是則 ……………………………………………………244
30 大江千里 ……………………………………………………245
31 藤原興風 ……………………………………………………247
32 春道列樹 ……………………………………………………250
33 清原深養父 …………………………………………………251
34 貞信公 ………………………………………………………252
35 三条右太臣 …………………………………………………254
36 中納言兼輔 …………………………………………………256
37 参議等 ………………………………………………………257
38 文屋朝康 ……………………………………………………259
39 右近 …………………………………………………………260
40 中納言敦忠 …………………………………………………261
41 平兼盛 ………………………………………………………262
42 壬生忠見 ……………………………………………………263
43 謙徳公…………………………………………………………266
44 中納言朝忠 …………………………………………………268
45 清原元輔 ……………………………………………………269
46 源重之 ………………………………………………………271
47 曽祢好忠 ……………………………………………………272
48 大中臣能宣朝臣 ……………………………………………273
49 藤原義孝 ……………………………………………………274
50 藤原実方朝臣 ………………………………………………275
51 藤原道信 ……………………………………………………276
52 恵慶法師 ……………………………………………………277
53 三条院御製 …………………………………………………279
54 儀同三司母 …………………………………………………280
55 右大将道綱母 ………………………………………………282
56 能因法師 ……………………………………………………283
57 良■法師 ……………………………………………………284
58 西行法師 ……………………………………………………286
59 大納言公任 …………………………………………………288
60 清少納言 ……………………………………………………289
61 和泉式部 ……………………………………………………292
62 大弐三位 ……………………………………………………292
63 赤染衛門 ……………………………………………………294
64 紫式部 ………………………………………………………298
65 伊勢太輔 ……………………………………………………299
66 小式部内侍 …………………………………………………300
67 中納言定頼 …………………………………………………302
68 周防内侍 ……………………………………………………304
69 左京太夫道雅 ………………………………………………305
70 大納言経信 …………………………………………………306
71 大僧正行尊 …………………………………………………307
72 中納言匡房 …………………………………………………309
73 祐子内親王家紀伊 …………………………………………311
74 相模 …………………………………………………………312
75 源俊頼朝臣 …………………………………………………313
76 崇徳院 ………………………………………………………314
77 待賢門院堀川 ………………………………………………315
78 法性寺入道前関白大政太臣 ………………………………316
79 左京太夫顕輔 ………………………………………………317
80 源兼昌 ………………………………………………………318
81 藤原基俊 ……………………………………………………320
82 道因法師 ……………………………………………………322
83 藤原清輔 ……………………………………………………322
84 俊恵法師 ……………………………………………………324
85 後徳大寺左太臣 ……………………………………………325
86 皇太后宮太夫俊成 …………………………………………326
87 皇嘉門院別当 ………………………………………………328
88 殷冨門院太輔 ………………………………………………329
89 式子内親王 …………………………………………………330
90 寂蓮法師 ……………………………………………………331 
91 二条院讃岐 …………………………………………………332
92 後京極摂政前大政太臣 ……………………………………333
93 前大僧正慈円 ………………………………………………334
94 参議雅経 ……………………………………………………335
95 鎌倉右太臣 …………………………………………………336
96 正三位家隆 …………………………………………………338
97 権中納言定家 ………………………………………………339
98 入道前大政太臣 ……………………………………………340
99 後鳥羽院御製 ………………………………………………341
100 順徳院御製 …………………………………………………342
奥書 ………………………………………………………………343

あとがき …………………………………………………………347 

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
■著者紹介

深沢秋男(ふかさわ あきお)

昭和10年 山梨県に生まれる。
昭和30年 山梨県立身延高等学校卒業。
昭和37年 法政大学文学部日本文学科卒業。
昭和58年 昭和女子大学専任講師。助教授を経て教授となり、
      平成17年定年退職。
平成20年 昭和女子大学名誉教授。

主要編著書
 『可笑記評判』校訂(昭和45年12月25日、近世初期文芸研究会
  発行)
 『可笑記大成―影印・校異・研究―』共編著(昭和49年4月30日、
  笠間書院発行)
 『井関隆子日記』(全3巻)校注(昭和53年11月30日~昭和5
  6年6月5日、勉誠社発行)
 『桜山本 春雨物語』編(昭和61年2月25日、勉誠社発行)
 『仮名草子集成』(10巻~22巻、39巻~)共編(平成元年9月
  30日、平成18年3月15日~、東京堂出版発行)
 『井関隆子の研究』(平成16年11月1日、和泉書院発行)

●如儡子は、『徒然草』に倣って『可笑記』を書いた。続いて、『百人一首』の注釈に力を注いだ。如儡子研究を目指す私が、この労作の研究を避けることは出来ない。和歌の世界のことは、いわば、門外漢、なけなしの力を振り絞って、この著作の研究を続けた。
如儡子は、この注釈書の奥書で、
今、この百人一首の注釈を書き終えたが、「寔に、せいゑい、海をうめんとするにことならずや。」と記し、これに注を付けて、「せいゑいといふとり、草木のえだ葉などをもつて、大海をうめんとするなり。」
と記している。近世初期の、余り学問の無い庶民のために、精魂こめて書き上げたのである。島津忠夫氏も本書の意義を認めておられる。いずれ、50年500年の後には、「百人一首」注釈史の上で、評価されるものと、確信している。

【67】 仮名草子集成 第49巻  共編

   伊藤慎吾氏・入口敦志氏・中島次郎氏・柳沢昌紀氏と共編
           2013年3月30日,東京堂出版発行
           A5判 344ページ 18000円+税

目 次

  例 言
  凡 例
  『假名草子集成』で使用する漢字の字体について

假名草子集成 第四十九巻 

智恵鑑(万治3年板、10巻10冊、絵入)(承前) 
  巻第六     
  巻第七  
  巻第八 
  巻第九 
  巻第十 
  解題 …………………………………… 柳沢昌紀 

竹斎(寛永整版本、2巻2冊、絵入) 
  上巻 
  下巻 
  解題 …………………………………… 入口敦志 
寛文板『竹斎』全挿絵(寛文板、4巻4冊、絵入)
  解題 …………………………………… 中島次郎 
竹斎(奈良絵本、1冊、絵入)  
  解題 …………………………………… 中島次郎                    
長斎記(写本、1冊) 
  解題 …………………………………… 伊藤慎吾 

長者教(古活字版、1巻1冊) 
  解題 …………………………………… 伊藤慎吾  
長生のみかど物語(元禄8年板、1巻1冊)
  解題 …………………………………… 伊藤慎吾 

 第四十八巻『智恵鑑』(巻一~巻五) 正誤 …… 柳沢昌紀 

 編者略歴 
 写真   

【68】浅井了意全集 仮名草子編・5 共編
     平成27年(2015年)9月 岩田書院発行
     A5判 440頁、18800円+税  

浅井了意全集刊行会 編
本巻責任編集:深沢秋男・入口敦志・湯浅佳子
翻刻・解題担当:江本裕・花田富二夫・安原眞琴・渡辺守邦
        
  目 次
凡  例 …………………………………………………   2
収録書細目 ………………………………………………   7
 やうきひ物語 ………………… 安原眞琴 ………  15    
 伽婢子 ………………………… 渡辺守邦 ………  61
 狗張子 ………………………… 江本 裕 ……… 303
 解題 …………………………………………………… 421
やうきひ物語 ……………………… 安原眞琴
伽婢子 ……………………………… 花田富二夫
狗張子 ……………………………… 江本  裕

■ 平成28年、2016年までの、私の関与した編著書を整理した結果は、以上の通りである。私としては、あと、数冊まとめて出版する意思はあるが、それは、あくまでも、心の中のことである。ライフワークの1冊は、何としてもまとめたいと念じているが、これとても実現するか否か、わからない。
■ 私には、この外に、雑誌に書いた論文が70点くらいある。これらは、そのままでもよいと考えている。
                 平成28年(2016)11月1日

■自著を語る■(2016年11月改訂) 【1】

■自著を語る■(2016年11月改訂) 【1】

 自著と言っても、実際には編著・共編・校訂・校注・複製などもあるので、純粋に自分の著書ではない。ただ、長い間には種々様々な本を出し、その時その時に、多くの方々のお世話になったり、御配慮を頂いた事が少なくない。そんな事を備忘録も兼ねて整理しておきたいと思う。

【1】可笑記評判 (校訂)
A5判、278頁、和装、昭和45年12月25日、近世初期文芸研究会発行、非売品。発行部数122部。制作実費1部800円。
(1)凡例、(2)可笑記評判本文 巻一~巻十、(3)固有名詞索引、(4)章段数対照表・章段対照表、(5)振り仮名・漢字一覧、(6)書誌、(7)口絵(東京大学附属図書館所蔵本)
万治3年2月刊行の、浅井了意著『可笑記評判』を全冊校訂したもの。底本は東京大学附属図書館所蔵本。『可笑記』本文は収録せず、振仮名も省略した。ただし、主要な振仮名は巻末に一括掲載している。
●印刷は孔版タイプ印刷で、印字は江東区住吉の文進社、印刷は文京区本郷の一龍社。製本は千代田区神田の謡本専門の川嶋製本。
●昭和41年5月発行の『文学研究』第23号に「『可笑記』と『可笑記評判』―現実批判を中心に―」を発表したが、これを契機に『可笑記評判』の本文全冊を『文学研究』に掲載する話が出た。準備を進めてゆくと大部過ぎて雑誌掲載は無理となり、単行本化す事に変更し、自費出版で近世初期文芸研究会から発行する事になった。
●巻一から1巻ずつ原稿を作り、文進社で印字・印刷した。タイプ印刷に活字が無い場合は、日本活字・岩田母型で一般印刷の活字を購入し、作字もした。それでも無い文字は印鑑店(はんこ屋)で刻印して揃えた。
●タイプ印刷でお世話になった文進社の兔木さんから、数年前に連絡を頂いた。当時、3歳くらいだったお子さんが、成長され、現在、印刷所を経営しておられる由。私の所と近いので、お会いしたいのであるが、それが出来ない年齢になった。
●寄贈先は、仮名草子研究者と主要図書館であったが、その後、折々古書店に出る事があり、昭和62年11月の『日本書房目録』では12000円であり、平成19年1月の『渥美書房国語国文学文献目録』NO84では10500円であった。 平成28年10月のネットで検索すると、渥美書房は、7990円、五十嵐書店は、5000円であった。
●『可笑記評判』に関しての最初の口頭発表が、重友毅先生の主催される日本文学研究会であり、その機関誌としての『文学研究』に掲載するという話から出発したためか、本書出版の折、重友先生は序文を書いて下さると申された。しかし、単なる校訂の本でもあり、これは御辞退した。
●翌年の8月28日、市ヶ谷の私学会館で、出版記念会をして下さった。高橋俊夫先生の『西鶴論考』と私の『可笑記評判』の合同である。本心は御遠慮したかったが、重友先生のお考えに従った。座席は、高橋先生の隣が重友先生、私の隣が、何と久松潜一先生であった。長澤規矩也・杉本圭三郎・神保五弥・冨士昭雄・谷脇理史・江本裕の諸先生始め、日本文学研究会の常任委員の先生方が出席して下さった。その意味で、この本が私の処女出版であり、最初で最後の出版祝賀会というセレモニーとなった。私は、心から感謝して、2人の兄にも出席してもらった。
●スピーチの中で、久松先生が、深沢さんの『可笑記評判』は見ていないが、と申されたのには、テーブルの下に潜りたい思いであった。私は、この本を久松先生にも、中世専攻の杉本先生にも献呈していなかった。また、長澤先生は、お話の冒頭で、本日は2人のために、学外の先生方に多く出席して頂き、感謝申し上げます、と述べて下さった。その事は今も忘れられない。
●私の処女出版は、手作りのタイプ印刷の自費出版であったが、重友先生や、諸先輩の御配慮で、このように祝福して頂いた。以後、70冊ほどの本を出版し、時には、出版記念会をしよう、という、お声をかけて頂くこともあつたが、私は、全て、感謝をこめて、御遠慮申上げている。

【2】浮世ばなし 付、明心宝鑑 (影印、解説)
近世文学資料類従 仮名草子編・12、B5判、318頁、昭和47年8月20日、勉誠社発行、定価5500円。
原本所蔵者 横山重・長澤規矩也、編者 近世文学書誌研究会、解説者 深沢秋男。
(1)凡例、(2)影印編(浮世ばなし 1巻~五巻・明心宝鑑 上下2巻)、(3)解題
●横山重氏・前田金五郎氏は、近世文学書誌研究会の名のもとに、主として横山重氏所蔵の赤木文庫本を底本にして、精密な原本の複製本を勉誠社から刊行した。本書はその「仮名草子編」第1期の12である。
●本書は、勉誠社版「近世文学資料類従」第1期の最初のものであるから、刊行に至る経緯を少し詳しく記す。昭和46年(1971)11月9日、前田金五郎先生のお宅へ伺った。新しい企画があるので相談したい、という連絡を頂いたからである。そこで初めて「近世文学資料類従」の件を知らされた。前田先生は、横山重先生の意向による事でもあると前置きされ、「仮名草子編」の1期刊行リストを示され、この中から担当したい作品を選ぶようにと申された。私は『浮世ばなし』と『可笑記評判』を担当させて頂く事にした。『堪忍記』もとどうか、と言われたが、この作品は田中伸氏か小川武彦氏が、既に諸本調査を進めているらしいと申し上げ、遠慮した。
●実は、これと前後して、横山重先生からも、この件の御連絡を頂いた。横山先生は、私が研究職ではない事を気にされて、このチャンスを与えて下さった由である。私の研究は、本書の担当を契機として、『可笑記』研究から仮名草子研究へと範囲を広げていった。それは、横山先生と前田先生の御配慮のお蔭である。
●12月3日、前田先生宅へ伺い、横山先生御所蔵の、
1『浮世ばなし』(江戸版)
2『浮世物語』(京都版)
3江戸版の写真
この3点を拝借した。これらの原本を手元に置いて、諸本調査を進められたのは、誠にありたい事であった。
●『明心宝鑑』は、中国善書の一つで、仮名草子にも大きな影響を与えていた。仮名草子との関連は、前田先生が既に研究されており、有益な資料である故、これを付載する事になった。漢籍・和刻本では、恩師・長澤規矩先生の御研究が第一であったので、先生の御所蔵本を使用させて頂いた。

【3】可笑記大成―影印・校異・研究― (共編著)
A5判、764頁、昭和49年4月30日、笠間書院発行、定価11000円。田中伸氏・小川武彦氏と共編著。本書は文部省の、昭和48年度科学研究費補助金(研究成果刊行費)による出版である。
使用原本は、11行本は小川武彦氏蔵本、12行本は国会図書館蔵本、無刊記本は長澤規矩也先生蔵本、絵入本は横山重先生蔵本である。
 目 次
第1編 本文・校異(小川氏・深沢)
第2編 万治版挿絵について(小川氏)
第3編 「可笑記」の研究
第1章 底本書誌解題と諸本調査報告(深沢)
第2章 校異による本文異同の考察(深沢)
第3章 「可笑記」の成立と書名(田中氏)
第4章 作者如儡子について(田中氏)
第5章 「可笑記」の内容(田中氏)
第6章 「徒然草」と「甲陽軍鑑」の受容について(田中氏)
あとがき(田中氏)

●本書刊行のきっかけは、昭和43年6月23日、日本近世文学会春季大会での発表であった。私の「『可笑記』の諸本」と題する25分の発表が終ると、田中伸氏の反論意見が出された。寛永19年版11行本と12行本の先後をめぐる問題であった。私は11行本が先だと主張し、田中氏は12行本が先だと反論された。実は、『可笑記』の諸本調査は、私と同時に田中氏も進めておられた事が、この時わかった。15分間討論したが、お互いに譲らず、司会者の神保氏も、あとは2人で話し合って欲しいと打ち切られた。
●昼食時、田中氏が私の席にこられたので、原物のコピーを示して説明したところ、ようやく納得して下さった。この11行本と12行本の先後関係は、実に微妙で、私も発表要旨では12行本を先としていたが、発表当日、口頭で、11行本が先であると訂正したほどである。私は、2ヶ月足らずの間に、この両版の先後関係を判断する、決定的な証拠を発見したのである。
●昭和45年4月、田中伸氏から、『可笑記』の影印本を出す事になったので、共編者として本文の校異を担当しないか、という連絡を頂いた。私は重友先生の許可を得て、有難く参加させてもらう事にした。笠間書院を通して、昭和48年度科学研究費補助金(研究成果刊行費)を申請して、補欠になり、やがて繰上げ採択された。
本書は、田中伸氏の御厚情によって編者に加えて頂いたものである。

 
【4】新可笑記 (影印、解説)
近世文学資料類従 西鶴編・11、B5判、296頁、昭和49年10月25日、勉誠社発行、定価9500円。
原本所蔵者 吉田幸一、編者 近世文学書誌研究会、解説者 深沢秋男。
(1)凡例、(2)影印編(新可笑記、1巻~5巻)、(3)解題
●横山・前田両先生は、私が仮名草子の『可笑記』を研究していたので、西鶴のこの作品を担当させて下さった。諸本調査を進めるうちに、吉田幸一先生の所蔵本が最善本と判明した。そこで、私は横山先生に、この本の担当は吉田幸一先生にお願いしたいと連絡した。吉田先生は横山先生を通して、予定通り私に担当するようにと返事を下さった。私は感謝して解説を執筆した。
●この『新可笑記』は、元禄9年11月初版刊行、というのが、従来の定説であった。ところが、この本の刊記はおかしい。奥付の半丁がそっくり入れ替えられている。私は、初版初印とは断定できないという説を出した。

【5】江戸雀 (影印、解説)
近世文学資料類従 古板地誌編・9、B5判、424頁、昭和50年11月23日、勉誠社発行、定価10000円。 原本所蔵者 赤木文庫、監修 横山重、解説者 深沢秋男。
(1)凡例、(2)影印編(江戸雀、巻1~巻12)、(3)解題
●この本の担当は、横山先生から直接指名された。それまで、『江戸雀』の初印本は、全く知られていなかった。従って従来の研究では、和田万吉氏・高木利太氏・長澤規矩也氏・丸山季夫氏のいずれも、この『江戸雀』の著者を菱川師宣(吉兵衛)としておられた。これは、後印本の刊記に拠ったためである。
●後印本の刊記は、「武州江戸之住/絵師 菱川吉兵衛」とある。この刊記に拠れば、菱川吉兵衛が本文も絵も執筆し描いた事になる。ところが、初印本の刊記には「武州江戸之住 近行遠通撰之/同絵師 菱川吉兵衛」とある。この刊記によれば、著者は近行遠通であり、絵師は菱川吉兵衛という事になる。勿論、初印本が正しい。
●横山先生は、この幻の初印本の担当を私に配当して下さった。しかし、この本の発行までには、私としては苦しい経験をした。それは時期を同じくして、恩師・長澤規矩也先生が、有峰書店から江戸地誌シリーズの刊行を発表した為である。
●『江戸雀』の刊行は、横山先生と私の合作であると言ってもいいかも知れない。横山先生からの書簡を、先生に御迷惑にならない範囲で記録しておきたい。

◎昭和48年9月11日 封書
今度、勉誠社で古板地誌の複製を出版する事になった。収録予定リストを送るので、担当希望の作品を出すように。という連絡を頂いた。担当者には何名か考えているので、各自の希望が出たところで調整して決定したい、というもの。私は江戸関係の作品、1、2点に印を付けて返送した。その結果、『江戸雀』の担当を指示された。
◎昭和49年4月25日 はがき
「江戸雀の初印本と再印本の差を見て貰ひたい。私から藤園さんに頼んで、本を池嶋宅まで送ってくれと云って見る。それ不可なら、貴兄が藤園堂を訪問せねばならぬ。○藤園本の題簽と奥の写真は勉誠へ送りました。――江戸雀は文字が小さいから、本文を大きく出すために、天地をそのまゝ出さずに、本文だけを大きく出す工夫をしたい。――本文の中で、両者の差のある所は、再印本のその部分の写真も出して、解説の中で示す方よし。」
◎昭和49年5月24日 はがき 速達
近々『江戸雀』の原本を渡すので来て欲しい。「この本を自宅で見れば、他の本は一見するのみでよろしいと思ふ。」続けて、有峰書店で、江戸地誌叢書10巻を出すという。内容見本をみると第1巻に『雀』を入れて、影印と活字翻刻とを併用するという。「師宣撰画とあり。やはり後印本也」と追記されていた。
■6月9日、伊東市の勉誠社の池嶋氏の別荘に横山先生を訪ね『江戸雀』の初印本・後印本・江戸図3点の5点を拝借した。借用書は書かず、手帳にメモしたのみ。横山先生は、「それだけあれば、家が1軒建つからね、決して電車の中では広げるナ、家に帰ってゆっくり見なさい。」と申された。
千葉の家に帰宅して、早速、初印本をゆっくり拝見した。これが師宣か、と浮世絵の祖・モロノブの本物に出会って、目が開かれた思いがした。以後、学生などに師宣の浮世絵を説明する時は、この瞬間の事を念頭において述べている。犬小屋入りの江戸図を、8畳間一杯に広げて調査できた事も、だたただ、感謝した。拝借した原本は12月21日に御返却申し上げた。
◎昭和49年6月21日 はがき
「江戸雀の御調査感謝。貴説、近行遠通が初印本に手を入れしかといふ事、私、賛成。近行遠通の名を削りしも、彼の発意か。延宝八年の『江戸方角安見図』にも、作者の名を出さず。当局の意向をソンタクして表へ顔を出さぬのかも知れぬ。尚、御調査願ふ。」
◎昭和49年8月2日 はがき
「江戸雀、初印本と再印本の大差のあるところ、再印本の方から、三、四枚の写真を、解説のところで出して、初印本の頁を記して、対照するやうに、御配慮ありたし。○再印本も近行遠通の手を経てゐるとの御説は、傾聴に値ひす。彼は江戸方角安見図(延宝八年)では作者名を出してゐません。風向きの悪いのに気づいたか。○しかし、私案に拘らず、貴説を通して下さい。」
◎昭和49年8月20日 はがき
「御手紙ありがたう。方針はすべて貴案のやうでよろしく。削除のところは、撰者近行遠通の意志によるものらしとの貴説よろしきか。江戸雀、はじめて真相を得るらし。その旨は、池嶋氏にも云って、頁数の多くなるのを恐れるなと云って下さい。或いは二冊にする方よきか。原本を私に返すのを急がずともよい。今はただ、正確で行き亘る事を望む。健康が大切。あまり根をつめる事勿れ。」
◎昭和50年2月6日 はがき
「勉誠の「定本地誌」へ「江戸雀」の解説を渡しませんか。……○その場合、原本を出すべきか。(目下、私方にあり。)○年度末で御多忙でせう。ハガキでよく、簡単な手紙をください。御用は私に云って下さい。御指定のやうに致します。」
◎昭和50年9月24日 はがき
「江戸雀の解説の校正のコッピー拝受。返送せずともよしとあり、私許に止めておきます。大兄の記述、すべてよく、過、不足もなく、公正と思ひました。遠近道印の地図は、私の書いた後に、/改撰江戸大絵図 元禄二年二月 板屋板/といふものを得ました。これは、延宝四年板と同じく、一分十間積りの図を、その後の変化を入れて、改撰したものです。私は四十年かゝって、これだけを得たのです。」
●昭和50年12月13日(土)『江戸雀』ができて、編集の中村さんが4冊届けてくれた。
私はその日に、まず、恩師・長澤規矩也先生にお届けして報告した。実は長澤先生は、前年の5月に、有峰書店から、江戸地誌叢書10巻を企画し、その中に『江戸雀』を影印と活字翻刻で収録すると公表されていた。これを知った横山先生は、先方はやはり後印本が底本のようである。しかし、それより、こちらは先に出すように、と解説原稿の仕上げを急ぐ事を指示された。私は、横山先生と長澤先生の板挟みの状態になってしまった。いずれも尊敬している大切な先生であった。この間、長澤先生には一切接触しないようにして、解説原稿を書き上げた。〔万一、お会いしたら、資料類従・古板地誌編の事をお話しする可能性もある。それでは、横山先生に対して申し訳ない。この1年間は厳しい日々の連続であった。〕そして、この日になったのである。私は事情を説明してお詫びした。長澤先生は本を広げて、良い本だ、良くやった、こちらはもう出さなくていいね。と私のこの間の失礼を許して下さり、本の出来映えを誉めてくれた。
次の日に、伊東の横山先生のお宅へ伺い、勉誠社から預かった本をお届けした。先生は、良くやった、と労いのお言葉をかけて下さり、大変喜ばれた。
●この『江戸雀』は、1冊の複製本であるが、その本当の著者を解明した画期的な本であり、その担当者に選ばれた私は幸せであった。私としては、尊敬する2人の先生の御意向の板挟みの中で進めた、調査研究であり、忘れる事のできない1冊である。

【6】可笑記評判 上 (影印)
近世文学資料類従 仮名草子編・21、B5判、344頁、昭和52年1月25日、勉誠社発行、定価10000円。
原本所蔵者 名古屋大学附属図書館、解説者 深沢秋男。
(1)凡例、(2)影印編(可笑記評判、巻1~巻3)

●『可笑記評判』は、以前、タイプ印刷の私家版を出しているので、是非担当させて欲しいとお願いして、横山先生・前田先生の御許可を頂いた。前著では印刷面などで、思うような内容に出来なかった部分を改善する事が出来た。両先生に感謝している。

【7】可笑記評判 中 (影印)
近世文学資料類従 仮名草子編・22、B5判、456頁、昭和52年2月25日、勉誠社発行、定価10000円。
原本所蔵者 名古屋大学附属図書館、解説者 深沢秋男。
(1)凡例、(2)影印編(可笑記評判、巻4~巻7)

【8】可笑記評判 下  (影印・解説)
近世文学資料類従 仮名草子編・23、B5判、456頁、昭和52年3月25日、勉誠社発行、定価10000円。
原本所蔵者 名古屋大学附属図書館、解説者 深沢秋男。
(1)凡例、(2)影印編(可笑記評判、巻8~巻10)、(3)解題

【9】井関隆子日記 上 校注
B6判、460頁、昭和53年11月30日、勉誠社発行、定価4500円。原本所蔵者 鹿島則幸、校注者 深沢秋男。
(1)口絵、(2)凡例、(3)天保11年1月~12月、(4)解説。

●本書は、鹿島神宮大宮司家の第67代・鹿島則文のコレクション桜山文庫の中に所蔵されていた、幕末旗本夫人の自筆の日記・全12冊に注を付けて出したものである。
●私は、昭和36年に「仮名草子『可笑記』論」という卒論を提出し、以後、仮名草子の研究を続けてきた。仮名草子は近世初期であり、この女性の日記は近世末期のものであった。ところが、私はこの『日記』の内容に強く惹かれていった。
●昭和47年11月3日、水戸の鹿島則幸氏をお訪ねした。重友先生が長年拝借していた、上田秋成の写本・桜山本『春雨物語』を返却するためであった。要件が済んだ後、鹿島様は、こんな物も御座いますが、と仰って、桐箱入の写本12冊の『日記』を見せて下さった。この件を前田金五郎先生に御報告しておいたところ、翌年の1月、鈴木棠三先生から連絡があり、神田の出版社・Kから稀書創刊というシリーズを出すので、この『日記』を、その中に収録したいので、鹿島氏を紹介して欲しいと言われた。別の要件もあったので、水戸に伺ってお願いしたところ、鹿島様は快諾して下さった。
●いろいろ経緯があった後、私に校訂を担当して欲しいという事になり、千葉の新検見川時代であったが、改めて『日記』を読み直して、優れた内容である事を確認して、仮名草子研究と並行して進める、という条件でお引き受けした。
●その後、鈴木先生との話し合いの結果、校訂から校注に変更し、私は独自の判断で、人名・地名・書名などの固有名詞にのみ注を付ける事にして、『広辞苑』に出ているレベルのものは、原則としてカットした。近世後期の言葉は、古語辞典も通用しないものが少なくなく、近世初期が専攻で、しかも浅学の私にとっては難行苦行の連続であった。
●全12冊の原本を、上中下の3冊にして出す事にして、上巻の原稿が仕上がった時、オイルショックのため、この企画は中止となってしまった。しかし、私は、仮名草子研究を中断して、この『日記』の校注に全力で取組んでいた。もう、後へは引けなかった。是が非でも、この『日記』を後世に伝えたい、そんな思いであった。
●昭和52年4月30日、勉誠社の池嶋社長に、この『日記』の出版をお願いした。5月7日、池嶋氏は自ら原稿を読んで判断され、出版を引き受けて下さった。書名も「天保日記」から「井関隆子日記」に変更して、ようやく日の目を見たのである。
●本書の奥付には、「原本所蔵者 鹿島則幸  校注者 深沢秋男」とある。勉誠社との出版契約書には、印税は、鹿島則幸氏と私で、各50%ずつ配分すると明記した。原本所蔵者への考えを示したものである。

【10】井関隆子日記 中 校注
B6判、456頁、昭和55年8月30日、勉誠社発行、定価4500円。原本所蔵者 鹿島則幸、校注者 深沢秋男。
(1)凡例、(2)天保12年1月~12月、天保13年1月~12月、(3)鹿島則文と桜山文庫。

●巻末に「鹿島則文と桜山文庫」を付載した。鹿島則文及び桜山文庫に関しては、それまで、まとまったものが無く、その当時の所蔵者・鹿島則幸氏の要請もあり、鹿島則文の顕彰も込めて纏めたものである。則文は、幕末・維新にかけて、鹿島神宮大宮司・伊勢神宮大宮司として、また、国学者・教育者として大変な活躍をした人物であるが、行動はするが、余りモノを書かぬ人物であった。何か、あの狩野亨吉と似通ったところがある。それをまとめて伝えたかった。

【11】井関隆子日記 下 校注
B6判、396頁、昭和56年6月5日、勉誠社発行、定価4500円。原本所蔵者 鹿島則幸、校注者 深沢秋男。
(1)口絵、(2)凡例、(3)天保14年1月~12月、天保15年1月~10月、(4)索引。

●長年の夢がようやく叶った。しかし、私は、10年間近く仮名草子研究から離れてしまった。これは、大きなロスになったと思う。そのまま仮名草子の研究を続けていれば、ライフワークの「如儡子の研究」は、もう纏まっていたものと思われる。これは自業自得である。
●『日記』全3巻が完結しても、世間からは、余り認めてはもらえなかった。全3巻完結の時、庄田家の御子孫の方が、御苦労様と、数十万円を下さった。そのお金で、美味しい物を食べたり、パソコンなどを買っては申し訳ないと、『日記』全3巻を購入して、有力な評論家や研究者に寄贈した。30名位だと思う。が、しかし、全員、ナシのツブテだった。一言発すれば、自分の批評力が試される。そんなために、大部で難しい本は読めない、のであろう。淋しいことであるが、我が文芸界の実状である。
●そのような状態の中で、この日記を高く評価して下さったのは、
新田孝子氏、田中伸氏、江本裕氏、秋山虔氏、堤精二氏、野口武彦氏、ドナルド・キーン氏、藤田覚氏、大口勇次郎氏、関民子氏、等々であった。
●昭和59年4月4日~6日、ドナルド・キーン氏が『朝日新聞』の「百代の過客―日記にみる日本人―」で採り上げて下さり、少し知られるようになった。そして、平成11年1月18日、大学入試センター試験の国語・古典の本試験に出題され、また、少し知られるようになった。実は、後年分かったことであるが、この平成11年には、国語の古典の本試験と、日本歴史の追試験に、『井関隆子日記』から出題されたのである。平成19年1月2日~3月4日、江戸東京博物館で開催された特別展「江戸城」には、昭和女子大学図書館所蔵の『井関隆子日記』の原本が展示されて、さらに世間に知られるようになった。現在では、高校の授業ても採り上げられ、多くの著書に引用されるようになった。

【12】近世木活図録 国会図書館本  共編
日本書誌学大系 37、横小本(縦135ミリ×横185ミリ)228頁(頁表示無し)、昭和59年5月31日、青裳堂書店発行、定価5500円。
編者 朝倉治彦 深沢秋男。
(1)はしがき、(2)例言、(3)書名目次
国立国会図書館所蔵の近世木活字本123種の書目解題と図版を掲げたもの。配列は五十音順。

●本書は、朝倉氏の要請によって編者に加えて頂いたもので、私は多くは協力していない。本書発行後に、某氏から厳しい批評を頂いた。

【13】桜山本 春雨物語 編
A5判、382頁、昭和61年2月25日、勉誠社発行、定価12000円。編者 深沢秋男。

目 次
凡例
目次
影印篇
 春雨物語 上
  序
  血かたびら
  天津をとめ
  海賊
  二世の縁
  目ひとつの神
  死首の咲顔
 春雨物語 下
  捨石丸
  宮木が塚
  歌のほまれ
  樊●
研究篇
 一、『春雨物語』の諸本
 二、『春雨物語』の本文校訂
 三、文化五年本の書誌・概観
1、 漆山本
2、 桜山文庫本
3、 西荘文庫本
 四、桜山文庫本
1、 書写者
2、 墨筆と朱筆
3、 墨筆の原本
4、 朱筆の原本
 五、桜山文庫本と西荘文庫本
1、 漢字・仮名の異同
2、 省略・脱落関係
3、 その他の異同
 六、桜山文庫本と漆山本
 七、まとめ(文化五年本系統図)
付記

●この本の出版のきっかけは、昭和41年に遡る。41年2月24日、私は、恩師・重友先生と先生のお嬢さんの3人で水戸の鹿島則幸氏宅を訪問した。その前年、鹿島氏は御蔵書を研究に活用して欲しいと申され、その意向を重友先生にお伝えした結果、この日の水戸行となった訳である。
●この時、◎春雨物語、写本2冊。◎忠義水滸伝、3冊、20回。◎山花帖、3帖。◎名鳥、1冊。◎曲訛、1冊。雑兵物語、上下1冊、南畝旧蔵本。婦る野の若菜、1冊。計13冊であった。借用書には重友先生が署名押印された。
●先生は、自分が研究できる間借用する。不可能になったら返却する。そのために君(深沢)に同行してもらった。重要なものは別として、他のものは早く返す。『春雨物語』はこれを底本として校本を出版したい。了阿の『山花帖』は雑誌に翻刻してもよい。『雑兵物語』は他本との対校くらいか。お礼の意味を含めて、論文を書き、学界に紹介したい、と申された。帰りの電車の中で撮った先生の写真が、現在、私の書斎の正面に掛けてある。
●その後、7年間、これらの蔵書は先生のお手許に保管されていた。この間、浅野三平氏が桜山文庫本を底本にした『春雨物語』(昭和46年9月5日、桜楓社発行)を出されたが、重友先生としては、特別使用される事もなく経過し、昭和47年10月、鹿島氏に御返却する事になり、私がその役を仰せつかった。
●この折、桜山本は半月ほど私の手許にあり、ゆっくり閲覧する事が出来た。この桜山本『春雨物語』は丸山季夫氏の翻刻(古典文庫、昭和26年5月20日発行)と、前述の浅野三平氏の翻刻が既に出ていたが、原本の実態を知るに及んで、両氏の御苦心も理解できたが、この2つの翻刻本には、原本が十分に表現されていない事も痛感した。この原本を正確に学界に紹介し、後世に伝えるためには、写真複製以外に方法は無いと思った。そこで、鹿島氏の御許可を頂いて、勉誠社に依頼して、取りあえず写真撮影してもらい、原本は御返却申し上げた。
●その後、この『春雨物語』の事は常に頭の中にあったが、12年間が経過してしまった。昭和60年、朝倉治彦先生から、ある出版社が桜山本『春雨物語』を出したい意向である旨の連絡を頂いた。そこで、前述の経緯を申し上げて、勉誠社の池嶋社長とも相談し、検討の結果、勉誠社から出して頂く事になった訳である。
●仮名草子研究の私が、後期の上田秋成の『春雨物語』を調査し始めたのは、このような事情によるものである。私は勉誠社にお願いして、墨と朱の2色による複製を計画し、非常に厳密なチェックをしながら作業を進めた。出版社の編集と製版・検版と私の共同作業であった。
●私は、この本を出すにあたって、従来の『春雨物語』の本文研究に接して、驚くべき事実に出会った。それは、大まかに言えば、文化6年の自筆本の欠落部分を、文化5年本で部分的に補っているという事であった。文学は芸術作品である。作品は、完結して初めて評価の対象になるのではないのか。創作時点の異なるテキストを組み合わせるなどと言う事は許されるのであろうか。そんな、切実な思いを込めながら、テキストクリティークを進めた。
●恩師の重友先生をはじめ、秋成研究の諸先学の説を批判する事は、厳しい作業であった。ただ、晩年、明を失いながらも、推敲を続けて出版する事もせずに、この作品に命をかけて完成を目指しながら、この世を去って行った秋成の事を思うと、私の立場など、もうどうでもよかった。
●文化5年本『春雨物語』の研究では、中村幸彦氏の「小津桂窓旧蔵 春雨物語について」(『典籍』4号、昭和27年10月)が定説の如き状態であった。中村氏は、文化5年本の3本について、西荘文庫本は、原本からの写しであり、漆山本と桜山文庫本は兄弟関係にあり、この2本のもとになった写本は国学の素養を持つ人によって、読み易く書き改められたものであろう、と判断されていた。
●しかし、私は、この3本を徹底的に比較検討した結果、この中では、桜山文庫本が最も優れた本文であるという結論を導き出した。全く白紙の状態から、1年余の時間をかけてようやくたどり着いた結果であった。
●この本は、『春雨物語』の本文校訂にあたって、使用すべき底本に関する新たな提案をし、秋成の専門研究者・中村幸彦氏の説に対して反論する結果になった。その意味で、諸方面に迷惑が及んでは済まないと思い、勤務先などは奥付に入れない事にした。しかし、秋成に対しては、良い事をしたのではないかと、密かに思っている。
●本書は、昭和61年に出たが、果せるかな、私の説は学界から無視され続けた。平成元年8月、木越治氏の「『春雨物語』へ――文化五年本からの出発――」(『日本文学』38巻8号)という、注目すべき論文が発表され、ようやく、専門研究者も評価して下さるようになった。きっと、秋成もあの世で喜んでいてくれるものと思う。このようなキケンな本を、製作にも神経を遣いながら出版して下さった、勉誠社の池嶋洋次氏に改めて感謝申し上げる。

【14】仮名草子集成・10巻 共編
A5判、324頁、1989年9月30日、東京堂出版発行、定価15000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十巻
 をむなかゝみ(3巻3冊、慶安3年刊)
  解題
 女五経(5巻5冊、延宝3年刊、絵入)
  解題
 をんな仁義物語(2巻2冊、万治2年刊、絵入)
  解題
 女みだれかみけうくん物語(1冊、寛文13年刊、絵入)
  写真版
  解題
  (補) 有馬山名所記(5巻5冊、寛文12年跋刊、絵入)
  解題

●朝倉治彦先生は、昭和55年に『仮名草子集成』第1巻を東京堂出版から出された。文部省の昭和54年度科学研究費補助金(研究成果刊行費)による出版であった。その例言によると、朝倉先生は、当初、室町時代物語、古浄瑠璃、説経などの研究を志していたが、横山重先生のすすめで仮名草子研究を始めたという。横山先生の『室町時代物語大成』と『仮名草子集成』の本文の組み方が同様である事から推測しても、朝倉先生の横山先生への思いが伝わってくる。本集成は、坂巻甲太氏などの協力を得ながら刊行が続いた。途中から、出版も軌道に乗り、文部省の助成は受けなくなった。
●昭和64年(1989)の4月、朝倉先生から、この集成への協力を要請され、熟慮して参加させてもらう事にした。第10巻では『女仁義物語』の本文作成を担当しただけであった。以後、10年間ほど、朝倉先生のお手伝いをして、多くの事を教えて頂いた。当初、『可笑記』の解明が目標であったが、対象を仮名草子の諸作品へと拡大してゆく事になったが、それは、横山先生と前田先生と朝倉先生の影響であると思う。今から思えば、この事に心から感謝している。

【15】仮名草子集成・11巻 共編
A5判、282頁、1990年8月25日、東京堂出版発行、定価15000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十一巻
 芦分船(6巻6冊、延宝3年刊、絵入)
  解題
 大坂物語(古活字版第二種、1冊)  菊池真一校訂
  解題              菊池真一
 大坂物語(上下2冊、写本)     青木晃校訂
  解題              青木晃
 女式目 并 儒仏物語(3巻3冊、万治3年刊、絵入)
  解題
 女式目(3巻3冊、絵入)
  解題

●私は、この第11巻収録の『女式目』の東京大学図書館所蔵本を調査して、同図書館で別々に保管している版本が、実は3冊セットで出版された事を知ることができた。詳細は『近世初期文芸』第9号(平成4年12月)の拙稿「『女式目』の諸本」で述べておいた。

【16】仮名草子集成・12巻 共編
A5判、380頁、1991年9月25日、東京堂出版発行、定価15000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十二巻
 怪談全書(5巻5冊、元禄11年刊、片カナ、絵入)
  解題
 恠談(1巻1冊、写本、片カナ)
  解題
 恠談(2巻1冊、写本、平カナ)
  解題
 怪談録(2巻2冊、写本、片カナ)
  解題
 幽霊之事(1冊、写本、片カナ)
  解題

●この巻の諸本調査では、長澤孝三氏の御配慮で、長澤規矩也先生の旧蔵本を長期間拝借できた事が、真相究明に非常に役立った事が忘れられない。詳細については、『近世初期文芸』第10号(平成5年12月)に掲載の拙稿「『怪談全書』の諸本」を参照願いたい。

【17】仮名草子集成・13巻 共編
A5判、308頁、1992年8月20日、東京堂出版発行、定価15000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十三巻
 海上物語(2巻2冊、寛文6年刊、絵入)
  解題
 戒殺放生物語(4巻4冊、寛文4年刊、絵入)
  解題
 漢考 怪談録前集(5巻5冊、不角序刊、絵入)
  解題
 奇異怪談抄(上下巻4冊、写本)
  解題
 寛文十年板挿絵集
 巻末口絵(首尾、挿絵)

【18】鹿島則孝と『桜斎随筆』 編著
B5判、64頁、平成5年6月25日、編著者・発行者 深沢秋男、非売品。 自費出版。

目 次
  口絵写真
一、 鹿島則孝略伝
二、 『桜斎随筆』書誌
三、 『桜斎随筆』総目録
四、 『桜斎随筆』の内容
五、 「あすか川」の内容
六、 引用書目、引用新聞・雑誌
七、 鹿島則孝の生家

●鹿島神宮・大宮司家の第66代・鹿島則孝の膨大な著述を閲覧したのは、平成2年10月15日のことであった。『桜斎随筆』巻6の上に、『井関隆子日記』に関する記述のある事を、当時の所有者・鹿島則幸氏に教えられ、鹿島氏のお宅へ伺った時の事である。
●『桜斎随筆』は全60冊、3500丁、7000ページという膨大な記録で、幕末・維新の歴史的資料として貴重なものと判断された。しかし、いかにも膨大過ぎる。この分量では、簡単に出版はできない。そこで、この大量の記録のある事を世間に知らせる事から始めた。それが本書である。これが全巻刊行されるまでには、長年月を要した。

【19】仮名草子集成・14巻 共編
A5判、488頁、1993年11月20日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十四巻
 鑑草(6巻6冊、正保4年刊)
  解題
 可笑記(5巻5冊、寛永19年刊、11行本)
  解題
  『鑑草』延宝3年板挿絵
  『可笑記』万治2年板挿絵

 戒殺放生文(影印)
  解題
 浅井了意『戒殺物語・放生物語』と?宏『戒殺放生文』
                    ……小川武彦
 写真

●中江藤樹の『鑑草』の調査では、原本所蔵の諸機関のお世話になったが、近江聖人中江藤樹記念館には、泊り込みで調査させて頂き、多くの事を学ぶことが出来た。慶安元年8月25日、41歳という若さでこの世を去った中江藤樹の偉大さに、改めて感動を覚え、『鑑草』の内容研究に意欲をかきたてられた。しかし、この種の本文集成という作業の宿命は、ここに止まることが出来ないという事である。この願望は今も果せずにいる。この作品の詳細な諸本の報告は、『近世初期文芸』第11号(平成6年12月)に掲載してある。
●『可笑記』の本文では、11行本を底本にして、無刊記本との異同を掲げたが、やや徹底を欠いている点が、本文提供面では心残りの思いがしている。詳細な諸本の報告は、『近世初期文芸』第12号(平成7年12月)に掲載してある。

【20】仮名草子集成・15巻 共編
A5判、358頁、1994年12月10日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十五巻
 可笑記評判(10巻10冊、万治3年刊)
  ?巻一より巻七まで。巻八以下は次巻に収める。

【21】仮名草子集成・16巻 共編
A5判、318頁、1995年9月5日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十六巻
 可笑記評判(10巻10冊、万治3年刊)
  ?巻八より巻十まで。
  解題
 可笑記跡追(5巻5冊、絵入)
  解題
 写真

●『可笑記評判』は、浅井了意の著作で、私は、如儡子の『可笑記』を解明する手段として、昭和45年に自費出版した。これが私の処女出版であったが、その後、昭和52年には、『近世文学資料類従』として全冊複製で出版できた。さらに、今回は『仮名草子集成』の校訂基準で、より厳密な本文を全冊出版することができた。さらに付記するならば、平成19年には、『浅井了意全集』が刊行されることになり、そこにも私の校訂で収録される予定である。仮名草子の同じ作品が、4回も出版されるという事は珍しいだろう。

【22】仮名草子集成・17巻 共編
A5判、286頁、1996年3月20日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十七巻
 花山物語(写本、1冊)
  解題
 堅田物語(天和3年奥書刊、1冊)
  解題
 仮名列女伝(明暦元年11月跋刊、絵入、8冊)
  解題
 写真

【23】仮名草子集成・18巻 共編
A5判、356頁、1996年9月20日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十八巻
 かさぬ草子(写本、1冊、寛永21年写奥書)
  解題
 枯杭集(6巻6冊、寛文8年刊、絵入)
  解題
 かなめいし(3巻3冊、絵入)
  解題
 鎌倉物語(5巻5冊、万治2年刊、絵入)
  解題
 写真

【24】仮名草子集成・19巻 共編
A5判、288頁、1997年3月10日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第十九巻
 葛城物語(浅井了意作、3巻3冊、絵入、無刊記)
  解題
 河内鑑名所記(三田浄久作、6巻6冊、絵入、延宝7年刊)
  解題
 堪忍弁義抄(1冊、慶安4年刊)
  解題
 補記(1、享保2年求板『可笑記』(小川武彦氏蔵)。2、
    写本『可笑記跡追』(渡辺守邦氏蔵))
 写真

●『堪忍弁義抄』については、この時点では版本のみであったが、その後、承応2年7月上旬の奥書を持つ写本が発見された。これは、磐城平藩主・内藤風虎の旧蔵本で、しかも、版本の書写本ではない。当時の版本と写本の関係を考える上でも参考になる。『近世初期文芸』第19号(平成14年12月)に拙稿「『堪忍弁義抄』の版本と写本――付、写本『堪忍弁義抄』翻刻――」がある。

【25】仮名草子集成・20巻 共編
A5判、320頁、1997年8月30日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第二十巻
 勧孝記(釈宗徳作、2巻2冊、明暦元年西村板、絵入)
  解題
 堪忍記(浅井了意作、8巻8冊、万治2年荒木板、絵入)
  解題
 写真

【26】仮名草子集成・21巻 共編
A5判、328頁、1998年3月20日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第二十一巻
 仮枕(写本、2冊)
  解題
 奇異雑談(写本、2巻2冊)(上段)
 奇異雑談集(刊本、貞享4年刊、6巻6冊、絵入)(下段)
 刊本挿絵
 解題
 写真

【27】仮名草子集成・22巻 共編
A5判、384頁、1998年6月25日、東京堂出版発行、定価18000円。編者 朝倉治彦 深沢秋男 柳沢昌紀。

目 次
 例言
 凡例
仮名草子集成 第二十二巻
 祗園物語(寛永刊、2巻2冊)
  解題
 京童(中川喜雲作、明暦4年、八文字屋五兵衛板、6巻6、
    絵入)
 京童あとをひ(中川喜雲作、寛文7年、八文字屋五兵衛板、
    6巻6、絵入)
  解題
 清水物語(寛永15年刊、2巻2冊)
  解題
  写真

●平成元年から10年間、朝倉先生の『仮名草子集成』に共編者として協力させて頂いてきたが、この年から、大学での職責が重くなり、定期的に諸本調査などの計画が立てられなくなり、この『仮名草子集成』に参加できなくなった。内心、朝倉先生に対して、申し訳ないと思っている。

【28】神宮々司拝命記 共編著
B6判、140頁、平成10年7月25日、編著者 鹿島則良・加藤幸子・深沢秋男、発行者 深沢秋男、非売品、自費出版。

目 次
  口絵写真
  凡例
神宮々司拝命記 上
神宮々司拝命記 下
『神宮々司拝命記』書誌
鹿島則孝略伝
鹿島則文略伝
幕末から明治にかけての神社界と鹿島家(鹿島則良)
『神宮々司拝命記』と伊勢神宮
伊勢神宮拝観記(加藤幸子)

●平成5年6月13日、『鹿島則孝と『桜斎随筆』』が完成したのを機に、鹿島則幸氏のお子様、田中八栄子氏が来宅され、鹿島則孝・則文関係の資料、37冊を持参された。それは、以下の通りである。

◎雑記 全            1冊
◎厳桜舎詠草 上下        2冊
◎復古二年紀 上中下       3冊
◎飛鳥川附録、随筆別冊      1冊
◎詠草  則文          1冊
◎ 桜斎書牘集 教院録 四     1冊
       伊勢記 五     1冊
       〃   六     1冊
       皇典講 七     1冊
       究所記 八     1冊
       〃   九     1冊
       〃   十     1冊
◎弘化三丙午年正月十四日     1冊
 則孝 束着初之式
◎水戸家書類 全         1冊
◎桜斎家督記           1冊
◎幕府祈祷次第記         1冊
◎則文諸祝儀 全         1冊
◎末社遷宮記           2冊
◎都日記 上下          2冊
◎嘉永七甲寅年品川御台場へ    1冊
 当宮御勧請仰付候次第
◎雑録 全(康安元年旧記)    1冊
◎万我津日の記 上下・附録    3冊
◎三月十七日差出拝借地預・・   1冊
◎御本宮之図(玉垣・御内陣之図) 1冊
◎辰十二月四日御内陣初而開扉   1冊
◎家茂将軍謁見記         1冊
◎幕府朱印改渡記         1冊
◎上京日記 単          1冊
◎旧幕府判物差出         1冊
 本宮御印鑑御下り預
◎明治元年戊辰三月十五日     1冊
 勅祭祝詞写
 
この、合計37冊であった。いずれも幕末の社会や伊勢神宮と鹿島神宮大宮司家との関係を知る上で興味深い資料である。しかし、これを出版社に依頼して出版する事は、様々な点で困難が伴う。そこで、『桜斎書牘集』の中の『伊勢記』2冊(『神宮々司拝命記』)を取りあえず出版して世間に知ってもらい、全資料の刊行へつなげようと計画した。
●共編著者の鹿島則良氏は、鹿島則幸氏の御子息で、現在の鹿島神宮の宮司である。加藤幸子氏は、昭和女子大学図書館の研究員で、昭和61年9月に「桜山文庫」が鹿島則幸氏から昭和女子大学へ一括譲渡された時、全蔵書を整理された方である。『神宮々司拝命記』の本文は、加藤氏が翻字した原稿を私が確認して仕上げた。鹿島則良氏には鹿島家と幕末明治の社会との関りを執筆して頂いた。このような事情で三者の共編著とした訳である。
●ところで、この『神宮々司拝命記』に関して、私のホームページ「近世初期文芸研究会」の中の「鹿島則文と桜山文庫」の項に「この本を必要な方には送料のみ送ってくれれば、無料で差し上げます。」と3年間ほど掲示しておいたけれど、申込者は1人も無かった。
●現在は『神宮々司拝命記』の本文のみは、前述のHP「鹿島則文と桜山文庫」の中と、もう一つ菊池真一氏の運営する「J-TEXTS(日本文学電子図書館)」の中に公開している。

【29】桜斎随筆 第1巻 共編?
B5判、422頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 ㈱本の友社、定価は第6巻の奥付に記載。
       
第1巻目次
鹿島則孝略伝
鹿島則文略伝
『桜斎随筆』書誌
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第1冊(巻1上)
  第2冊(巻1下)
  第3冊(巻2上)
  第4冊(巻2下)
付記

●この本の奥付を見て私は唖然とした。どのような性質の本であろうか。私は本が発行されて初めて奥付を見た。編集者は奥付の校正を私に見せなかった。『桜斎随筆』は誰の著作であろうか。その著作を誰が編纂して出版したのだろうか。出版社の宣伝広告を見たら、私は監修者になっていた。私は、監修者になるような大人物ではない。この本を出すために、身を粉にして労働したのである。
●私は、この鹿島則孝の残した膨大な記録を後世に伝えるために、長年苦労を続けてきた。この第1巻に収録された原稿は全て私が執筆したものであり、複製の原稿も私が作成したものである。私はこの本文の版下原稿を作成するために、新しくリコーの複写機IMAGIO MF2230をリースで導入し、3ヶ月以上の時間を投入して仕上げたのである。にもかかわらず、この本の奥付には、鹿島則孝の名も深沢秋男の名も記されていない。
●この本は、第1巻から第6巻まで、第1回配本として、一挙に発行された。早速、出版社に連絡して、これでは第2回配本以後は出版させない、と厳重に抗議した。また、「復刻版」といのもおかしいので、「複製」に改めるよう注意した。幸い第2回配本以後は、普通の奥付になった。まず、この異常な奥付について説明しておく。

【30】桜斎随筆 第2巻 共編?
B5判、378頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 ㈱本の友社、定価は第6巻の奥付に記載。
       
第2巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第5冊(巻3)
  第6冊(巻4)
  第7冊(巻5上)
  第8冊(巻5下)

【31】桜斎随筆 第3巻 共編?
B5判、334頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 ㈱本の友社、定価は第6巻の奥付に記載。
       
第3巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第9冊(巻6上)
  第10冊(巻6下)
  第11冊(巻7)
  

【32】桜斎随筆 第4巻 共編?
B5判、310頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 ㈱本の友社、定価は第6巻の奥付に記載。
       
第4巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第12冊(巻8)
  第13冊(巻9)
  第14冊(巻10上)
  第15冊(原本欠)

【33】桜斎随筆 第5巻 共編?
B5判、398頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 ㈱本の友社、定価は第6巻の奥付に記載。
       
第5巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第16冊(巻11上)
  第17冊(巻11下)
  第18冊(巻12)
  第19冊(巻13)

【34】桜斎随筆 第6巻 共編?
B5判、338頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 ㈱本の友社、定価120000円。
       
第6巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第20冊(巻14)
  第21冊(巻15)
  第22冊(巻16)
  

【35】桜斎随筆のしおり 共編
B5判、104頁、平成12年11月10日、復刻版発行、発行者 阿部修、発行所 ㈱本の友社、定価は第6巻の奥付に記載。
       
目 次
一、 鹿島則孝略伝
二、 鹿島則文略伝
三、 「桜山文庫」と『桜斎随筆』
四、 鹿島則孝と桜(鹿島則良)
五、 『桜斎随筆』書誌
六、 『桜斎随筆』全冊の総目録
七、 『桜斎随筆』の内容
八、 各巻収録内容一覧

●このように、奥付には編者の氏名は記されていない。ただ、前表紙には「鹿島則良 深沢秋男 編著」と入っているので、編著者が誰であるかわかる。

【36】桜斎随筆 第13巻 共編
B5判、458頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第13巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第38冊(巻32)
  第39冊(巻33)
  第40冊(巻34)
  第41冊(巻35)

【37】桜斎随筆 第14巻 共編
B5判、460頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第14巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第42冊(巻36)
  第43冊(巻37)
  第44冊(巻38)
  第45冊(巻39)

【38】桜斎随筆 第15巻 共編
B5判、448頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第15巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第46冊(巻40)
  第47冊(巻41)
  第48冊(巻42)
  第49冊(巻43)

【39】桜斎随筆 第16巻 共編
B5判、408頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第16巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第50冊(巻44)
  第51冊(巻45)
  第52冊(巻46)
  第53冊(巻47)

【40】桜斎随筆 第17巻 共編
B5判、374頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価は第18巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第17巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第54冊(巻48)
  第55冊(巻49)
  第56冊(巻50)
  

【41】桜斎随筆 第18巻 共編
B5判、466頁、平成13年11月10日、本の友社発行、定価120000円。編著者 鹿島則孝、編者 鹿島則良・深沢秋男。

第18巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第57冊(巻51)
  第58冊(巻52)
  第59冊(巻53)
  第60冊(巻54)

【42】桜斎随筆 第7巻(『あすか川』) 共編
B5判、398頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第7巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 「あすか川」解説・内容(村上直)
 本文複製
  第23冊(巻17)
  第24冊(巻18)
  第25冊(巻19)
  

【43】桜斎随筆 第8巻(『あすか川』) 共編
B5判、584頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第8巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第26冊(巻20)
  第27冊(巻21)
  第28冊(巻22)

【44】桜斎随筆 第9巻(『あすか川』) 共編
B5判、392頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第9巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第29冊(巻23)
  第30冊(巻24)
  

【45】桜斎随筆 第10巻(『あすか川』) 共編
B5判、402頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第10巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第31冊(巻25)
  第32冊(巻26)

【46】桜斎随筆 第11巻(『あすか川』) 共編
B5判、528頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価は第12巻の奥付に記載。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第11巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第33冊(巻27)
  第34冊(巻28)
  第35冊(巻29)

【47】桜斎随筆 第12巻(『あすか川』) 共編
B5判、372頁、平成14年11月10日、本の友社発行、定価120000円。編著者 鹿島則孝、編者 村上直・深沢秋男。

第12巻目次
 凡例
 判読未詳部分等の注記
 本文目録
 本文複製
  第36冊(巻30)
  第37冊(巻31)
あとがき(深沢秋男)
  
●鹿島則孝の『桜斎随筆』全60巻・3500丁・7000頁という膨大の資料は、3年間かけてようやく出版が完了した。この幕末・維新の貴重な記録は永遠に伝えられるであろう。これで、鹿島則幸氏へのお礼も出来たし、鹿島則孝の思いも後世へ伝える事が出来た。しかし、それよりも、この貴重な資料を後世の人々は閲覧する恩恵を受けるであろう。私は一仕事を終えて、ホッとした。
●しかし、この本の出版に至るプロセスは長かった。そして、出版の条件も厳しいものであった。全18巻の最終配本の最終巻の「あとがき」に、私は次の如く記した。
「……則孝は(著作の少ない)則文と異なり、自らの詩文を作り、多くの書写本を残している。その書目についてはすでに記したので重複は避けるが、『桜斎随筆』60冊を含めて100冊の余となる。これらの則孝の書写本に出会ったのは、平成2年10月のことであった。鹿島則幸氏の御配慮によるものである。私は、この膨大な写本を目の前にして、これを何とか多くの人々に見て頂けるようにしたいと考えた。様々な曲折はあったが、幸い本の友社の御厚意によって、この大部な写本を原寸で複製出版することが決まった。全18巻、3年間の長い作業あったが、ようやく完結の段階までこぎつけることが出来た。鹿島則幸氏は、平成5年他界され、御生前にこの出版が実現出来なかった事は、返す返すも残念である。
平成12年、第1回配本を発行したが、発行部数は50部という条件であった。この厳しい出版状況下では、これもやむを得ないことである。しかも、この50セットさえ完売は危ぶまれる、という状態であった。私自身、初めての経験であったが、知人の方々に、関係諸機関への購入の働きかけをお願い申し上げた。万一、第1回配本で完売の目処が立たない場合、全巻の発行さえ実現が心配されたのである。幸い、本の友社をはじめ、皆様方の御配慮で、第3回配本も発行が可能となった。ここに記して心からの感謝を申し上げる。……第3回配本は、「あすか川」で幕末維新の歴史的記録であるため、法政大学名誉教授・村上直先生の御指導を賜った。原本所蔵者・鹿島則良氏は、長期間に亙ってその借用をお許し下さった。両氏の御厚情に対して深甚なる感謝の意を捧げたい。……以上、『桜斎随筆』完結にあたって、出版の経過等を記して、関係の皆様への御報告と、心からの御礼と致します。平成14年9月7日 深沢秋男」
●『桜斎随筆』刊行の経緯のあらましは、この「あとがき」でも分ると思うが、全60冊、7000頁に及ぶ膨大な資料の出版は、そう簡単ではなかった。長い年月と、多くの方々の御配慮とを頂き、紆余曲折の末の50部の出版であった。それらの経過を略述しておきたい。
●平成2年10月15日、鹿島則幸氏から1冊の写本が送られてきた。『桜斎随筆』巻6の上だった。この中で鹿島則孝は『井関隆子日記』の事を書いていた。それを則幸氏は教えて下さったのである。則孝はこの随筆の中で、井関隆子を正親町町子と荒木田麗女と共に取り上げている。私はこの随筆に興味をもった。鹿島氏は、やがて『桜斎随筆』全60冊を送付して下さった。初めから所々読むうちに、この自筆写本を世間の人々に知らせたい、後世へ伝えたい、と言う思いに変っていった。
●まず、各巻の目録作成に取り掛かった。平成4年3月の『古書通信』752号に「桜山文庫蔵『桜斎随筆』の紹介」を出し、平成5年6月には『鹿島則孝と『桜斎随筆』』を自費出版で出した。7月には、以前から大型企画の提案を依頼されていたO社にこの企画を打診して検討してもらった。
●私の腹案では、昭和女子大学の大学院の近世専攻のH先生を中心とし、『あすか川』は歴史であるので、法政大学名誉教授の村上直先生に参加して頂く。索引編を別冊で出し、これは昭和女子大の近世の研究助手3名(S氏・T氏・O氏)を編者にする。私は全体的に参加する、こんな素案を作成し、赤羽のO社へ伺い、I社長、N専務、編集のU氏と打合せをした。先方は乗り気で、原本を数冊渡して、製版方法など検討してもらう事にした。出版が決定したら、前述の諸氏にお願いしようと思っていた。2ヶ月が経過した9月にO社のN専務とお会いして、やはり、大部過ぎる事と、鹿島則孝が知られていない事で、この企画は実行できないと断られた。
●10月10日、国語学の野沢勝夫氏と、筑波大学名誉教授の中田祝夫先生宅へお伺いして、相談に乗って頂いた。結果、神田のK書房を紹介され、ここにも野沢氏と2人で伺い、文部省の助成を申請するべく検討して頂いた。研究編とセットで検討してもらったが、研究は本文が刊行された後でなければ出来ない、それまでは助成申請できない。本文が大部過ぎて、製版代だけでも多額の資金がかかり、出版は不可能である、という結論が出た。万事休す、となる。
●平成7年、私は全冊をマイクロ複写して、ネガを保管して、希望の図書館等には、実費でポジを提供する事を考え、高橋マイクロに費用の見積りを依頼した。全冊の総目録を添付して実費で購入を募集すれば、それほど高額にもならないので、図書館で購入してくれるのではないか、と考えた。これと並行して、総目録をホームページに公開して、少しでも認知してもらうよう努めた。
●平成11年11月、画期的な事があった。菊池真一先生の紹介で、本の友社が『桜斎随筆』に興味がある事を知らされた。編集の担当者は石村健氏である。石村氏は学究肌の編集者で、大学に度々訪ねてくれて、いろいろ検討した。この随筆の資料的価値を認めて下さり、その結果、全冊を原寸複製で出すという企画を立ててられた。石村氏の計画では、原本を原寸で複製し、全18巻、6巻ずつ3回に分けて、3年間で完結するというもの。定価は36万円で、発行部数は50部である。出版界のプロの厳しい目を思い知らされた。石山氏によれば、50部でも完売は簡単ではないと言う。
●私は、リコーの複写機の最新型、IMAGIO MF2230をリースで導入し、綿密な計画を立てて原稿作成に着手した。ただ、非常に残念な事は、この第1回配本が出る前に、石村氏が退社されてしまわれた事である。氏は別に出版社を立ち上げた。
●第1回配本を前にして、私は生まれて初めて、この本の購入を知人の研究者に関係機関への購入を働きかけて下さるよう、依頼状を出した。35名の方々である。申し訳ないお願いであるが、この企画が頓挫しては、日本の文化史上でもマイナスであるという信念でお願いした。私の知り得た範囲では、次の図書館が購入して下さった。昭和女子大学・高崎商科短期大学・大妻女子大学・大妻女子大学多摩キャンパス・和光大学・駒沢大学・別府大学・天理図書館・早稲田大学(2)・京都精華大学・法政大学・国文学研究資料館・目白大学・東大史料編纂所・和洋女子大学・成田図書館・京都府立総合資料館・大阪府立図書館・都立中央図書館・京都大学図書館・東北大学図書館・筑波大学図書館・三重県立図書館・伊勢市立図書館・茨城県立図書館・茨城県立歴史館・千葉県立中央図書館・鹿島神宮・日本大学図書館。まだまだ未確認の故に見落としもあるかと思う。しかし、研究者の立場からすれば、これだけの図書館で所蔵していて下さるだけで十分である。鹿島則孝が情熱を傾けて書き綴った記録は、決して失われる事はないだろう。つくづくと、人間の文化の尊さを思う。ご迷惑なお願いを申し上げた皆様、有難うございました。そして、本の友社の編集担当者、石村健氏・吉岡章光氏・鈴木大輔氏・西野太郎氏の御厚情に感謝する。

【48】井関隆子の研究 著
A5判、442頁、2004年11月1日、和泉書院発行、定価10000円。

口絵写真

1、『井関隆子日記』12冊全体・1(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
2、『井関隆子日記』12冊全体・2(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
3、『井関隆子日記』第1冊巻頭(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
4、『井関隆子日記』永代寺の陰間(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
5、『井関隆子日記』添付の鹿島則文の識語(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)。
6、『さくら雄が物かたり』表紙(東北大学附属図書館所蔵)
7、『さくら雄が物かたり』巻頭(東北大学附属図書館所蔵)
8、『さくら雄が物かたり』巻末(東北大学附属図書館所蔵)
9、『神代のいましめ』巻頭(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
10、『神代のいましめ』巻末、蔵田茂樹識語・1(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
11、『神代のいましめ』巻末、蔵田茂樹識語・2(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
12、『井関隆子長短歌』巻頭、(『翠園叢書』二十六、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
13、『いなみ野』巻頭(吉海直人氏所蔵)
14、『野山の夢』跋(『翠園叢書』二十八、昭和女子大学図書館・翠園文庫所蔵)
15、『宇津保物語考』巻末(隆子筆、静嘉堂文庫所蔵)
16、『恵美草』巻頭(国会図書館所蔵)
17、『恵美草』千畳敷の条(国会図書館所蔵)
18、『恵美草』巻末(国会図書館所蔵)
19、『恵美草』千畳敷の条(昭和女子大学図書館・桜山文庫所蔵)
20、『雅文』巻頭(隆子筆、吉海直人氏所蔵)
21、『雅文』巻末(「堂可子」隆子筆、吉海直人氏所蔵)
22、庄田家墓石、正面(昌清寺)
23、庄田家墓石、正面拡大(昌清寺)
24、庄田本家墓石、正面(浄念寺)
25、庄田本家墓石、正面家紋(浄念寺)
26、井関家墓石、向って左面(喜運寺)
27、井関家墓石、向って右面(喜運寺)
28、昌清寺過去帳(第一冊表紙)
29、昌清寺檀家別過去帳(初代・安議)540
30、昌清寺檀家別過去帳(四代・安僚、隆子の父)412
31、昌清寺檀家別過去帳(四代・安僚妻、隆子の母)337
32、井関家過去帳(「是々」喜運寺三十世瑞雲、昭和九年一月転写、井関家所蔵)
33、井関家過去帳(天保十五年十一月一日、隆子の条)
34、庄田家系譜(隆子の条、庄田安豊氏所蔵)
35、庄田家系譜(隆子の条、拡大図、庄田安豊氏所蔵)
36、庄田家系譜(副本、表紙、庄田安豊氏所蔵)
37、庄田家系譜(副本、隆子の条、庄田安豊氏所蔵)
38、庄田家系譜(副本、隆子の条、拡大図、庄田安豊氏所蔵)

◎本文中挿絵(4枚)
39、女性の髪形(11年2月1日)
40、日月棚、貴人棚(11年9月3日)
41、将軍家より拝領の鉢植(11年10月4日)
42、浅草の見世物、眼力太夫(11年10月25日)

目  次

  研究篇

第1章 井関隆子の生涯
 第1節 前半生・四谷時代―出生から婚姻まで―
 第2節 後半生・飯田町時代―結婚から他界まで
 第3節 井関隆子とその時代
   付、庄田家・井関家 系図
   〔注〕

第2章 井関隆子の文学・Ⅰ 『井関隆子日記』
 第1節 書誌
 第2節 内容
 第3節 著作の動機
 第4節 批判的精神
   1、はじめに
   2、仏教批判
   3、儒教批判、国学者批判
   4、政治批判
   5、まとめ
 第5節 創作的要素
   1、『水鳥』
   2、品川心中
   3、旗本心中事件
 第6節 歴史的記述
   1、人災・天災
   2、三方所替
   3、日光社参
   4、徳川家主要人物の没日
 第7節 風俗描写
   1、はじめに
   2、両国の花火・佃嶋の花火
   3、山王祭・神田祭
   4、上野の桜、流行色・服装・髪形等、浅草の
     見世物等々
   5、まとめ
 第8節 自然描写
   1、はじめに
   2、鹿屋園の四季
   3、草花の司、薄(尾花)
 第9節 和歌
   1、和歌の修業
   2、収録の和歌
   3、和歌に対する姿勢
 第10節 日記文学としての価値
   1、日記文学の定義
   2、『井関隆子日記』の文章
   3、『井関隆子日記』の文学的価値
    〔注〕

第3章 井関隆子の文学・Ⅱ その他の作品
 第1節 『さくら雄が物かたり』
   1、書誌
   2、『さくら雄が物かたり』の内容
   3、『竹取物語』と『さくら雄が物かたり』
   4、『さくら雄が物かたり』の創作意図
   5、井関隆子の仏教批判
   6、まとめ
 第2節 『神代のいましめ』
   1、書誌
   2、『神代のいましめ』の内容と創作意図
   3、主人公・某の少将のモデル
     A、新田孝子氏の松平定信説
     B、『神代のいましめ』の成立時期
     C、老中・水野忠邦(史的事実)
     D、隆子の見た為政者――忠邦と定信――
     E、某の少将のモデルは誰か
 第3節 『いなみ野』
   1、書誌等
   2、『いなみ野』の本文
   3、『いなみ野』の内容
   4、『いなみ野』の創作意図
第4節 『井関隆子長短歌』『秋野の花』『野山の
    夢』跋
   1、『井関隆子長短歌』
   2、『秋野の花』所収歌
   3、『野山の夢』跋
 第5節 書写本
   1、桑原やよ子著『宇津保物語考』
   2、蔵田茂樹著『恵美草』
   3、吉田兼好著『徒然草』
    〔注〕

第4章 井関隆子の人間像
   1、出生と家庭環境
   2、的確な人間認識と歴史意識
   3、天性の批評者
   4、持続する批評精神
   5、豊かな学殖と合理的見識
   6、旺盛な好奇心と執筆意欲
   7、旗本夫人の気位と気品
   8、敬愛された母・祖母

  資 料 篇

1、井関隆子伝記関係資料

  1、庄田家関係
    1、庄田家系譜・正本
    2、庄田家系譜・副本
    3、昌清寺過去帳
    4、昌清寺檀家別過去帳
    5、庄田家墓石
    6、庄田家本家墓石
  2、井関家関係
    1、井関家過去帳
    2、井関家墓石
    3、井関親経短冊
  3、その他
    1、『寛政重修諸家譜』
    2、『徳川実紀』
    3、『柳営補任』

2、井関隆子関係研究文献目録
   1、著作
   2、書写本
   3、作者関係
   4、調査報告・論考・その他
   5、新刊紹介等

3、その他
  1、研究発表・講演・講義等
    ◎日本文学研究会(東京都教育会館)
    ◎東京の歴史研究会(新宿区立図書館)
    ◎東京掃苔会(芝増上寺)
    ◎女性文化研究所(昭和女子大学)
    ◎千葉市民文化大学(千葉市)
    ◎昭和女子大学(講義・講読・演習、短大・
     大学院)
  2、平成十一年度大学入試センター試験問題

  あとがき
  索引(人名・地名・書名・主要事項)(左開)

●平成14年、3年間続いた『桜斎随筆』も完結したので、ほぼ研究も終っている『井関隆子の研究』をまとめて出す計画を立てた。私は単行本にする場合、既に雑誌等に発表したものは、参考にする程度で、書下ろしを原則としている。初めから書き出していたところ、菊池真一先生から連絡があり、和泉書院で私のものを何か出して下さる意向であると知らされた。『井関隆子日記』は勉誠社で出して頂いたので、この『研究』も本来なら勉誠社にお願いすべきである。しかし、私達の研究書などは、売れる訳でもないので、必ずしも喜んで引き受けてくれるとも限らない。そこで、勉誠社の池嶋洋次氏の御了承を頂いて、和泉書院にお願いする事にした訳である。
●平成15年7月、原稿の見通しがついたので、菊池先生と共に和泉書院へ伺って、出版をお願いした。原稿を渡す時、完全原稿に近いという自信がありますので、初校で済むと思います、と申し上げ、出版社からは、有難う御座います、とお礼を言われた。しかし、いざ、進行してみると、再校でも赤字は無くならなかった。一気に書き上げたので、不統一は無いと思ったが、まるで逆であった。和泉書院の編集部に何回お詫びしたか知れない。やはり、トシか。
●平成16年11月1日、本書は発行された。私は全く気付いていなかったが、和泉書院では、井関隆子の没日、天保15年11月1日に合わせて発行して下さった。何と感謝すればよいか。
●前年の8月、息子と2人で、ドイツ、スイス、フランスの旅に出かけた。ライン川下り、ノイシュバンシュタイン城、ルーブル美術館、ロダン美術館などを見て回ったが、このツアーの中に染色会社の社長さんがいて、仲良しになり、手拭を作る事を思いついた。相談すると、作ってくれると言う。そこで、『井関隆子日記』の冒頭部分と、庄田家と井関家の家紋と、井関家の過去帳の隆子の条と、鹿島則文の「櫻山文庫」の丸印と、ついでに「文章千古事」の方形印を影印で3色で染めてもらった手拭を作り、本に添える事にした。勿論、贈呈本のみである。こんなモノズキな事をするヒトはいないだろう。一見の後、布巾にして下さい、という意味である。

【49】仮名草子研究文献目録  共編
A5判、300頁、2004年12月15日、和泉書院発行、定価3800円。菊池真一氏と共編。

目 次
第1部 仮名草子作品
第2部 仮名草子関係研究書(目次併載)
第3部 仮名草子関係論文等(雑誌・紀要・その他)
人名索引
書名索引

●私は学部の卒論の時、仮名草子関係の先行研究の文献調査に、かなりの時間を消費し、これは非生産的だと痛感し、仮名草子研究文献目録の作成を思い立った。最初のものは『近世初期文芸』第3号(昭和48年)に出した。この時は、小川武彦氏に協力してもらった。以後、同誌の第4号、第6号で増補し、その後、菊池真一氏編の『恨の介・薄雪物語』(1994年4月30日、和泉書院発行)に掲載して頂いた。それと前後して、菊池氏の協力を得て、ホームページ「近世初期文芸研究会」の中に「仮名草子研究文献目録」の項を設けて、逐次追加している。これは現在も実行中である。このような経過の中で、菊池氏と協力して、明治初年から平成14年(2002年)の文献を収録したものである。

吉海直人 著 『百人一首の正体』

吉海直人 著 『百人一首の正体』

平成28年10月25日、KADOKAWA発行。
角川文庫20030。定価 720円+税。 

  目 次

序 章 百人一首への招待  
一.、百人一首、常識の嘘
二、現代に生きる百人一首

第一章 百人一首成立の謎
  一、明月記の曖昧さ
  二、百人秀歌の発見
  三、百人秀歌型配列百人一首の発見
  四、小倉色紙の複雑さ
  五、定家筆の新事実
  六、歌仙絵の有無
  七、三つの小倉山荘

第二章 百人一首の流れ  
  一、百人一首注釈の始発
  二、百人一首に古写本はない 
 三、為家筆百人一首はあるか 
  四、百人一首古版本の誕生
  五、女子用往来への道
  六、百人一首かるたの謎
  七、競技用かるたの成立と問題点

第三章 百人一首の広がり  
  一、異種百人一首の成立と展開
  二、愛国百人一首のはかなさ
  三、百人一首のパロディ
  四、最初の英訳百人一首

第四章 百人一首の撰歌意識を探る
一、教材としての危険性
二、作者の疑わしい歌
三、撰入歌の是非について
四、秀歌と代表歌の違い
五、勅撰集との差異
六、配列をどう考えるか
七、天地人の発見
八、今後の課題

第五章 百人一首の見どころ
  百人一首 1~100
  【付録】 百人秀歌掲載歌 1~4 

あとがき:
文庫版あとがき
参考文献一覧
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 

小倉百人一首について常識とされていることは、実はほとんど
が推測の積み重ねである! 藤原定家が撰出したという通説の
真偽、いつから「百人―首」と呼ばれるようになったのか、な
ぜこの百首が選ばれたのか、歌々は果たして秀歌のオンパレード
なのかー――。研究者であり、日本随一の百人一首コレクターで
もある著者が、知っているようで知らなかった真実を明らかに
する。百首すべての見所と現代語訳を掲載した永久保存版。
【カバーより】  
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
●私は、平成24年、『如儡子百人一首注釈の研究』を、和泉書院
から出版した。その折、この度の『百人一首の正体』の著者、
吉海直人氏から、有益な御教示を賜った。如儡子の著作だから、
私も研究しなければならない、などという、心がけの私とは、
吉海氏は、『百人一首』にたいする姿勢が、まるでちがう。
「……専攻は平安文学。特に百人一首悉皆研究をライフワーク
としている。」 そのような著者の意欲的な快著である。 

『芸文稿』 総目録

『芸文稿』 総目録

『芸文稿』は、芸文稿の会の機関誌として、平成20年に創刊された。第8号から、安藤武彦氏・松本節子氏、小林孔氏によって継承されている。

●『芸文稿』第9号(平成28年7月1日発行)
目  次
◎千代倉東店 俳諧等文書(下)…………………… 松本 節子
                        小林  孔
                        竹内千代子
                        高井 悠子
◎丹波黒井城下の近衛前久自筆自詠和歌 ………… 安藤 武彦
◎如儡子の『堪忍記』(下)………………………… 深沢 秋男
◎『源氏物語』鑑賞(その八)……………………… 田中  宏
◎野間道場あれこれ(その七)……………………… 田中  宏
◎連歌稿 ………………………………………… 連歌を楽しむ会
◎原田康子作『挽歌』を読む ……………………… 安藤 武彦
◎自著紹介『仮名草子の文学的研究』 …………… 田中  宏

●『芸文稿』第8号(平成27年7月1日発行)
目  次
◎千代倉東店 俳諧等文書(上)……………    松本 節子
                        小林  孔
                        竹内千代子
                        高井 悠子
◎『異本翁草』巻一二七所収「洛陽大火行」 …… 松本 節子
◎如儡子の『堪忍記』(上)…………………………… 深沢 秋男
◎野間道場あれこれ(その六)………………………… 田中  宏
◎連歌稿 ……………………………………………… 連歌を楽しむ会
◎艶想句日録抄 ……………………………………… 安藤 武彦
◎白玉椿謾想 ………………………………………… 安藤 武彦

●『芸文稿』第7号(平成26年6月1日発行)
目  次
◎森鴎外『伊沢蘭軒』および『ペリカン』と〈舞姫事件〉… 小平 克
  ――山陽と霞亭の記述の背景を探り、『ペリカン』
             訳出の謎を解明する――                           
◎謾考 近衛前久詠・紹巴の連歌幅・幸若歌謡と徳元など
                 ……………… 安藤 武彦                  
◎想い出づるまゝに 斎藤徳元句「かの事や」ノオト
                  ………………安藤 武彦                                                                       
◎『源氏物語』鑑賞 (その七)…………………… 田中  宏               
◎『紫式部日記』鑑賞 (その五)………………… 田中  宏                      
   ―――――――――――――――――――――――
◎『異本翁草』(京都大学附属図書館蔵)翻刻(四)… 松本 節子    
  ―――――――――――――――――――――――                   
◎野間道場あれこれ(その五)………………………… 田中  宏
◎〈新刊紹介〉 安藤武彦著『芸文集 光芒』……… 深沢 秋男
◎仮名草子研究の思い出(昭和女子大学最終講義)… 深沢 秋男

●『芸文稿』第6号(2013年4月1日発行)
目  次
◎森鴎外「夢がたり」連作歌の謎 …………………… 小平 克
   ――夢か現か――
◎斎藤徳元の四季発句集たる …………………… 安藤 武彦
   「有馬在湯日発句」を読む〈二〉
◎江戸時代雑感 …………………………………… 坂井利三郎
   ――その⑥「水戸黄門―藩主決定の真相」――
◎元禄大地震より今を考える …………………… 坂井利三郎
   ――江戸時代雑感〔余滴〕―― 
◎『源氏物語』鑑賞 (その六) ………………… 田中 宏
◎『紫式部日記』鑑賞 (その四) ……………… 田中 宏
  …………………………………………………………………
◎『異本翁草』(京都大学附属図書館蔵)翻刻(三) … 松本 節子
  …………………………………………………………………
◎野口シカと中田観音 ……………………… 宮島 鏡・関口静雄

◎野間道場あれこれ(その四) ………………………… 田中 宏
◎重友毅先生と私 ……………………………………… 深沢 秋男

●『芸文稿』第5号(2012年4月1日発行)
目  次
◎「榛〈はしばみ〉の実」謾想 ……………………… 安藤 武彦
   ――著作『俳誹諧初学抄』の初刷本のことなど――
◎お竹大日の御影(続) …………………… 宮島鏡・関口静雄
◎浅草寺人丸社をめぐって ………………………… 清水 正男
◎江戸時代雑感 ……………………………………… 坂井利三郎
   ――その⑤「水戸黄門―閨門の争い―再考」――
◎『源氏物語』鑑賞(その五) …………………… 田中  宏
◎『紫式部日記』について(その三) …………… 田中  宏
…………………………………………………………………
◎『異本翁草』(京都大学附属図書館蔵) 翻刻 (二)
   ――付、杜口の生年・没年等について――
            …………………………… 松本 節子
………………………………………………………………
◎野間道場あれこれ(その三) …………………… 田中  宏
○横山重先生の思い出 ……………………………… 深沢 秋男
○『井関隆子日記』、明治大学・京都大学入試問題に出題
           ……………………………… 深沢 秋男

●『芸文稿』第4号 平成23年(2011年)4月 発行
目  次
◎謾考 徳元短冊の補遺 ・・・・・・・・・・・・・ 安藤武彦 
◎痢病尊神と二宮尊徳 ・・・・・・・・・・ 宮島 鏡・関口静雄 
◎江戸時代雑感 ・・・・・・・・・・・ 坂井利三郎 
   ――〔その4〕「水戸生瀬の乱」――
◎いわゆる大阪屋花鳥のことなど ・・・・ 清水正男 
◎『源氏物語』鑑賞(その四) ・・・・・・ 田中宏 
◎『紫式部日記』(その二) ・・・・・・・ 田中宏 
◎『異本翁草』(京都大学附属図書館蔵)翻刻  松本節子 
◎鈴木重嶺(翠園)関係資料紹介(8)・・ 深沢秋男・菅野貴子 
◎野間道場あれこれ(その二) ・・・・・ 田中宏 
◎『旗本夫人が見た江戸のたそがれ―井関隆子日記―』
   ――〔書評・新刊紹介・コメント等〕の紹介――
・ ・・・・・・・・・・ 深沢秋男

●『芸文稿』第3号  平成22年(2010年)4月発行
目  次
◎森鴎外と百物語――鴎外の参加理由・百物語の招待客――
                    ・・・中島次郎
◎『大外智仁 教訓一夕話』の一典拠   ・・・清水正男
◎江戸時代雑感――その(3)「水戸黄門―閨門の争い」――
                   ・・・坂井利三郎
◎『源氏物語』鑑賞(その三)     ・・・田中宏
◎『紫式部日記』鑑賞(その一)    ・・・田中宏
◎鈴木重嶺(翠園)関係資料紹介(7) ・・・深沢秋男・菅野貴子
◎昭和女子大学所蔵「翠園文庫」について――鈴木重嶺(翠園)関係資料―― ・・・深沢秋男
◎陶玄亭散人日録 抄(その二)    ・・・安藤武彦
◎野間道場あれこれ(その一)     ・・・田中宏
◎ウェブ日記抄・2 ――平成13年(2001)――
             ・・深沢秋男
 
●『芸文稿』第2号  平成21年(2009年)4月発行
目  次
◎お竹大日の御影     …………………… 宮島鏡・関口静雄 
◎『寛永剣術上覧之記』について(結び)…… 田中 宏
◎江戸時代雑感    ………………………… 坂井 利三郎 
  ――その②「水戸黄門―その実像に迫る」――
◎陶玄亭散人日録 抄     ………………… 安藤 武彦 
◎第一句集『時の舟』刊行をめぐって …〔俳号 百〕浅見優子
◎(翻刻)『大外智仁 教訓一夕話』   …… 清水 正男 
◎松浦詮編『蓬園月次歌集 全』の紹介  … 深沢秋男・菅野貴子 
  ――鈴木重嶺所収歌を中心に――
◎『源氏物語』鑑賞(その二)    ……… 田中 宏  
◎ウェブ日記抄・1    …………………… 深沢 秋男 
  ――平成11年(1999)~平成12年――

●『芸文稿』 第1号  平成20年(2008年)4月発行
目  次
◎ 忘れえぬ思い出 写本の話・・・・・・・・・・・・・金子和正 
◎蛭女尊のおふだ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 宮島 鏡 
◎柳吉と蝶子の年齢・・・・・・・・・・・・・・・・ 中島次郎 
  ――「夫婦善哉」と「続夫婦善哉」――
◎徳元作「有馬在湯日発句収録、へびいちご」の句謾想・安藤武彦 
◎『寛永剣術上覧之記』について(その一)・・・・・・ 田中 宏 
◎江戸時代雑感・・・・・・・・・・・・・・・・・・坂井利三郎 
  ――その①「不義密通と将軍綱吉」――
◎『笠森娘錦之笈摺』瑣談・・・・・・・・・・・・ 清水正男 
◎「第二次世界大戦」(極東戦域)の報道の誤り 序説・・伊藤加奈 
◎鈴木重嶺(翠園)関係資料紹介(6)・・・・・・・・深沢秋男 
◎「どどいつ」艶本――翻刻と影印――・・・・・・・菊池真一 
◎みちのく紀行・・・・・・・・・・・・・・・ 浅見優子 
◎『源氏物語』鑑賞(その一)・・・・・・・・・・田中 宏 
◎自著を語る・・・・・・・・・・・・・・・・深沢秋男 
○編集後記・・・・・・・・・・・・・・・・・